小笠原諸島の旬の味覚、パッションフルーツのシーズン到来(東京都)
小笠原産のパッションフルーツの出荷が始まっています。筆者もさっそく購入し、南国の風味を楽しみました。最近、よく目にするようになったパッションフルーツですが、実は、小笠原に住むまではあまり馴染みのない果物でした。夏の強い日差しを遮るグリーンカーテンとしても知られ、ホームセンターなどでは苗木が販売されています。そんなパッションフルーツですが、どんな果物で、どうやって食べるか、あまり知られていないのではないでしょうか。そこで今回は、小笠原産のパッションフルーツについて紹介します。
パッションフルーツとは?
パッションフルーツは、南米原産のトケイソウの一種で、17世紀初期にスペイン人によって発見されました。
花の形が時計の文字盤を連想させるので、和名はトケイソウと名付けられています。また、英名の Passion には「受難」という意味もあり、花が咲いている様子が磔(はりつけ)に処されたキリストの「受難」を連想させるからだそうです。
パッションフルーツは、ツル性の植物です。一般的には、支柱やネットを備えた大きめのプランターで育てますが、農家はパッション棚と呼ばれる大きな柵を組んで栽培します。
花が咲き終わると、長さ5~10センチメートルの卵形をした実がなります。緑色だった実の皮が、赤紫色になると熟してきた証拠です。実が熟すと、南国の果物らしい甘くてフルーティーな芳香が漂ってきます。
実の皮の内側には、小さな黒い種を包むように発達したゼリー状の果肉がついています。オレンジ色をした果肉は、爽やかな香りと酸味、ほのかな甘みが楽しめます。
小笠原諸島でのシーズンは?
パッションフルーツの旬は、4~7月と10~11月頃の年2回ありますが、秋は収穫量が少ないため、4~7月がメインシーズンとなります。今年も4月から店頭で見かけるようになり、5月に入って日に日にたくさんのパッションフルーツが並ぶようになりました。生のパッションフルーツが食べられるのは、この期間限定です。
パッションフルーツの食べごろは?
パッションフルーツは、実が完熟してから収穫されているため、購入してすぐに食べても美味しいはずです。もしも酸味が強いと感じたら、1週間ほど常温の場所に置いて、皮にシワが出てくるまで追熟させると、酸味が抜け、より甘く食べられます。
袋入りのパッションフルーツを購入した場合は、袋から出して風通しのよい場所で常温保存します。シワが出てきたものを常温の場所に置いたままにしておくと、腐敗が始まってくるため、早めに食べるか冷蔵庫または冷凍庫で保存しましょう。
パッションフルーツは、購入後すぐに冷蔵庫へ入れたり、落下などの衝撃を与えてしまうと、酸味が強まることがあります。取り扱いには充分気をつけてください。
パッションフルーツは、常温で持ち運びができて、10日程度追熟させるとさらに美味しくなるので、小笠原旅行のおみやげにも最適です。
パッションフルーツの食べ方は?
実を半分に切り、果肉を種ごとスプーンですくって食べるのが、定番の食べ方です。シンプルな食べ方ですが、パッションフルーツを一番おいしく食べられます。
黒い種は、噛むとパリパリという歯ごたえがあります。その歯ごたえを楽しむもよし、噛まずにつるりと飲みこむもよし。
パッションフルーツは、ほかにも、いろいろな楽しみ方があります。
・焼酎+炭酸でパッションハイとして楽しむ
・冷凍してシャーベット感覚で楽しむ
・酸味が強い場合は、甘みのあるヨーグルトやバニラアイスのトッピングとして楽しむ
小笠原産のパッションフルーツはどこで手に入るの?
小笠原産のパッションフルーツは、次の場所や方法で購入することができます。
1.小笠原農協(東京島しょ農業協同組合 小笠原父島支店)で購入する
2.通信販売で購入する
3.アンテナショップ 東京愛らんどで購入する
小笠原諸島への来島予定がある方は、小笠原農協(東京島しょ農業協同組合 小笠原父島支店)で袋入りや箱入りのパッションフルーツが購入できます。
小笠原産のパッションフルーツは、通信販売でも購入することができます。袋入りや箱入りのパッションフルーツは、贈答用のとしても人気です。料金の目安としては、S玉が12~13個入った小箱が2,400円、特大玉が25個入った2L大箱が7,400円です。
通信販売の場合、商品は船便に合わせての発送となりますので、注文から到着までに10日程度かかる場合もあります。
数は少ないですが、東京都港区にあるアンテナショップ 東京愛らんどで、小笠原産のパッションフルーツを購入することができます。自然栽培の果物のため、入荷がない場合があります。購入の際は、事前に問い合わせてください。
亜熱帯の強い日差しと、ミネラルを含んだ海風を浴びた小笠原産のパッションフルーツは、香りが強く、酸味と甘みのバランスが絶妙です。南国の味をぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
筆者
東京・小笠原諸島特派員
たびんちゅ
元バックパッカー。小笠原諸島に移住して約20年になりました。
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