パリ・ミュージアム・パスのメリットや購入方法・おトクな使い方

パリには世界の美術品が集積しています。ルーヴル美術館をはじめオルセー美術館、国立近代美術館など見逃せないアートスポットが満載です。それらの主要美術館や博物館、観光スポットをまとめて利用できてしまうのがパリ・ミュージアム・パスです。
パリ・ミュージアム・パスとは

パリ・ミュージアム・パスは、パリ市内と郊外にある美術館などに入れる定額フリーパスです。パリ市内と郊外の約50ヵ所に入場できます。
対象となるスポットはルーヴル美術館、オルセー美術館、凱旋門(エトワール)、国立近代美術館(ポンピドゥー・センター)、ヴェルサイユ宮殿といったパリ市内および近郊のマストスポットに加えて、サント・シャペル、ピカソ美術館、オランジュリー美術館、ロダン美術館、アンヴァリッド、映画博物館など分野別に押さえておきたい場所も満載です。

パリ・ミュージアム・パスのメリットはふたつ。ひとつはチケット売り場に並ばなくてもいいということ。観光都市であるパリは、世界中から旅行客が押し寄せます。そのため夏や季節ごとのヨーロッパのバカンスシーズンには、有名スポットのチケット売り場は長蛇の列になることが、しばしばです。パリ・ミュージアム・パスを持っていれば、チケット購入の時間を短縮できるので、わずらわしい混雑をスキップして時間を有効に使えます。
ふたつ目は、定額のためスポットを多く訪れた場合にチケット代を節約できること。短期滞在中に多くの観光スポットを巡る旅行の場合、パリ・ミュージアム・パスの方が入場料の合計が安くなることがあります。特に2日券の場合は、1日およそ2〜3ヵ所を巡ると元が取れるようです。
パリ・ミュージアム・パスを買った方がおトク?
パリ・ミュージアム・パスで入場できる、主な人気スポットの入場料の一覧にしました。パリ・ミュージアム・パスの2日券は€55。行きたいスポットや2日間でまわれるご自身のペースなど考慮して比較してみてください。
観光スポット名 | 入場料(窓口購入) |
---|---|
ルーブル美術館 | € 17(€15) |
オルセー美術館 | € 16(€14) |
オランジュリー美術館 | € 12.5 |
国立近代美術館ポンピドゥーセンター | € 15 |
ピカソ美術館 | € 12.5 |
ロダン美術館 | € 13 |
凱旋門 | € 13 |
サント・シャペル教会 | € 11.5 |
ヴェルサイユ宮殿 | € 19.5 |
パリ・ミュージアム・パスを使ってぜひ行きたい観光スポット

ルーヴル美術館
『モナ・リザ』『ミロのヴィーナス』『サモトラケのニケ』『ハンムラビ法典』などを所蔵する世界最大級のコレクションを持つ美術館です。元は宮殿として使われていました。中庭に建つガラスのピラミッドは建築家、イオ・ミン・ペイによる設計です。

オルセー美術館
印象派などを中心に、おもに1848〜1914年までの作品を展示しています。元は駅舎だった建物を美術館に転用しています。ルーヴル美術館(オルセー美術館より以前の作品)や国立近代美術館(オルセー美術館以降の作品)と合わせて巡ることで、美術史を一覧できます。

凱旋門
1805年に勃発したオステルリッツの戦いの戦勝記念としてナポレオンが建設を命じました。ナポレオンの死後、1936年に完成した。シャンゼリゼ大通りの西端であるエトワール広場に立つフランスのシンボル的建築物のひとつです。

ポンピドゥー・センター
ルーヴル美術館やオルセー美術館と並ぶパリ三大美術館のひとつである国立近代美術館が入る建物です。20世紀以降の美術品を所蔵しています。ほかには公共情報図書館などが入っています。建物は建築家、リチャード・ロジャーズとレンゾ・ピアノにより設計されました。

サント・シャペル
荘厳なステンドグラスに飾られた礼拝堂。パリ最古のステンドグラスや、「聖王」と呼ばれたルイ9世がコンスタンティノープルの皇帝から購入したキリストの聖遺物などを納めるために建てられました。

ヴェルサイユ宮殿
太陽王ルイ14世によって建てられた巨大で豪華な宮殿です。パリ郊外のヴェルサイユに建設され、その後のフランスの政治・文化・芸術の中心地となりました。主となる宮殿のほかに、広大な庭園と離宮から構成されています。

パリ・ミュージアム・パスの事前購入方法

パリ・ミュージアム・パスは2日券(48時間)€55、4日券(96時間)€70、6日券(144時間)€85の3種類あります。紙のチケットを事前購入する方法とEチケットを購入する方法があり、どちらもオンラインで手続きできます。紙のチケットの事前購入には3通りの受け取り方があります。
ひとつ目がオンラインでオーダーしたパスをパリ市庁舎または、パリ北駅にあるパリ市観光局案内所で受け取る方法です。手数料は無料です。
ふたつ目が自宅まで郵送してもらう方法。世界中に配送してくれますが、国と地域により送料がかかります。日本の場合は通常4営業日で到着予定です。
3つ目が滞在先のパリ市内のホテルで受け取る方法。ホテルへの送料がかかります。ホテル到着日時の24時間前までの申し込みが必要です。
Eチケットが導入され、より便利になったパリ・ミュージアム・パス
従来は紙での購入しかできなかったこのパスですが、Eチケットの発行が可能になりました。
⇒購入はこちらから公式サイト(英語表記あり)
詳細はサイトをお読みいただければと思いますが、①オンラインでチケットを購入し ②入場用のバーコードが入った確認メールを受け取り ③プリントアウトしておくか、メールそのものをスマホなどに入れます。ここからが重要ですが④訪れたい美術館の開館状況を見てから時間帯を指定し ⑤当日受付で該当ページを見せる という流れになります。 ルーヴル美術館やヴェルサイユ宮殿などは混雑しがちなので、指定時刻には注意して利用したいですね。時間指定方法は下記記事で詳しく紹介しています。

パリ・ミュージアム・パスの現地購入場所

パリ・ミュージアム・パスは、パリ市観光局案内所(パリ市庁舎とパリ北駅)とギャラリー・ラファイエット・パリ・オスマン店、シャルル・ド・ゴール空港、オルリー空港の各ツーリスト・インフォメーション・デスクで購入できます。窓口で購入する場合、送料などはかかりません。
そのほかには、劇場プレイガイド「キオスク・テアトル(マドレーヌ広場、モンパルナス駅前広場、テルヌ広場)」やルーヴル美術館に隣接した地下施設カルーゼル・デュ・ルーヴル内に入るキオスク、オルセー美術館前にあるキオスク(2, rue de la Légion d'Honneur)、凱旋門近くにあるキオスク(44, avenue de Friedland, 8e)でも売られています。

パリ郊外だとディズニーランド・リゾート・パリの最寄り駅、マルヌ・ラ・ヴァレ・シェシー(Gare de Marne-la-Vallée - Chessy)のツーリスト・インフォメーション・デスクでも取り扱っています。
パリ・ミュージアム・パスの使用上の注意点

パリ・ミュージアム・パスの有効期間は、最初に入館した施設からカウントされます。休館日(月曜または火曜休みの施設が多い)、祝日(1月1日、5月1日、12月25日を休館とする施設が多い)、入場無料の日(施設によっては毎月第一日曜など)、ストライキに当たっても返金やパス使用後の有効期間の延長はできません。なお、以前は有効期限内であれば何度でも対象施設に入場可能でしたが、現在は各施設1回までに限られています。
パスは常設展のみ有効で、特別展やセミナーなどの特別企画には利用できません。有料オーディオガイドのレンタル料は、パスに含まれていません。

ルーヴル美術館は2019年8月より事前入場予約が必須になりました。パリ・ミュージアム・パスの所持者は、ルーヴル美術館に無料で入館できますが、別途無料の入場予約が必要です。予約はルーヴル美術館の公式サイトから行います。
パリ・ミュージアム・パスを使ったおトクなモデルコース

以下がパリ・ミュージアム・パスを使ったおトクなモデルコースです(どの程度、おトクになるかは、上記「パリ・ミュージアム・パスとは」記事を参照)。
■モデルコース1
・09:00 ルーヴル美術館
・11:00 装飾芸術美術館
・12:00 昼食
・14:00 オランジュリー美術館
・16:00 シャンゼリゼ大通り散策
・17:00 凱旋門
■モデルコース2
・09:00 サント・シャペル
・10:00 コンシェルジュリー
・11:30 ドラクロワ美術館
・12:00 昼食
・13:30 オルセー美術館
・16:00 国立近代美術館
まとめ:パリ・ミュージアム・パスを使っておトクにパリを楽しもう!

歴史的にもパリは多くの芸術家を魅了してきた町です。芸術への理解も深く、歴史的価値が高いさまざまなアートが身近に存在しています。パリ・ミュージアム・パスを使って、各時代の芸術家たちの息吹に触れてみましょう。
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筆者
フランス特派員
守隨 亨延
パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。
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