ヴェルサイユ宮殿

Château de Versailles

フランス絶対王政のシンボル

観光ツアーのお決まりコースだが、フランスのみならず、ヨーロッパの黄金時代を象徴するこの宮殿は、やはり一生に一度は訪れたい場所だ。宮殿、ドメーヌ・ド・トリアノン、庭園をすべて見るには丸1日かかると考えよう。

歴史

 「有史以来、最も大きく、最も豪華な宮殿を!」という若き太陽王、ルイ14世のひと声で、ヴェルサイユ宮殿の建設が始まったのは、1661年のこと。以後1世紀にわたって、この宮殿は、名実ともにフランスの政治、文化、芸術の中心となる。
 パリから20kmも離れた、木も水もない不毛の地に、森を造りセーヌ川の流れを変えるといった自然の大改造。ありとあらゆる装飾を施し、贅の限りを尽くした宮殿。それは単なる王の住まいではなく、王の絶対的権力を示すための舞台装置でなければならなかった。この途方もないプロジェクトの中心となったのが、建築家のルイ・ル・ヴォー、画家のシャルル・ル・ブラン、造園家のアンドレ・ル・ノートルだ。
 ル・ヴォーは、もとはルイ13世の狩猟小屋にすぎなかった簡素な館を包み込むように、壮大なスケールをもつ石造建造物を建て、王と王妃の大居室群Grands Appartementsの設計に着手した。彼の死後はジュール・アルドゥアン・マンサールが引き継ぎ、庭園側のテラスを鏡の回廊Galerie des Glacesに改装した。壁画や天井画から家具調度にいたるまで装飾全体の指揮 ヴェルサイユ宮殿の歴史を取ったル・ブランは、当時最高の画家たちとともに、太陽王好みの豪奢な内装を造り上げた。
 続くルイ15世、ルイ16世の治世下でも、それぞれの趣味を反映した改装がなされるが、1789年のフランス革命によって、ヴェルサイユ宮殿は権力の中枢としての役割を終える。その後、ナポレオンによる修復を経て、ルイ・フィリップ王によって“フランスのすべての栄光にささぐ”歴史博物館に生まれ変わった。

鏡の回廊 Galerie des Glaces
357枚の鏡で装飾された豪華絢爛たる回廊。王族の結婚式の際の舞踏会場など華やかな祝典の舞台となった。
鏡の回廊 Galerie des Glaces
357枚の鏡で装飾された豪華絢爛たる回廊。王族の結婚式の際の舞踏会場など華やかな祝典の舞台となった。

宮殿内のみどころマップ

行き方

RER(高速郊外鉄道)
RER(高速郊外鉄道)

パリから列車で行く方法は次の3とおり。

  • RER(高速郊外鉄道)ⓒ5線の終点ヴェルサイユ・シャトー・リヴ・ゴーシュVersailles Château Rive Gauche駅下車(パリ市内のRERⓒ線の各駅から30〜40分)。宮殿まで徒歩約10分。
  • Transilienで国鉄モンパルナス駅から、ヴェルサイユ・シャンティエVersailles Chantiers駅下車(所要15〜30分)。宮殿まで徒歩約25分。
  • Transilienで国鉄サン・ラザール駅から、ヴェルサイユ・リヴ・ドロワトVersailles-Rive Droite駅下車(所要約40分)。宮殿まで徒歩約20分。

バスで行く場合は、⑨号線Pont de Sèvres駅から171番のバスで20〜40分。Château de Versailles下車。宮殿の前に停まる。路線が異なるバスもあるので行き先を必ず確認すること。

チケット

チケット料金は€21(18歳未満無料、11〜3月の第1㊐無料)(ミュージアム・パス使用可)
宮殿、ドメーヌ・ド・トリアノンがセットになった1日パスポート€24

ウエブサイトからの事前予約が必要。ミュージアムパス所有者は時間指定が必要なので忘れずに。
公式ウェブサイト:www.chateauversailles. fr

※2024年1月現在

ヴェルサイユのインフォメーション Office de Tourisme

住所
2bis, av. de Paris
電話
01.39.24.88.88
営業時間
10:00〜17:00
休業日
1/1、5/1、12/25
ウェブサイトのアドレス
www.versailles-tourisme.com

ブティックでショッピング

宮殿内にはブティックがいくつかあるが、いちばん広くて品揃えがいいのは「クール・ド・マーブル」。マリー・アントワネットや宮殿をイメージしたグッズをおみやげに。限定コラボ商品もあるのでチェックしよう。

ひと休みするなら

広大なヴェルサイユ宮殿。歩き疲れてひと休みするなら宮殿本館内がおすすめ。名シェフ、アラン・デュカスによる
レストラン「オール」では「王の菜園」の野菜を使った本格フランス料理が味わえる。また、モンブランで有名なサロン・ド・テ「アンジェリーナ」も宮殿本館内とプティ・トリアノンにある。

オール Ore
営業時間
9:00 〜 16:30(L.O.)
休業日
ウェブサイトのアドレス
www.ducasse-chateauversailles.com

写真

  • バロック様式の宮殿を映し出す水庭

    バロック様式の宮殿を映し出す水庭

FAQ

宮殿内見学の所要時間は?

宮殿内は順路に従って進めば迷うことはなく、じっくり見ても2時間程度で回れる。宮殿ほかドメーヌ・ド・トリアノン、庭園をすべて見るには丸1日かかると考えよう。

パリから何時間?

パリ市内のRERⓒ線の各駅から30〜40分、宮殿まで徒歩約10分合わせて50分程度。

基本情報

開館時間
4〜10月 9:00〜18:30、11〜3月 9:00〜17:30 (入場は閉館の30分前まで)
休館日
㊊、1/1、5/1、12/25、公式行事のある日
料金
€21、18歳未満無料、11〜3月の第1㊐無料
パス
ミュージアム・パス使用可
ウェブサイトのアドレス
www.chateauversailles. fr
※ウエブサイトから要予約。ミュージアムパス所有者は時間指定が必要。
最終更新 :

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