東洋人街、LIBERDADE(リベルダーデ)
東洋人街、Liberdade(リベルダーデ)。
サンパウロの観光ガイドブックに必ず載っている地区ですよね。
Sé(セー)、Cambuci(カンブシー)、Vila Mariana(ヴィラ・マリアナ)、Bela Vista(ベラ・ヴィスタ)の4地区に囲まれた3.7Km2のエリアに人口約6万2千人が居住しています。
リベルダーデは18世紀頃、奴隷の処刑場でした。
リベルダーデ広場から下るRua Estudantes(ルア・エストゥダンテス)という通りとPraça Almeida Júnior(プラッサ・アウメイダ・ジュニオール)の間には奴隷墓地があったそうです。
この辺りは現在、土産店や雑居ビルが建ち並び、墓地があったなんて想像もつきません。
ですが、エストゥダンテスを下ってすぐ右にあるBeco dos Aflitos(ベッコ・ドス・アフリットス)という筋道の突き当たりに、首吊りの刑に処せられた人びとの霊を慰めるために建立されたCapela dos Aflitos(苦悶のチャペル)という礼拝堂が、今でもあります。
1908年、笠戸丸に乗った日本移民781人がサントスに着港して、ブラジルの日本移民史の幕開けとなりました。
リベルダーデが「日本人街(当初)」として発展したのは、4年後の1912年頃から。
日本移民がリベルダーデ広場から歩いて10分とかからないRua Conde de Sarzedas(ルア・コンデ・デ・サルゼーダス)、通称、「コンデ街」という通りに住みついたのが始まりだそうです。
1940年代には第二次世界大戦の敵性国民として退去を命じられるなど辛辣な生活を強いられましたが、それでも日本移民の心の拠り所だったリベルダーデ。
現在は中国系、韓国系の移民も流入して「東洋人街」へと生まれ変わっても、ほんのりと夜道を照らすスズラン灯に郷愁をそそられます。
リベルダーデの名前の由来はつづきをクリック!
[参考資料]
LIBERDADE!! (自由を!)
「リベルダーデ」、日本語で「自由」という名前は、奴隷制廃止が由来とされていますが、ほかにも、こんなエピソードがあります。
1821年、ブラジルが宗主国ポルトガルから独立する直前のこと。
フランシスコ・ジョゼー・ダス・シャガス(シャギーニャス)というブラジル人兵士が給料の賃上げと、ポルトガル兵とブラジル兵の待遇を平等にするよう暴動を起こしました。
囚われたシャギーニャスは処刑されることになりました。
ところが、何と、首を吊る縄が3度も切れるという珍事が起こったのです。
「リベルダーデ!!(自由を!!)」
見物人たちはこれを奇跡とし、神の望みでシャギーニャスは生かされているのだと訴えました。
しかし、結局、シャギーニャスは処刑され、兵士という身分にも関らず奴隷墓地に埋葬されてしまいました。
信仰心に芽生えた人たちがその場に十字架を立て、ろうそくをともして祈りを捧げると、そのともし火は風にも雨にも消されることはなかったそうです。
1887年、シャギーニャスが処刑された場所にIgreja da Sta. Cruz dos Enforcados(サンタ・クルス教会)、別名、「首吊り教会」が建てられ、今でも絞首刑に処せられた人びとの魂を慰めています。
[インフォメーション]
『Igreja da Santa Cruz dos Enforcados』
住所: Praça da Liberdade, 238 – 01503-390 – Liberdade – SP
電話: 3208-7591
『Capela dos Aflitos』
住所: Rua Beco dos Aflitos, 70 – Travessa da Rua dos Estudantes, altura do nº 52 - 01503-010 - Centro -SP
電話: 3208-2336
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