小さくて静かな町:ブルーダイヤモンド
レッドロックキャニオンのシーニックドライブ出口に来た時、
ラスベガスへ戻るには左折することになるのですが、
右へ行くと「ブルーダイヤモンド」方面ということになっています。
随分と長いことこの「ブルーダイヤモンド」という町が気になっていて、
先日レッドロックキャニオンからの帰りに、思い切って(笑)右へ曲がってみました。
少し走ると左側にちょこんと固まっている集落が見えてくるのですが、
そこへ入る細い道の脇には、「ここは居住区域です。レクリエーションのための場所ではあり
ません。」なんていう看板があるので、私たちみたいに興味本位で入って来ちゃう人があとをたたないのでしょう。
このブルーダイヤモンド、実は正確に言うと町ではなくて、CDP(census-designated place:国勢調査指定地域)。
つまり、"City"でも"Town"でも"Village"でもない場所なのだそうです。
ラスベガスのあるネバダ州クラーク郡には、他に4つの町(ボルダーシティ・ヘンダーソン・ノースラスベガス・
メスキート)があるのですが、それに加えてにCDP*が18ヶ所あるのだとか。
*CDP:アメリカ国内で統計報告のために便宜上作られた地方区分の呼び名のひとつで、
行政法人(市役所や議会など)を持たない。(wikipediaより)
そういえば、消防署にあった古めかしい1台きりの消防車が、ラスベガスのものだったのはそういうことかと納得しました。
町は静かで、時が止まったようなちょっと懐かしい雰囲気。
狭い道沿いには手をかけられたフロントヤードが並び、こじんまりとした、でもセンスのいい家並みが続いています。
制限速度はどこでも時速15マイル(24㎞)。地図を見たら道路は全部で8本。
それもそのはず、町全体は約19 km²の広さしかなくて、人口は482人(2007年)だそうです。
もともとここは近くにある石膏を掘り出している工場のための町としてできたそうで、
今でもほとんどの人がこの工場で働いているとか。
ということは、この「ブルーダイヤモンド」自体がひとつのファミリーみたいな感じなのかもしれません。
ラスベガスとは流れている時間も違うような、そんな町でした。
筆者
アメリカ・ネバダ州特派員
石川 葉子
ラスベガスに来て20年ちょっと。ローカルツアーオペレーター出身のフリーランスライターです。
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