冬の建仁寺・芸術の世界が広がっています。
冬の日の建仁寺。
建仁寺は、栄西禅師が建仁2年(1202)に開いた京都最古の禅寺。
東山山麓や鴨川も近く、祇園の中に建っています。
舞妓さんが行き交う華やかなエリアですが、寺院の中は静けさに満ち
八百年の歴史と禅の世界が広がっています。
![琳派.jpeg](/kyoto/images/2015/01/bf5fa6e00ac6f018c56bdbc645980281.jpg)
京都の寺院は、写真撮影禁止と言う所が多くなっていますが
ここ建仁寺さんは、写真撮影OKですから 嬉しくなります。
まずは、入り口正面に栄西禅師が説いた「大哉心乎」(おおいなる哉 心や)の衝立。
「人のこころは、本来自由で大らかである」、という意味との事。
![建仁寺2015 011](/kyoto/images/2015/01/77ca39898744d043b3a8c0c26998ebee.jpg)
続いて見えるのは、国宝・風神雷神の図。 (レプリカ)
今年は、琳派が生まれて四百年の年。
京都では琳派四百年に合わせて様々な催しも行われます。
俵屋宗達筆の国宝『風神雷神図屏風』は、建仁寺の寺宝として名高く、
保存のため、実物は京都国立博物館に寄託されています。
俵屋宗達は「琳派」を確立した江戸時代初期の絵師。
右双には風嚢(かざぶくろ)を持って疾駆する風神。
左双には連鼓を背負って地上に稲妻を落とす雷神。
このレプリカは、(株)キャノンが最新のデジタル撮影と高精度の技術で複製し、
伝統工芸士が金箔を貼り、表装を施したものです。
![建仁寺2015 017](/kyoto/images/2015/01/16119fa3ecfe5d081fa2dee1e28f5308.jpg)
「風神雷神図」と共に展示されているのは、
書道家・金澤翔子さんの書道 「風神雷神」の屏風。
金澤翔子さんは、1985年東京都目黒区に誕生。
生まれてすぐダウン症と診断されますが、5歳から書家であるお母様に師事され、
書道を始められました。
10歳のとき般若心経を書かれ、全日本学生書道連盟展に「花」を出品。
その後、日本学生書道文化連盟展に出品をされ、16歳のとき「舎利礼」、
17歳のとき「觀」で金賞を受賞。
19歳で雅号「小蘭」を取得。2006年10月には
鎌倉建長寺に額装「慈悲」を奉納。
書道の「風神雷神」屏風。
素晴らしい躍動感に溢れた、書の世界に見入ってしまいました。
![建仁寺2015 015](/kyoto/images/2015/01/4fd06194bba40fb530986c725857490a.jpg)
こちらは、桃山時代の海北友松作筆 襖絵「雲龍図」。
(重要文化財)デジタル複製。
京都の禅宗寺院に行きますと龍の天井絵や襖絵に出会います。
(妙心寺・南禅寺・東福寺・相国寺・大徳寺・天竜寺・など等。)
![建仁寺2015 020](/kyoto/images/2015/01/e1f013036f29d85d9ddda8f3d09696bb.jpg)
寺院に描かれた龍は、仏法を守る象徴と言われています。
龍は、金魚が鯉になり、鯉が滝を昇り、さらに空に昇り
龍に化身すると言われています。
天に昇った龍は龍神となり、水を司る神となります。
寺社で見られる雲龍絵は、仏法を守る象徴であると共に、渇水対策の雨乞いや
水難防止・火災除け等の祈願とも伝わります。
![建仁寺2015 021](/kyoto/images/2015/01/87fb9afabab2730ac4abb2d476525588.jpg)
雄大な枯山水庭園。
方丈前庭・大雄苑
![建仁寺2015 046](/kyoto/images/2015/01/83d801546fc1b924c8d3759e0256907b.jpg)
砂紋は水を表しているのでしょうか。
![建仁寺2015 029](/kyoto/images/2015/01/a6b79f717eb23e2367fea69eee01c608.jpg)
幾重もの丸。
この丸は、何処から書き始めたのでしょうね。
![建仁寺2015 027](/kyoto/images/2015/01/99c5d89a458b7660d6d17acef147e01c.jpg)
書院の掛け軸。「□△○」。
禅でいう□は、煩悩にまみれた人の迷い。
△は、その煩悩を断ち切る為修行している人。
○は、修行の後、悟りを開いた心。とか
鷹ヶ峰・源光庵の迷いの窓(□)と悟りの窓(○)を思い出しました。
![建仁寺2015 034](/kyoto/images/2015/01/a64ecfce455207db424ce28e97e52fcf.jpg)
法堂の天井に描かれた「双龍図」。(小泉淳作 日本画家(1924-2012)
2002年の創建800年を記念して描かれた畳108畳の大作です。
一体は「阿(あ)」。
一体は「吽(うん)」です。
![建仁寺2015 050](/kyoto/images/2015/01/a14f5abca2369548e7cedcd1a6892f6c.jpg)
この時期の京都は、咲く花も少ない時ですが、
冬の建仁寺には、日本画・書道・掛け軸・庭園・天井画と、
芸術の華の世界が広がっています。
《建仁寺》
○所 京都市東山区大和大路通四条下ル四丁目小松町584
○拝観時間 10:00-16:00
○拝観料 境内拝観自由 500円
○アクセス バス 市バス206,207,特207番「東山安井」から西へ5分
電車 京阪四条駅から徒歩7分
![](https://static.arukikata.co.jp/data/profile/11000/10055/20221012_102650_5874ba3a_w320.jpg)
筆者
京都特派員
Akio
京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。
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