ここにしか見えない秋。北嵯峨・直指庵。
秋が静かに進む嵯峨野・直指庵(じきしあん)。
前回、寄せて頂いた時は紫陽花咲く六月でした。
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あれから夏が過ぎて、秋に入り・・
今は11月。
この日は平日でしたから、境内は僕一人でした。
耳には竹林を渡る風の音と、目には色付き始めたもみじが
迎えてくれました。
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直指庵は、嵯峨野の中でも最も北の位置にあり、まさに
「庵」という名の通り静寂に包まれたお寺です。
直指庵を訪れる方は、一人旅の人が多いと聞きます。
人で賑わう嵐山から離れた北嵯峨の
大覚寺から更に奥に入った所に建つ直指庵。
![IMG_9104](/kyoto/images/2015/11/IMG_9104.jpg)
書院の机にあるのは想い出草ノート。
ノートには、お参りに来られた方々の、様々な悩みが綴られています。
その数は、すでに5000冊以上。
今も日々、新しいぺージが更新されています。
人生は、振り返ると眩しくも感じますが、
悩みや難題に直面する事も多いです。
直指庵は、日常に埋没した自分自身と向き合う場所なのかも知れません。
![IMG_9090](/kyoto/images/2015/11/IMG_9090.jpg)
直指庵の詩。
「直指庵に魅せられて」 藤 公之介
直指庵は 雨の日に訪れるのがいい
濡れそぼる竹林の緑が目にしみて 庭に降りそそぐ
雨音が心にしみるから・・
直指庵は、晴れた日に訪れるのがいい
緑先から見える嵯峨野の空が目にしみて
風にそよぐ葉ずれの音が心にしみるから・・
直指庵は もやの日に訪れるのがいい
直指庵は、雪の日に訪れるのがいい
直指庵は 耐え切れない悲しみをひきずって一人で訪れるのがいい
直指庵は かかえ切れない幸せを抱きしめて ふたりで訪れるのがいい
直指庵は いつの日も 心のふるさと・・・・
(詩を書かれた藤公之介さんは、歌手・大塚博堂さんの作詞を
数多く手がけられてきた方。
作品には「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」
「季節の中に埋もれて」)等など)
![IMG_9134](/kyoto/images/2015/11/IMG_9134.jpg)
境内奥の「想い出草観音」様。
観音様は、書院のノートに綴られた悲しみや苦しみを読み、
そこから救い、その後の歩みを
見守って下さると言います。
![IMG_9110](/kyoto/images/2015/11/IMG_9110.jpg)
竹林とお堂。
11月なのに紫陽花が、まだ咲いていました。
ここにしか聞けない音。
ここにしか見えないもの。
ここにしか見えない秋。
秋が静かに進む直指庵でした。
![IMG_9095](/kyoto/images/2015/11/IMG_9095.jpg)
《直指庵》
〇所 〒616-8441 京都市右京区北嵯峨北ノ段町3
〇拝観時間 9.00~17.00
〇拝観料 500円
〇アクセス 京都駅から京都市営バス28号系統 大覚寺下車して徒歩約15分。
京福電鉄嵐山駅・JR嵯峨嵐山駅から徒歩30分位。
※直指庵の詩。お借りしています。
![](https://static.arukikata.co.jp/data/profile/11000/10055/20221012_102650_5874ba3a_w320.jpg)
筆者
京都特派員
Akio
京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。
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