吉野門が映える常照寺の紅葉。
京都で屈指の紅葉処・鷹ヶ峰の常照寺さん。
今年の京都は、琳派400年の年。
常照寺の開基は琳派の祖と呼ばれる「本阿弥光悦」(1558年~1637年)。
今年は、本阿弥光悦が俵屋宗達らと共に洛北鷹峰に移住し、
芸術の郷を創設してから、400年の年になります。
![IMG_9704](/kyoto/images/2015/11/IMG_9704.jpg)
そして常照寺と言いますと、本阿弥光悦と共に浮かんで来るのが
天下の名妓・二代目吉野太夫(1606年 ~1643年)
ですね。
この朱色美しい山門は、天下の名妓・二代目吉野太夫が巨財を
投じて寄進したもので、二代目吉野太夫、23歳の時の寄贈でした。
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吉野太夫こと松田徳子は京都に生まれ、7歳で遊里に預けられました。
14歳で二代目吉野太夫の名跡を継ぎ、天下の名妓と賞賛される様になります。
全盛期の吉野太夫は井原西鶴の「好色一代男」に記される程に、
その美しさは群を抜いていたそうです。
![IMG_9690](/kyoto/images/2015/11/IMG_9690.jpg)
そして美しい容姿と共に、茶湯や華道、香道、書、俳句、和歌、
三味線、囲碁の諸芸に秀で、情に厚く品性を備えておられたそうです。
その後、26歳の時に豪商・灰屋紹益に身受けされ結婚。
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しかし、38歳という若さでこの世を去り、遺言によって
ここ常照寺本堂裏の墓地に葬られました。
悲しみに明け暮れた灰屋紹益は、その悲しみを詠んでいます。
「都をば 花なき里になしにけり 吉野を死出の山に移して」
(寺院入口の参道に掲げられています。)
![常照寺2015](/kyoto/images/2015/11/c2ba41ed64d0994078a43894dda21761.jpg)
境内に広がる美しい紅葉の世界。
鷹ヶ峰は朝晩冷え込む所。
きりっと冷え込む大気が、常照寺色と例えられる
美しい紅葉を見せてくれます。
![IMG_9700](/kyoto/images/2015/11/IMG_9700.jpg)
丸い窓は吉野窓。
丸窓の向こうに赤い実が見えました。
![IMG_9768](/kyoto/images/2015/11/IMG_9768.jpg)
毎年春の四月第二日曜日には、
吉野大夫を偲ぶ「吉野太夫花供養」があり
現在の島原太夫による「太夫道中」が行われます。
![IMG_9755](/kyoto/images/2015/11/IMG_9755.jpg)
境内に咲く四季の花は・・・
春には満開の染井吉野、しだれ桜、八重桜に山桜。
そして椿に霧島ツツジ。
梅雨には、ガクアジサイやサツキ、夏には桔梗、白蓮、
秋には萩、ホトトギス、楓、冬には南天など。
![IMG_9701](/kyoto/images/2015/11/IMG_9701.jpg)
日一日と色付く常照寺さんの紅葉。
![IMG_9764](/kyoto/images/2015/11/IMG_9764.jpg)
これから月半ばから後半にかけては、見頃の時・・・・
続いて後半から落葉の時が始まり・・・・
その後は、地上で最後の彩りを見せてくれる、
散りもみじの時と・・・
一年で一番美しく、ダイナミックな時を迎えます。
![IMG_9751](/kyoto/images/2015/11/IMG_9751.jpg)
《常照寺》
○所 京都市北区鷹峰北鷹峰町45
○参拝料 300円
○時間 8:30~17:00
○アクセス 市バス「源光庵前」下車、徒歩約2分
○駐車場 有り
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筆者
京都特派員
Akio
京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。
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