トビリシでカレーライスを作ってみました
私は食に関しては執着が薄いようです。
日本を離れて4年以上になりますが、日本食が食べたくて頭に思い描いたことが実は1回もありません。
それはジョージアの料理や食材が美味しい証拠だとも思っていますが。
しかしカレーライスだけはいつか食べたくなるのではないかと思い、出国時にルーを持参しました。
その後、日本から郵送してくれた友人もいます。
↑ステーション・スクエア駅近くのマーケット。
結局はカレーを恋しがることさえもありませんでしたが、そのカレールーがなくなった今、カレーライスを現地の食材で作ってみようかと思いました。
思えば和風カレーライスは、数ある日本料理のなかでも、海外における再現が比較的簡単な部類に入るはず。
日本特有の食材をほとんど使っていないからです。
↑ステーション・スクエア駅近くのマーケット。
しかもハーブやスパイス、野菜や果物、肉などがメインの料理なので、そういったものが豊富なトビリシという町では日本以上のものさえ作れるのかもしれません。
そういった思いを胸に、しばらく和風カレーライス作りに没頭してみました。
まずは使用した食材のリストです。
↑ステーション・スクエア駅近くのマーケット。
【①ハーブ・スパイス類】
1.ガラムマサラ(გარამ მასალა/garam masala)
現地のスーパーにはなかったので、ステーションスクエアのインド食材店で購入。7ラリ。
2.カレーパウダー(კარი დაფქული/k'ari dapkuli)
スーパー・カルフールで購入。
3.ターメリック(კურკუმა/k'urk'uma)
同じくカルフールで。
4.クミンパウダー(კვლიავი დაფქული/k'vliavi dapkuli)
カルフールで購入。
5.コリアンダーパウダー(ქინძი დაფქული/kindzi dapkuli)
カルフールで購入。
6.フメリスネリ(ხმელი სუნელი/khmeli suneli)
ジョージア産の総合スパイス。こちらは自宅に余っていたので使用。購入はカルフールです。
7.クミンシード(ძირა/dzira)
こちらはカルフールになかったので、サムゴリのスーパー・ウニヴェルサミで購入しました。
8.シナモン(დარიჩინი/darichini)
カルフールで購入。
9.フェネグリーク(უცხო სუნელი/utskho suneli)
カルフールで購入。
10.クローヴ(მიხაკი/mikhak'i)
こちらもカルフール。
11.サフラン(ყვითელი ყვავილი/q'viteli q'vavili)
カルフールで購入。
12.アジカ(აჯიკა/ajik'a)
アジカはジョージアの辛味スパイスですが、スーパー・ニコラのものは東洋風料理に幅広く使用できます。今回のカレーライスにおいても辛味はこのアジカにすべて任せています。辛味が強いのでお子様用カレーには使えないかもしれません。
13.ベイリーヴス(დაფნის ფოთოლი/dapnis potoli)
カルフールで購入。
スパイスからカレーを作ることが初めてなので、まずはネットで情報を調べて使えそうなものを片っ端から買い揃えました。
最初の想像では、このスパイス類の配合が最も難しいのだろうと思っていましたが、結果としてはそうでもないという印象を持ちました。
全体のバランスさえ把握しておけば、目分量で調整してもあまり外れた味にはなりませんね。
大まかな分量としては以下のようにしていますが、私はシナモンを少し多めに入れます。
※約2〜3人前、水500〜600mlに対してです。
↑マーケットに並ぶスパイス類。
■ガラムマサラ/カレーパウダー/ターメリック/クミンパウダー/コリアンダーパウダー/フメリスネリ
以上、大さじ1〜2杯
■シナモン/フェネグリーク/クローヴ/サフラン
以上、大さじ1/2杯
■クミンシード
1/3袋(大さじ1〜2杯)
■アジカ
大さじ1/4〜1/2杯(これでもかなり辛口となるので注意)
■ベイリーヴス
数枚
↑カルフールに並ぶ野菜類。
【②具材】
1.米(2〜3合)(ბრინჯი/brinji)
カルフールで測り売りしている白米は、インディカ米風ではありますが、安価であるうえにカレーには合っていると思います。私は少量のサフランを加えました。
2.鶏肉(手羽先2本)(ქათმის ხორცი/katmis khortsi)
肉を入れるのであれば、私は鶏肉を使います。手羽先はトビリシで頻繁に食される部位ではないのか、安売りされています。カルフールにて。
3.緑ピーマン(1〜2個)(ბულგარული წიწაკა/bulgaruli ts'its'ak'a)
トビリシの緑ピーマンは日本のそれよりも黄緑色に近く、炒めると強い旨味が出ます。カルフールもしくはマーケットにて。細かく刻みます。
4.赤ピーマン(1/2〜1個)(წითელი წიწაკა/ts'iteli ts'its'ak'a)
カルフールまたはマーケットにて購入。これも細かくします。
5.ニンジン(1〜2本)(სტაფილო/st'apilo)
これもカルフールかマーケットです。私は細切りにします。
6.ナス(少々)(ბადრიჯანი/badrijani)
トビリシで安く入手しやすいナス。カルフールで購入。細かく刻みました。
7.タマネギ(1/2〜1個)(ხახვი/khakhvi)
カルフールで購入。細切りにして使用。
8.ショウガ(少々)(ჯანჯაფილი/janjapili)
ショウガは日本より少々高価。細かく刻みます。カルフールにて。
9.ニンニク(3〜4片)(ნიორი/niori)
日本のものに比べると皮をむくのに苦労しますが、その分安価。潰して投入。カルフールです。
2〜3人前用の分量は上記の通りにしました。
【③コクを出すための食材】
1.しょうゆ(大さじ6杯)(სოიის სოუსი/soiis sousi)
今回使用した唯一の東洋食材。トビリシで入手できるものとしては中国のこの海天醤油がよいと教わりました。現在品薄ですが、たまにカルフールに並びます。「生抽醤油」を選ぶのが大切です。
2.桃(小型2個、又は大型1個)(ატამი/at'ami)
フルーツはカレーの味の決め手と言えそうです。最初はリンゴを使いましたが、材料費を安価で済ますのもテーマなので、夏場は手軽に入手できる桃に替えました。細かく刻んで入れます。季節によってはイチジク、洋ナシ、プラムなども面白そうな気がします。マーケットなどで購入。
3.チョコレート(3片)(შოკოლადი/shok'oladi)
チョコレートもカレーの隠し味としてはよく知られているそう。他にはコーヒー豆やココアも使えるとのことです。コンビニなどで購入。
4.バター又はマーガリン(少量)(კარაქი/k'araki)(მარგარინი/margarini)
これもコクを出すために投入します。カルフールです。
5.小麦粉(適量)(ფქვილი/pkvili)
和風カレーライスの特色としてはとろみが挙げられるでしょう。小麦粉はとろみを出すための食材。少しずつ足しながら調整します。粉ふるいを使うと効果的。カルフールの測り売りです。
カレーライスを試しに1度作ってみた結果、コクを出す食材選びがその後の最大のポイントとなりました。試行錯誤した結果、これらの食材を使っています。分量は上記の通り。
【和風カレーライスの作り方】
1.米を数時間、水に浸しておく。
2.鍋に鶏肉を入れ、中火で20分ほどゆでる。その間に野菜類を用意。
3.大型の鍋に油を敷き、ピーマン、ニンジン、タマネギ、ショウガを投入して火が通るまで炒める。
4.鶏肉を煮汁ごと鍋に移し、水500〜600ml(2〜3人前用)を入れて沸騰させる。桃、ナス、ニンニク、ベイリーヴスを入れて更に20分煮立てる。
5.ベイリーヴスを取り出し、バター又はマーガリン、チョコレートを加えて溶かす。ここで全ハーブ・スパイス類としょうゆを足してかき混ぜる。更に小麦粉を足しながらとろみを調整。
6.米を炊く。私は炊飯器を持っていないので鍋に蓋をして強火〜弱火にして約8分です。
【結果】
これが約10回作ってみた結果ですが、もう日本食を基準にしてもかなり上質なカレーライスができ始めていると思います。
やはりトビリシにおいて、カレーライスは比較的簡単に作れる料理だと言えるでしょう。
※追記:分量について、執筆後に修整を加えました。(22.9.1)
■Indian and African Grocery Shop(ინდური და აფრიკული სურსათის მაღაზია)
住所:8 Abastumani St, Tbilisi
(8 აბასთუმნის ქუჩა, თბილისი)
■Carrefour(კარფური)
住所:3 Vekua Street, Tbilisi
(3 ვეკუას ქუჩა, თბილისი)
■Nikora(ნიკორა)
住所:137a Mikheili Tsinamdzghvrishvili St, Tbilisi
(137ა მიხეილ წინამძღვრიშვილის ქუჩა, თბილისი)
■Universami(უნივერსამი)
住所:7/9 Mevele St, Tbilisi
(7/9 მეველეს ქუჩა, თბილისი )
1ラリ≒48.7円
(2022年8月29日現在)
筆者
ジョージア特派員
fujinee
ジョージアのトビリシに住んでいます。音楽や芸術が好きなので、そのような記事が多くなります。
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