2代目タイガーバームガーデンが閉鎖される前に訪れてみました
大坑(Tai Hang)にあるタイガーバームガーデン「虎豹樂圃(Haw Par Music)」が12月1日をもって閉鎖することが明らかになりました。そこで、閉鎖前は内部の一部も公開されたのでどんな状況なのか見て見ました。
日本人にはタイガーバームガーデンとして知られていますが、初代は1997年に発生したアジア金融危機のあおりを受けて2000年に閉鎖されます。売りに出た土地を買ったのが香港最大手のデベロッパ長江実業で、一部は取り壊され早速「タワマン」が建設されました。ただ、市民から保存を求めることが求められ香港政府は2009年に残った部分を第1級の歴史的建造物として指定します。
紆余曲折の結果、2019年4月から音楽学校「虎豹樂圃」として再出発します。建物は音楽学校として使用され、庭は一般に開放されました。ところが、2019年6月以降のデモと新型コロナウイルスで学校経営が困難になり今年12月1日に閉鎖が決まりました。
建物は丘の中腹に作られているので、坂を利用して建てられています。庭には噴水や虎の陶磁器などがありました。内部は、リビングを中心に大きな空間が広がっていて、ステンドグラス、当時使われていたソファ、写真などがあるほか、博物館のように説明文もあり来訪者にわかりやすいようになっていました。この建物は「タイガーバーム」の事業を拡大させた胡文虎と胡文豹兄弟が建てたものですが、その栄華がわかる建物でした。閉鎖されることが決まり、大勢の人が訪れて写真を撮っていました。また、外観も内部も豪華なのでインスタ映えするせいか、みんな自撮りなどをしている人が多かったです。
閉鎖後は政府の管理下に置かれる予定ですが、また、再開することを期待したいところです。
筆者
香港特派員
武田信晃
新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。
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