「圓明園」の特別展が香港故宮博物館で開催中

公開日 : 2024年04月22日
最終更新 :
筆者 : 武田信晃

2023年の夏に清朝の時代に築かれた離宮である「圓明園」にあった「十二生肖獣首銅像」のうち4つの銅像を展示が香港城市大学(City University of Hong Kong)で開始されました。そして、今年は香港故宮博物館(HKPM)で「圓明園──清代皇家園居文化(YUAN MING YUAN——Art and Culture of an Imperial Garden-Palace)」が開催されています。これは、北京の故宮博物院に展示や保管されている貴重な文物190点をHKPMで見ることができる貴重な機会で、8月12日まで開催されています。

「万園の園」とも称された圓明園は、1707年から建設が始まり、約150年かけて造営が進められました。面積は350ヘクタールあり「円明園」、「長春園」、「綺春園」の3つの庭園から構成される中国の庭園芸術の最高峰とも言える場所です。世界各地の庭園様式や造園技術を融合させているほか、清朝時代の人の嗜好も組み込まれおり、和洋折衷ならの「中洋折衷」との庭と言えるでしょう。しかし、清朝と欧米列強との戦いの中で公園は破壊されました。第2次世界大戦後、修復作業も行われていますが、それでも、当時の傷は今でも残っています。

写真提供: West Kowloon Cultural District Authority

展覧会は、大きく分けて5つのユニットに分かれています。第1ユニットの「空間佈局」では、圓明園の全体的な外観と配置がわかるようになっています。第2のユニット「時令節慶」では、儀式や祭りなど、園内の豊かで色彩豊かな生活を知ることができます。第3のユニット「再現名園」では、庭園と絵画の相互作用と融合について説明がされています。第4のユニット「皇室親情」は、康熙帝は息子の尹振(後の雍正帝)の招きでえ圓明園に花見に行き、孫の洪立(後の乾隆帝)に初めて会ったという、王朝3世代のエピソードなどがわかりすま。最後の第5ユニットの「劫難與遺跡」は、圓明園の最盛期から焼失までの変遷や今日の廃墟の保護について理解できます。

写真提供: West Kowloon Cultural District Authority

HKPMによると、今回のハイライトとなる作品は「雍正帝牡丹臺觀花行樂圖(The Yongzheng Emperor enjoying flowers in the Peony Terrace)」、「蓬壺春永圖(Spring Everlasting on the Abode of the Immortals)」、「胤禛朗吟閣圖(Yinzhen sitting in the Pavilion of Recitation in a Clear Voice)」、「乾隆帝妃及永琰像(Consort of the Qianlong Emperor and Yongyan)」、「喜溢秋庭圖(Autumn Courtyard Overflown with Happiness)」、「乾隆帝行樂圖(The Qianlong Emperor at leisure)」と圓明園の模型だそうです。

北京に行かなくても香港で国宝級のものが見られるのが香港故宮博物館の良さですが、今回は、清朝時代の芸術と歴史に関心がある方にはとくにおすすめです。

写真提供: West Kowloon Cultural District Authority
写真提供: West Kowloon Cultural District Authority

香港故宮博物館(HKPM)

住所
West Kowloon Cultural District, 8 Museum Drive, Kowloon
電話
852 2200 0217
料金
大人150香港ドル
営業時間
営業時間は月、水、木、日曜が10:00~18:00、金、土曜が10:00~20:00。火曜定休

筆者

香港特派員

武田信晃

新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。

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