【ジョージア】2022年晩秋カズベギ②〜ツド村とダリアリ複合修道院

公開日 : 2022年11月29日
最終更新 :
筆者 : fujinee

山道の奥の僻村ツド村

ジョージア北部のステパンツミンダでの滞在2日目。
ジョージア軍用道路を北オセチア国境方面に向けて、ハイキングで北上してみました。
ステパンツミンダの北側のジョージア軍用道路は渓谷を走っており、集落はほとんどありません。

ジョージア軍用道路から見る山々
ジョージア軍用道路から見る山々

しかし3kmほど歩くと、ツド(ცდო/tsdo)という村落があります。
ツド村へはジョージア軍用道路から進行方向左側に延びる未舗装の山道を登っていきます。
あまり険しくない山道を15分ほど登るとまず見えてくるのは共同墓地。
その墓地の奥にツド村が姿を現します。

ツド村に向かう山道
ツド村に向かう山道

ツド村は10軒あまりの民家が並ぶ小さな集落。
犬が出てきたので村の奥までは入らずに引き返します。
墓地の脇には木製のベンチがあり、そこから大渓谷が一望できます。

ツド村
ツド村

北オセチア国境にあるダリアリ複合修道院

ツド村を訪れた後で、北オセチア国境近くのダリアリ(დარიალი/dariali)にある複合修道院まで行ってみようかと思いました。
ダリアリ複合修道院はツド村から更に6kmほど北上します。
道中に2箇所、車道がトンネルに入る場所がありますが、いずれも脇道がありました。

最初のトンネル、右側が脇道
最初のトンネル、右側が脇道

ダリアリ複合修道院は11年ほど前に建立された新しい修道院だそうで、修道士の男性にマラニ(ワインセラー)などを案内してもらいました。
ステパンツミンダからダリアリ複合修道院まで徒歩で約3時間。
帰りはヒッチハイクのお世話になりました。

ダリアリ手前にあるトンネルの脇道
ダリアリ手前にあるトンネルの脇道

ハイキングに必要なもの

ステパンツミンダからダリアリ複合修道院までのルートには商店がなく、水道もないので飲料の持参が必要となります。
夏であれば日射病や日焼け対策も必要かもしれません。
また、今回は必要ありませんでしたが、国境が近いのでパスポートは携帯したほうがよいでしょう。

ツド村のベンチからの風景
ツド村のベンチからの風景

ジョージア軍用道路では車両との接触に注意

そしてこのコースをハイキングしようとする場合、注意点があります。
ジョージア軍用道路を通行している車両との接触の危険性を認識することです。

道中の風景
道中の風景

歩道が少ないジョージア軍用道路

ステパンツミンダより北側のジョージア軍用道路では歩行者のスペースが確保しにくくなっています。
これはジョージア軍用道路のほかの区間でも言えることですが、特にこの区間は歩道が少ないうえに路肩も狭くなっています。
しかもこのルートは自動車がスピードを出してくる区間。
私がハイキングをした道中で、ほかのハイカーにはわずか1名しか出会いませんでした。
おそらく運転手のほとんどは、このルートに歩行者がいるとは認知していないと思われます。

路肩が狭いこの区間のジョージア軍用道路
路肩が狭いこの区間のジョージア軍用道路

こういったルートを歩く場合は、まず自分が車両を確認できるよう、前方から車両がやってくる対向車線側の路肩を歩くことがセオリー。
もちろんヘッドホンで音楽を聴きながらという状況はよくないでしょう。
特に見通しが悪いカーブを曲がるときなどは、目と耳で車両を確認しながら注意して進む必要があります。

ジョージア軍用道路から見る山々
ジョージア軍用道路から見る山々

危険な追い越し運転の存在

更にジョージアの片側一車線の田舎道では、危険な運転が存在します。
前の車両を追い越すために猛スピードで対向車線に出ていくといった運転です。
日本では考えられないこのような危険運転も、ジョージアでは日常的に見かけます。
そしてジョージア国内でもこの危険運転が頻発しやすいルートがいくつかあり、ジョージア軍用道路のステパンツミンダ付近はまさにそのひとつに当たります。
実は私自身もこの理由で、ジョージア軍用道路でステパンツミンダまで行くことにはあまり積極的になれませんでした。

ステパンツミンダ南側のジョージア軍用道路も危険運転が多い区間
ステパンツミンダ南側のジョージア軍用道路も危険運転が多い区間

しかし最近、ジョージアとロシア間を往来する大型トラックが増えました。
このため、ジョージア軍用道路では片側一車線の大型トラックの渋滞が随所で散見されます。
そしてこの渋滞が追い越し運転をしにくくしていることにより、このルートの危険性が下がっていることが見受けられます。

北オセチア国境の大型トラックの渋滞
北オセチア国境の大型トラックの渋滞

しかしステパンツミンダ付近では今もこういった運転をよく見かけました。
もし猛スピードで追い越しをかけてきた車両の反対車線の路肩を自分が歩いていて、そこの道幅がギリギリであったとすると、自分では事故を回避できないという可能性も想定できます。
実際にそれに近い道幅の箇所もありました。

路肩が狭いこの区間のジョージア軍用道路
路肩が狭いこの区間のジョージア軍用道路

私はそういった場所を通る場合、タイミングを見計らって進むという注意をしていました。
しかし、ジョージアを訪れる日本人の全てがこの追い越し運転の存在を認知しているわけではないでしょう。
ジョージアでさまざまな国からの旅行者と話しましたが、「まさかジョージアの運転がここまで危険だとは思わなかった」という意見を何度となく聞きました。

例外的に歩道がある区間
例外的に歩道がある区間

日本人でも状況は同じだと思われます。
もしこの情報を知らずしてこのルートをハイキングした場合、必ずヒヤッとする場面に遭遇するでしょう。
ジョージア旅行における最大の注意点のひとつだと思います。

道中の風景
道中の風景

場合によってはタクシー手配が無難

以上の理由により、特に家族連れなどの場合は、そもそもこのルートをハイキングするといった決断は控えたほうがよいかもしれません。
安全を買うためにタクシーを手配するとよいでしょう。
そのタクシー自体がそういった追い越し運転をすることもあるので必ずしも安全とは言えませんが、危険度は下がります。
タクシーを頼む場合、悪質な上乗せ請求もあり得るので、宿のオーナーなど詳しく人に頼むとよいでしょう。

道中の風景
道中の風景

筆者

ジョージア特派員

fujinee

ジョージアのトビリシに住んでいます。音楽や芸術が好きなので、そのような記事が多くなります。

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