香港の住宅の歴史を知る博物館「美荷樓」がリニューアルオープン

公開日 : 2022年12月12日
最終更新 :
筆者 : 武田信晃

香港は世界有数の住宅価格が高いところです。狭い土地に730万人の人が住んでいる需給ギャップの影響です。それを緩和する手段の1つとして公営住宅があり、香港では住宅供給において重要な役割を果たしています。

テーマごとに分かれています
テーマごとに分かれています

香港の公営住宅を中心とした歴史を紹介している「美荷樓生活館(Mei Ho House)」です。2年ほど前から内部改修していたのですが、このほど再オープンしました。香港が公営住宅の建設を始めたのは1953年のクリスマスに発生した大火です。当時はイギリス統治下だった香港ですが、約6万人が家を失くしたことにより、香港政庁は公営住宅の建設を決めました。

1953年の香港の日常が外壁に描かれています
1953年の香港の日常が外壁に描かれています

美荷樓は最初にできた公営住宅の1つで(全384世帯)、1954年に完成しました。いかに突貫工事で建設したかがわかります。その代わり、トイレ、台所、上水道がないという、人が住むには結構、厳しい環境でした。この博物館は、そういう1950~60年代の公営住宅の歴史と住民の生活の様子をくわしく解説しています

涼茶についてのゾーン
涼茶についてのゾーン

入口を抜けると、博物館についての概要があり、その次からは街市、映画、水資源、理髮店、雑貨店、涼茶店などに分類されたゾーンに分かれます。例えば、上水道がないのでマンション内に設置されていた共同の水汲み場からバケツに水を入れることになりますが、その重さを実際に体験したり、香港では熱い夏に体を冷ますために涼茶を飲みますがその文化について説明があったり、当時流行したおもちゃ(日本と同じようにブリキのおもちゃなどもあり)なども展示されています。上の階にあがると、実際の部屋の様子を再現してものがあるなど、今も昔も香港においての「家」の意味は、日本人よりも大きな意味を持つと思わされます。

当時の家の様子
当時の家の様子

昔の香港を知ることができますし、ここから徒歩数分のところに、香港のコンピューターなどの専門店が集まる「黄金電脳商場(Golden Computer Arcade)」というショッピングモールもあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。 

★美荷樓生活館(Mei Ho House)
所在地:Block 41, Shek Kip Mei Estate, 70 Berwick Street, Sham Shui Po, Kowloon, Hong Kong
電話:+852 3728 3500
営業時間:開館時間は10時~18時。月曜定休
入場料:無料

筆者

香港特派員

武田信晃

新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。

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