【ドイツ】ネルトリンゲンにある、ミシェランの一つ星レストラン

ミシェランの一つ星を持つスターシェフ、ヨッケル・カイザー氏（Jockl Kaiser）。高級で、敷居が高いミシェランのレストランかと思えば、もう少し軽く、居酒屋的なノリも含めて！と考えているらしいのです。

一緒に料理しましょう！とコースメニューの最初は一部の人に手伝わせながら、楽しい雰囲気でスタートしました。

※ バイエルン州観光局が企画した「G7参加国ジャーナリストのためのプレスツアー」に参加して経験したことを元に、書いています。

コースメニューの最初は、お皿に茶漉しを使って紅色のパウダーで飾られていました。
折角なのに、これは口に入らないものかしら、それとも食材で拭き取るようにたべるのかしら？
そう思ったら、指で舐めていいよ、とのこと。これが彼の言う居酒屋的なノリなのだそうです。

料理はやっぱりミシェランの星を獲得したレストラン。コースメニューの全てに、どんな食材が使われているか、リストアップしたものが用意されていました。

それにしても、オープンキッチンで、料理される様子を見ることができるのは面白いですね。

例えば、
目の前でクルミを素揚げする際は、大きくて深い普通のステンレス製の鍋にほんのちょっと油が入っているのですが、ささっと油を潜らせるように手際良くされているのだけれども、油が高温すぎるんじゃない？黒くなりそう！とこっちがヒヤヒヤしながら見ていました。
オーブンを利用する際に、天板に敷いていたクッキングシートが風で舞って、折角の料理の一部が台無しになるなどの失敗があったり。
スターシェフなのだけれど、ちょっと庶民的な部分も垣間見られたりして、少し特別な気持ちを味わえました。
しかも私たちは、カメラマンかつライターの集団なので、みんなが自由に席を立って歩き回り、思い思いに写真を撮ったりしている、お行儀の悪いお客さん達。

勿論プロの素晴らしい技もたくさん見せていただきました。コックコートの左上腕部には、ピンセットがしまってあって、細かな飾り付けの時に取り出しては、テキパキと作業されていました。

助手のハリスさんが、手際良く隣でサポートされているのも印象的でした。

私たちのグループには、ベジタリアンもいれば、食品アレルギーのある人もいました。勿論その辺も細かく対応してくれます。

デザートは、机の上に出された後に、なんとヨッケル・カイザー氏がそれぞれの席を回りながら、目の前で仕上げてくれました。そんなサービスもなんだか一人一人の顧客が大切にされているようで素敵。

部屋もこんな感じでとってもシンプルだったりもするのですが、やはり高級感はあちこちで見受けられます。

ここでは、料理教室あり、トークイベントやコンサートイベントもありと、単なるレストランの域を超えています。
地下では、自家製のハムも待機している他、今度はソーセージにも挑戦する、とのこと。

ヨッケル・カイザー氏は、実は代々醸造所の家柄のご出身。1974年までこの建物内でビールの醸造が行われていたのだそうです。子供の頃ここでビールが熟成されていた、などと説明がありました。そんな建物を有効に利用しているのが素晴らしいですね。

もう少しお店のことを「見たい！」方のために、動画をリンクしておきます。ヨッケル・カイザー氏がドイツ語でお話ししていますが、画像を見るだけでも雰囲気は伝わるかと思います。それぞれ8分40秒と2分28秒です。