イタリア止まらぬ物価上昇！日本でも使える？おもしろ節約術

電気代、ガス代、ガソリン代の値上がりが激しいイタリアですが、ロシアのウクライナ侵攻からエネルギー価格の高騰が始まり、今までそれほど光熱費を気にしていなかった人も、何となく「これはおかしいぞぉ」と思うようになってきました。ひと言にエネルギー価格の上昇といっても、生活の中のさまざまな場所に波及していきます。
例えば、何かを送りたい場合、配送会社が利用する飛行機の燃料費や、運送トラックに必要なガソリン価格が上がったことから、私達が支払う発送のための料金も上がります。

昨年11月に行われたとあるアンケート調査によると、イタリア人の6割がクリスマスプレゼントを買わないか、価格の安いものにすると答えたそうで、お財布のひもを締めてしまった人も多い年末になりました。イタリア人にとって、クリスマスは日本の正月のような位置づけの家族と過ごす大切な日です。クリスマスプレゼントも彼らにとって意味のあるものですが、このような驚きの結果が出ています。
そこで、筆者の周りのイタリア人に、現在節約のためにしていることを教えてもらいました。

1．テレビを見る時は、近所の友人の家に行く
電気代を節約するために、いつも夕食後にテレビを見ていた友人は、近所の友達の家に行って見ることにしました。テレビは1台あればたくさんの人が見られます。毎日見ていたテレビを週3日にし、3日、友人の家に通います。友人もお友達と一緒で嬉しいため、おしゃべりもはずみます。数回に1回、りんごやジェラートなどのちょっとした手土産を持参します。テレビは基本的に自宅で見ないようにしてから、食器洗いや他のことをしている間もだらだらとテレビをつけっぱなしにする習慣もなくなったとのことでした。テレビの代わりにラジオを聞くことにしたそうです。

2．電球を省エネタイプのものに変える
家の中で使用するあらゆる電球を省エネタイプのものに変えます。交換のための初期投資は必要ですが、これから何年続くか分からない物価高には不可欠な作業だとのこと。地球のエネルギーはみんなで使うもの。省エネには、一人一人の心がけが大切です。

3．とにかく必要のない場所の電気を消す
これは、アンケートをとった全員の人の回答にありました。昔はそうではなかった人も、電気代に注意をしている今は、使っていない場所の電気は光の速さで切れるようになったとのことでした。

1．パスタを茹でる時に、多めに茹でる
鍋でパスタを茹でたり、ご飯を炊く時は、次回の食事の分まで少し多めに作っておくという方法です。
鍋に一回分のパスタを入れても、多めのパスタを入れて茹でても、ガス代は同じです。それならパスタ、ご飯などの主食はまとめて作ってしまおうというアイディアです。注意点は、2食分作るようになってから、1食分だけでなく、余分に作った分もおいしそうで食べてしまい、急激に太ってしまったという方もいらっしゃいました。

2．パスタを茹でる時に、ブロッコリーなども一緒に茹でてしまう
こちらも、同じ鍋を使って茹でられる食材を探し、まとめて茹でてしまおうという方法です。たくさん茹でた後には、いくつかに小分けをして冷凍庫に入れておきます。
ひよこ豆、レンズ豆、インゲン豆などの豆類も、いつもは茹でた豆が缶に入っている商品を購入していましたが、今は500gから1kgの豆を買い、夜、就寝前に水を張った鍋に浸けておき、翌日茹でているとのことでした。一晩経ち、豆は水を吸って柔らかくなっているため、短時間で茹で上がり、ガス代も節約できます。豆をいつも大量に茹でるため、今では豆料理のレシピの達人になったという方もいらっしゃいました。

3．使っていない部屋の暖房の栓を閉める
これはイタリアの暖房が、ガスを使い、温水を使って部屋を暖めることからです。今までとは違い、人がいない暖房の必要のない部屋は栓を閉めるようになった、と多くの方が答えました。

4．フリーランスの人は、仕事を1日にまとめる
ガス給湯器で温水を作り出している家の場合ですが、仕事や外出する用事をなるべく1日にまとめるようにします。外に出ると体が汚れるため、帰宅してからシャワーを浴びることが必須ですが、出掛けなくてもよい日を作ることで、ガス代が高いシャワーを毎日ではなく、少ない回数に抑えることができます。

1．ガソリン代が高い時は、なるべく車を使わない
ガソリン代が異常に高くなっている時は、車は持っていなかったものとして完全に頭から忘れ去り、徒歩で移動をしたり、公共交通機関を使うように工夫をしているとのことでした。

2．ガソリン代比較サイト、アプリを利用してなるべく安いスタンドを探す
イタリア政府のガソリン代を比較できるサイト「Osservaprezzi Carburanti（燃料価格モニター）」などを見て、ガソリンの価格をチェックします。こちらは、週単位または週半ばに販売拠点の責任者から通知される、全国にある流通工場で実際に請求される燃料の販売価格をリアルタイムで参照することのできるイタリア企業・製造業省のウェブサイトです。その他にも、ガソリン代がチェックできるアプリがあります。

1．スーパーに自身で買い物に行くのではなく、宅配サービスの活用
スーパーや食料品店のホームページからオンラインで注文をし、自宅にお届けをしてもらうようなサービスにしたとのことでした。筆者のイタリア人の友人宅（家族は3人）では、前年に比べて1年間の食費が470ユーロ節約できたとの回答を得られました。
理由としては、スーパーに行くと楽しくて、買わなくてもよいものまで買ってしまったりするため、無駄遣いが多かったことによります。オンラインなら、クリックする前に一度考えるため、基本的に必要なものしか購入しません。また、視覚的に一度にたくさんのものが目に入らないため、誘惑が少ないそうです。

もう一つの利点は、オンラインと店頭で販売している商品の価格に差を設けているスーパーが多数あり、オンラインショッピングの場合は、お店で購入するより大きく割り引きをしているところも多いそうです。
また、ローマの場合なのですが、道に駐車するスペースがなかなか見つからないため、以前はスーパー近くにある駐車場を利用してパーキング料金を払っていました。もしくは、路地に駐車してローマ市に罰金を科された時もありました。そのため、総合的に考えると、家計簿も喜ぶ宅配サービスがとてもよかったとのことでした。また今年も続けるそうです。

幸いなことに、素晴らしいライフスタイルを維持しながら、お金を節約するためのヒントや戦略はたくさんあります。長く続けるためには、我慢するのではなく、楽しい方法を考える必要があります。「災いを転じて福となす」で、今まで豆料理のレパートリーが少なかった友人が、今では豆レシピを人に教えてあげるほどのプロとなっています。地球の限りある資源を無駄にせず、大事に使いたいものです。節約は難しいように思えるかもしれませんが、適切な方法とテクニックがあれば必ず可能です！