もっと歩きたい地球がここにある!新刊『すごい地球!』から心震える迫力の旅先を紹介
46億年前に誕生した、生命あふれる奇跡の星「地球」。
「こりゃすごい」と感嘆する地球上の現象やスポットを掲載した『すごい地球!』が旅の図鑑シリーズに仲間入り!世界各地を歩き続ける「地球の歩き方」が厳選し、現象の成り立ちやアクセスも詳しく紹介した、冒険の指南書です。
そんな『すごい地球!』から、《地球の鼓動》を感じるスポットと大興奮の《自然現象》、そして圧倒される《生物の習性》を厳選してご紹介します。
地球内部のマントル対流のすごさがわかる イエローストーン国立公園
1872年に「世界最初の国立公園」になったのがアメリカのロッキー山脈の一角にあるイエローストーンです。ここには世界の温泉水のほぼ半分、間欠泉にいたっては世界の3分の2があるといわれています。熱水の供給源は地下約20kmにある東西80km、南北40kmという巨大なマグマだまり。地球内部で対流するマントルが造り出したもので、このマグマだまりの高温で熱せられた地下水が、国立公園内で噴き出しているのです。その熱水現象を目の当たりにするだけで、地球の鼓動を実感できるはずです。
特に長径約90m、短径約80mのグランド・プリズマティック・スプリングは絶対見逃せません。全米最大、世界で3番目に大きな熱水泉で、極限環境微生物のバクテリアが熱水が吹き上がる中央から外縁部にかけて、温度によりブルー、グリーン、イエロー、オレンジとグラデーションのように色を変化させているのです。
また数年に一度高さ90mまで吹き上がる世界最大の間欠泉スチームボート・ガイザー、約90分間隔で高さ30~50mまで吹き上げるオールドフェイスフルなど、見逃せない間欠泉も数多くあります。
太陽の力が地球に生み出す絶景 オーロラ
夜空にまるで光が踊るようにうごめくオーロラ。太陽系惑星でオーロラが見られるのは地球以外では木星と土星だけ。惑星が地磁気と大気をもっていることがオーロラ発生の条件だからです。オーロラが見られる――それだけで地球がいかに貴重な星かがわかるのです。
オーロラは、太陽から発せられる太陽風(電気を帯びた粒子)が、地磁気の極に吸い寄せられるよう加速し、大気中の酸素や窒素にぶつかって光を発する現象で、実は高度によって発光する色は赤色(高高度)、緑色(もっとも目撃しやすい高度)、紫色(比較的高度が低くあまり発光しない)の3種類なのです。
また太陽風は地磁気極へ向かう途中でオーロラ発光することから、よく見られる場所は北半球、南半球とも南極や北極に比較的近いエリアとなり、一帯をオーロラベルトと呼んでいます。特に北半球のオーロラベルトはおもに陸上上空にあるため、暗い夜が長く続く冬季には観測しやすくなります。カナダ北部やアメリカのアラスカ州、北欧諸国が観測ポントになるのはそのためです。また日本ではあまり知られていませんが南半球のニュージーランド南島やオーストラリア最南部のタスマニアなどでも、太陽風が強いときにはオーロラ観察が可能です。その場合は低緯度地域で見るオーロラのため、高高度の赤色がより強く見えることになります。
地球の傾きがもたらした ヌーの大移動
タンザニアのセレンゲティ国立公園とケニアのマサイマラ国立保護区内を、草を求めて移動する約150万頭のヌー。この習性は、地球が公転面に対して約23.4度傾いていことが大きな理由となっているのです。
地球が傾いていなければ、赤道にほど近いセレンゲティやマサイマラ内は1年中同じように強い太陽光をあびることになります。そして赤道付近に発生し雨をもたらす熱帯収束帯も大きく移動することはないのです。ところが地球が傾いていることで、強い太陽光の当たる地域が少しずつずれていき、熱帯収束帯も大きく蛇行します。そのため同一サバンナ内に雨季と乾季が存在し、雨によって草が生い茂る場所へとヌーが大移動するというわけです。
ヌーは非常に嗅覚が強く、約50km先の雨の匂いを察知することができるといわれています。嗅覚を頼りに、より新鮮な草を求めセレンゲティ、マサイマラ周縁部を時計回り、蛇行も繰り返しながら、1年かけて移動するのです。その距離は日本列島の端から端に相当する約3000kmにもなります。
移動ルート上にはマラ川やタレック川、グルメッティ川、さらにその支流もあり、草地を求めての川渡りも行われます。川にはナイルワニが、川の周囲ではライオンなどの肉食獣が待ち構えています。そんな危険を冒しても、150万頭ものヌーは食料を求めて川に飛び込んでいくのです。その光景は、アフリカのサファリで最大の見ものになっているほどです。
地球のすごい、がぎゅっと詰まった旅の図鑑シリーズW30『すごい地球!』
ここで紹介した以外にも「驚異の自然現象」「地球の鼓動と軌跡」「驚きの生物」「地球に残る人類の痕跡」をテーマに、そのすごさ、現象発生理由を解説した、旅の図鑑。次の旅先選びにぜひ活用してください!
TEXT:伊藤伸平
PHOTO:iStock
〈地球の歩き方編集室よりお願い〉
渡航についての最新情報は下記を参考に必ず各自でご確認ください。
◎外務省海外安全ホームページ
・URL:https://www.anzen.mofa.go.jp/index.html
筆者
地球の歩き方書籍編集部
1979年創刊の国内外ガイドブック『地球の歩き方』の書籍編集チームです。ガイドブック制作の過程で得た旅の最新情報・お役立ち情報をお届けします。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。