
よい願いも悪い願いもかなう?スリランカの聖地、カタラガマを歩く
執筆者:永尾暁
青年海外協力隊員でスリランカ・カタラガマへ赴任し幼稚園教諭として2年間活動。帰国後は広報・マーケティングの仕事へキャリアチェンジをして企業や外郭団体に在籍。2022年にアイ・シー・ネットへ入社し、ブランドコミュニケーション室で主にコーポレート広報を担当。
2023年5月、アイ・シー・ネットの海外法人「IC Net LANKA」へ訪問するため5年ぶりにスリランカへ。休日を利用して以前住んでいた「カタラガマ」へ行ってきました。カタラガマは大都市コロンボから車で高速道路を利用して約4時間のところにあります。ここはスリランカ人に言わせても「遠いし暑いし水も枯れるし住むには厳しい」環境で、外国人観光客はほとんど見かけない場所です。しかし、スリランカ人の多くが「一生に一度は訪れたい」と思っている聖地でもあるのです。今回はそんなカタラガマの聖地についてご紹介します。
仏教とヒンドゥー教どちらにも参拝できる「カタラガマ」
スリランカでは国民の多くが仏教を信仰しているのですが、お寺の参拝と同時に隣接するヒンドゥー教の神殿にも立ち寄るのがスリランカ流。
カタラガマにもキリウェヘラと呼ばれる仏教区域と、カタラガマ神殿があるデーワーレと呼ばれるヒンドゥー教区域があります。

今回、一緒に参拝したのは筆者がお世話になったカタラガマのスリランカ人家族です。地元民は、日中が暑すぎるため参拝に出かけるのは日が落ちて涼しくなってからです。キリウェヘラとデーワーレを参拝する順番などは特にないのですが、地元家族は先に北側にあるキリウェヘラを参拝します。
キリウェヘラの特徴と参拝方法

キリウェヘラの白い仏塔にはブッダの遺骨、いわゆる仏舎利が祀られているそうです。ただ、スリランカ国内には数多くの白い仏塔があるので、それら全部に仏舎利が祀られているのかと深く考えてはいけません。

参拝方法は、来る途中で買ってきた蓮の花を正面にある献花台にお供えして、仏塔の周りを時計回りに一周するのですが、途中、スペースを見つけて座り仏塔に向かっておのおのお経を唱えます。

キリウェヘラでの参拝が終わるとデーワーレへ向かいます。
デーワーレ(カタラガマ神殿)の特徴と参拝方法

いよいよ何でも願いをかなえてくれるというカタラガマ神が祀られている神殿を参拝します。カタラガマが巡礼地として人気があるのは、このカタラガマ神が仏教徒の信仰の対象とされているからです。

カタラガマ神はヒンドゥー教の神様なので、カラフルな色彩でクジャクに乗っているのが特徴です。商売繁盛や合格祈願、健康祈願、とにかく何でも(たとえそれが悪事であっても)お願いしていいそうです。上の画像はスリランカ人家庭にある祭壇を撮影させてもらったもの。祭壇のお花は毎日庭から新鮮なものを摘みお香とオイルランプをお供えして、神様を大事にしています。
カタラガマの参拝を一大イベントとして遠方から訪れるスリランカ人にとっては、このデーワーレがメインの場所になります。果物や花を盛ったお供えセットをもち、プージャーと呼ばれる礼拝の儀式に参加するため長蛇の列に並びます。
地元の家族は頻繁に参拝にくるためプージャーを割愛するので、お賽銭だけいれる参拝ルートで入るのですが、神殿内は混雑していてゆっくり参拝というより、波に流されるように入り、押し出されるように出てくるといった感じです。お供えは日本でいうおさがりの感覚でほかの参拝者から分けてもらえることが多く、筆者もこの日は2組の参拝者からバナナをもらいました。
参拝後には記念に手首に巻いてもらえる「ピリットヌーラ」を

そして、筆者が参拝の最後にいつも立ち寄るのが、デーワーレの中にあるピリットヌーラをもらう場所です。ピリットヌーラとは、スリランカのお寺で手首に巻いてもらえる白い糸のこと。これはお守りのようなもので、お寺を訪問するとお坊さんが白い糸に祈りを込めながら巻いてくれる儀式があります。
カタラガマでは、通常の白い糸に加えカラフルな糸を編んだ物が用意されているので、好きな色を選べます。選んだら、右手首にお経を唱えながら巻き付けてもらいます。その場で祈りを込めながら巻いてもらう必要があるので、参拝した人だけがもらえる記念にもなります。ピリットヌーラをもらうのに料金設定はなく、「お気持ち」を賽銭箱に入れます。
最後に
以前は高速道路がなくコロンボからカタラガマまで車で8時間もかかっていましたが、今は約半分の4時間で訪れることができ、移動時間が画期的に短くなりました。スリランカでは外国人に人気なキャンディやシーギリヤ、ゴールといったところもいいですが、ディープな場所としてカタラガマも一度訪れてみてください。
監修:地球の歩き方
アイ・シー・ネット株式会社について
アイ・シー・ネット株式会社では、新興国・途上国150ヵ国以上で社会課題の解決を行っています。下記のサイトで事業内容を紹介していますので、ぜひご覧ください。

筆者
アイ・シー・ネット株式会社
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。