139. まるで色彩の洪水のようなスザニ売り場は必見!サマルカンド郊外の大市場ウルグットバザール

公開日 : 2024年03月13日
最終更新 :

サローム(こんにちは)!

ガイドブック『地球の歩き方』にも取り上げられている、サマルカンド近郊の市場ウルグットバザール。ウズベキスタン屈指の巨大卸売市場で、サマルカンド市内より数割安く品物が買えることもあり、土日はサマルカンド市民が多数押し寄せます。日本でいうと都市近郊のショッピングセンターのようなイメージでしょうか(娯楽施設はまったくなく殺伐とした雰囲気が漂っていますが……)。
ウルグットはウズベキスタンのなかでも伝統刺繍スザニ作りが盛んな町で、観光客にとってこのバザールはもっぱらスザニ売り場が有名(後述の通り水・土・日曜のみオープン)。私が活動しているサマルカンド観光案内所では、毎週のように日本人旅行者の方にウルグットへの行き方を尋ねられます。この記事ではウルグットバザールへのアクセスや、スザニを含む各売り場の様子などをご紹介します。

ウルグットバザール
あらゆる品物を売っている無数の売り場がひしめき合うウルグットバザール

ウルグットはサマルカンドから南東の方向に40km行ったところにある、タジキスタンと国境を成す山々の麓にある町。自力で行くのであれば、レギスタン広場とグル・アミール廟の中間、Dahbed通りとRegistan通りの交差点から少しレギスタン広場方向へ行ったところ(グーグルマップではSadriddin Ayni Squareと表示されるアイニー博物館前)へ向かいましょう。ここにウルグット行き乗り合いタクシーが集まっており、外国人を見つけるやいなや運転手が「ウルグット!ウルグット!」と叫んでくるはずです。タイミングがよければ、乗り合いタクシーより少し安い、ダマスと呼ばれる乗り合いバンも見つかります(乗り合いタクシーの相場は3万スム(2024年3月現在のレートで約360円)、乗り合いバンの相場は1万5000スムほど)。またサマルカンドの南東にあるバスターミナル、カフタルホナ・ターミナル Kaftarxona Terminalでも車が見つかります。サマルカンドからウルグットバザールへの所要時間は1時間弱。
なお実はウルグットには町なかのバザールと町外れのバザールの2つの市場があり、両者を区別するときはそれぞれエスキ・バザール Eski bozor(「古い市場」の意味)、ヤンギ・バザール Yangi bozor(「新しい市場」の意味)と呼ばれます。スザニが売っている卸売市場は町外れのバザールの方。ここへ向かう際には、運転手に「ヤンギ・バザール?」と確認しておきましょう。

ウルグットバザール 乗り合いバン
帰りはバザールの前から出る乗り合いバンでサマルカンドへ戻ることができる

バザールに着いたら、人の流れに沿って入口へ向かいましょう。大きい市場だけあっていくつも入口がありますが、この立派なゲートがメインエントランスです。

ウルグットバザール 入口ゲート

入るとさっそく左右にありとあらゆる売り場が出現し、思わずふらふら立ち寄ってみたくなりますが、まずはまっすぐスザニ売り場が集まるエリアへ向かいましょう。メインエントランスから延びる通路をひたすらまっすぐ歩いていくと、終点がスザニ売り場です。真ん中を南北に貫くこの通路を軸として常に頭に入れておきましょう。
スザニエリアにたどり着いたとたん、売り手のおば様たちがさっそく声をかけてくるはずです。このおば様たちにとって外国人旅行者は上客のため、自慢のスザニを手にした彼女たちに迫られ、包囲されることもしばしば。スザニ自体はもちろんですが、この圧が強いスザニおば様たちもまたウルグットバザールの名物といってもよいでしょう。

ウルグットバザール スザニ売り場
美しいスザニに見とれているとすぐさまスザニおば様に包囲される

まずはこのおば様たちに誘われるがまま、売り場を見てまわってみましょう。どの売り場もおば様が集めに集めたり、自身の手で縫ったりしたスザニで埋め尽くされ、まるで色彩の洪水です。刺繍や伝統工芸が好きな方にとっては、いつまでも見ていられる眺めでしょう。
売り場は20ほどあり、一見どこも同じように見えますが扱っている品物が微妙に異なっています。地元ウルグット産のスザニに強い売り場、アフガニスタン国境に近いスルハンダリヤ州のスザニを集めた売り場などなど……。壁掛けとして使われる大きいスザニを扱う売り場がほとんどですが、クッションカバーやポーチなど気軽にお土産にできそうな小物雑貨を中心に売っている売り場もあります。

ウルグットバザール スザニ売り場
ウルグットのスザニはおもてなしの精神を表すため、中央にティーポットが描かれているのが特徴
ウルグットバザール スザニ売り場
スルハンダリヤ州のスザニは人や動物が描かれたカラフルなものが多い。こんなユーモラスな顔の鹿柄スザニも

時間の許す限りいろいろな売り場に入り、おば様たちにスザニを見せてもらいましょう。どのスザニを買おうか迷ってしまうはずですが、彼女たちのペースに惑わされずじっくり悩んで。これぞという一品を見つけたらさっそく交渉に取りかかりましょう。作られた年代や素材、模様などによって値段はさまざまで、相場は一概にはいえませんが、同じ売り場で複数の品物を購入すれば割引率も高くなるはずです。
なおスザニを含め、50年以上前にこの国で作られたアンティークの品物は国外持ち出し禁止ということになっているのでご注意を(お店の人に尋ねるのが確実です)。 

ウルグットバザール スザニ売り場
スザニ売り場で結婚式儀式「ケリンサローム」を見せてくれたおば様

スザニを売っているだけでなく、旅行者を家に招いてスザニ製作を見せてくれるおば様もいます。スザニの本場ウルグットでスザニ作りを見学させてくれるなんて、唯一無二の体験になること間違いなし。気になる方はぜひ彼女たちに聞いてみましょう。

ウルグットバザール スザニ刺繍見学

なお注意すべきは、このスザニ売り場は水曜・土曜・日曜しか開いていないこと。朝の方が開いている売り場が多く、午後から行くのはおすすめできません。また冬季も開いていますが売り場の数は少なめで、寒さのためかスザニおば様たちの圧もそれほど強くないように感じられます。
スザニを見てみたいけど曜日が合わない! という方は、サマルカンド市内のお店でスザニを探してみましょう。私のおすすめのお店は、以前の記事で取り上げたレギスタン広場近くの職人工房センター、ハッピーバード・アートギャラリーです(119. 職人たちの手仕事が見学できる工房が集まるハッピーバード・アートギャラリー サマルカンドで雑貨土産を買うならここ!)。ここではウルグット出身のスザニコレクターのご主人とスザニ職人の奥様が工房を構えており、刺繍体験も開催しています。

残った時間で、市場内の他の売り場も気の向きままに見てみましょう。なんせ巨大な市場なのでウロウロしているとすぐに方向感覚がバグり、一生ここから出られないのでは……と思ってしまうかもしれませんが、直線の通路に沿って規則正しく売り場が並んでおり、攻略は意外と難しくはないはず(個人差あり)なので過度に恐れないよう。心配であればメインエントランスの写真を撮っておき、道に迷ったら写真を誰かに見せ「ここへ戻りたいのですが」と尋ねてみましょう。快く行き方を教えてくれるはずです。

ウルグットバザール 布生地売り場
美しい絣模様のアトラス・アドラス布地
ウルグットバザール 食器売り場
ウズベキスタン陶器の定番、綿花柄食器もお安く買える
ウルグットバザール エプロン売り場
大量に吊るされて空に映えるエプロンたち

バザール西側には食堂街があり、プロフやシャシリクなどウズベク料理ならひと通り何でも食べられます。お昼時は買い物客が押し寄せ、活気あふれる雰囲気に。

ウルグットバザール 食堂街
肉の焼けるにおいがたまらない、シャシリク屋が軒を連ねる通り
ウルグットバザール プロフ
正午ごろ行けばアツアツのプロフが食べられる!

サマルカンド滞在が1日余ったならぜひ訪れてみたいウルグットバザール。旅行客の多い観光都市を離れ、田舎町に行ってみるというだけでもなかなか貴重な経験になるはずです。特に雑貨好きやスザニファンの方なら、曜日を合わせてぜひ行ってみましょう。心をズキュンと射抜いてくる、一生モノのスザニに出合えるといいですね。

それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

■ウルグットバザール(ヤンギ・ウルグット・バザール) Yangi Urgut bozori

住所
Urgut tumani, Samarqand viloyati
営業日
毎日(スザニ売り場は水・土・日曜営業)
アクセス
サマルカンド市内から乗り合いタクシーや乗り合いバンで。詳細は記事中の表記参照

筆者

ウズベキスタン特派員

伊藤 卓巳

根っからのスタン系大好き人間です。まだまだ知られていないウズベキスタンの魅力や情報を、サマルカンドより愛をこめてお伝えします!

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