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2021年10月より、イタリアの鉄道会社テロ(Thello)によるパリ(パリ・リヨン駅)とイタリアのミラノ(中央駅)を結ぶ高速列車の運行が始まりそうです。
実現すれば、フランス国内の鉄道がオープンアクセスになってから初めて、フランス国鉄(SNCF)と正面から競合する海外の高速鉄道事業者が、フランス国内へ乗り入れます。
テロが運行する高速列車は1日2便。フランスの現地メディアによると、パリ、リヨン、トリノ、ミラノの4都市を結び、パリ・リヨン間は時速300km、リヨン・ミラノ間は時速200kmで運行されます。
じつはテロは、2020年6月にフランス国内へ高速列車を走らせる予定でした。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大による旅客需要の低迷で延期に。その後、少しずつ回復してきた需要を受けて、今回テロはパリとミラノを結ぶ高速列車の運行を決めました。その試験走行の列車が、先月8月28日にパリ・リヨン駅に入線しています。
なお、今回の決定となった一方で、今までテロが運行していたパリとベネチアを結ぶ夜行列車と、マルセイユとミラノを結ぶ列車は運行が休止されています。
すでにパリとミラノを繋ぐTGVを1日2便運行中のSNCFにとっては、テロの乗り入れは新たな競争相手となります。SNCFはLCCの高速列車Ouigoを充実させるなどして、これまでオープンアクセスへの対策を行ってきました。今回のテロの乗り入れによって、フランス国内における高速鉄道のサービス競争が起き、利用者にとってのさらなる利便性と選択肢が増えるとよいですね。