キーワードで検索
セマナサンタ(聖週間)は、イースター(復活祭)前のキリスト受難の1週間のこと。たまにセマナサンタをイースターだと説明している記述を見かけますが、それは間違い。受難のセマナサンタは厳かに、復活のイースター(スペイン語ではパスクア)は明るく祝います。
スペインではイースターよりもセマナサンタをより祝う習慣があります。セマナサンタは移動祝日で毎年日にちが変わり、今年は4月2日~8日まで。はじまりは常に日曜日で、その日は枝の主日と呼ばれます(スペイン語では、ドミンゴ・デ・ラモス/Domingo de Ramos)。ロバに乗ったキリストがエルサレムに入城した際に、群衆がヤシの枝を持って歓迎したことに由来するそうです。この日はスペインの各地でロバに乗ったキリスト像が教会から担ぎ出され、信徒や楽隊を伴って町を練り歩きます。
この日曜日からセマナサンタの期間はスペイン中でキリスト像やマリア像が担ぎ出され、プロセシオンとよばれる宗教行列が出ます。場所によっては1日にいくつものプロセシオンが出る町もあります。特に盛大に祝うのがアンダルシアで、セビーリャやマラガ、グラナダなどにはプロセシオンを見に多くの観光客が押しかけます。ここバレンシアだと、バレンシア市の海辺のカバニャル地区が有名です。
十字架にかけられたキリスト像や涙を流す美しいマリア像、厳かな音楽、お香のかおり、ろうそくの火、三角頭巾にマント姿(KKKみたいで最初はちょっと怖いかも)のナサレノ達。こういったものを伴うセマナサンタ独特の雰囲気は、信心のない人をも惹きつけます。キリスト教徒ではない私ですがプロセシオンを見るのは大好きで、涙が出そうになることも。宗教の持つ神秘な力ってすごいですね。セマナサンタ中にスペインを訪れる方には、ぜひどこかでプロセシオンを見ていただきたいです(盛大なもの、こじんまりしたもの、いろいろあります)。
セマナサンタの1週間はスペインの多くの州で学校はお休みになるため(カタルーニャやバレンシアのようにセマナサンタの聖木曜日か聖金曜日からイースターの翌週いっぱいを休暇にするところも)、子ども達にとっては春休みのような感覚です。
今年はスペイン全国的に4月7日の聖金曜日は祝日で、ほかにはその前日の聖木曜日や4月10日の月曜日(イースター・マンデー)が祝日になる町もありますので、ご旅行の方はご注意ください。