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皆さんგამარჯობა(ガーマルジョバ:こんにちは)!
3回目となるメスティア特集ですが、小さなエリアに1回の記事に収まりきれない程の魅力が詰まっているこの町。
あと少しはメスティアエリアに関しての記事が続きそうですが、お楽しみいただけたらと思います。
今日は、メスティアと言えば!な、ミュージアムを2つ紹介します。
今日紹介する2つのミュージアムはそれぞれが少し離れていますが(徒歩圏内です)、メスティアで大切なミュージアムです。
一つ目は、メスティアで欠かすことのできないSvan Towerを保存しているミュージアムであるMargiani's House Museumです。
メスティアに向けてクタイシから車で北上している際に、疲れながらも長距離ドライブで到着を心待ちにしていたドライバーさんと私たちに、メスティアエリアに車が入ったことを知らせてくれたのが、このSvaneti Towerの存在でした。
車窓から地区毎や各家庭にあるこの塔が見えた時に、その景色がいかにもメスティアらしく、”FINALLY IN MESTIAAA!”とドライバーさんと歓喜の声をあげた程です。
メスティアには多くのSvan Towerが残っており、町を歩くだけでも沢山の塔が目に入ります。
このMargiani's House Museumでは、11世紀頃、このエリアで地主であったMargiani家のもので、当時最大で8つの塔を有していました。今ではその内4塔が非常に良い保存状態で残っており、所有者である女性が流暢な英語で当時の民家の仕組みや塔の内部について説明をしてくださいます。
寒さの厳しいメスティアでは、暖を取る為に家畜である牛を室内に入れて暮らしており、牛たちがいるスペースの上を人間のベッドスペースとして、その温もりを大切に活用していたようなのですが、他の豚や鶏、馬などの家畜は屋外で飼っていたようなのです。
その理由を所有者の方が『鶏や豚、馬は臭うでしょ?でも牛は臭わない。だからよ!』、と説明してくださったのですが
筆者は単純に”鳴き声のうるさい鶏はともかく、牛の方が臭うのでは無いか、なんなら牛糞などの臭いはたまったものじゃないと思うが。。”と頭に疑問が湧いたのですが、当時のジョージア人の認識と現代人の認識は異なるのでしょうか。。。
非常に興味深い話でした。
家の中には、穀物貯蔵庫、リビング、新婚夫婦の部屋、牛飼部屋、地下室、そして懲罰室があります。
民家に懲罰室?!と思うかも知れませんが、山岳地域であるこの地域では食料などは非常に貴重で、村人間での盗みなどが横行したそうです。そういった場合に、彼らを一時的に入れる部屋として小さな小部屋(拷問器具などがあるわけでは無いです)が設けられていたそうです。
こういった興味深いお話しを聞かせていただいた後は、Svan Towerに上らせていただきます。
ところでこの塔、一体何の為にあるのか?と思うかも知れませんが、
昔この地域では家庭単位、地区単位という1つの社会単位が非常に重要視されており、そのコミュニティーの中で、異なる家族間で侮辱や盗みをした場合、問題を起こした本人のみならずその家族全員が、された側の家族から復讐を受けるという風習があり、またそれらは世代を超えても繰り返されるものでした。
すなわち”やられたら、次世代に渡って永遠にやり返す”です。そういった風習の中で、復讐対象になった家族が逃げる為に作られたのがこのSvan Towerになります。
非常に恐ろしい話ですが、こういった閉鎖的空間での所謂”村社会文化”というのは、どこの国でもあるものなのですね。
人間の性故に、そういった特殊環境が、必然的に生じてしまうものでしょうか。気になります。
そういった風習故に作られた塔ですが、歴史の流れの中で、コミュニティー内部の敵だけでなく、外部からの敵の襲来の際にも勿論役立っていました。
お天気が良いと、一番上からの景色が非常に美しく、遠くまで見渡せます。
筆者が訪れた際は、若干老朽化しているから、一番上には一人ずつ上がってね!と言われました。
階段は木製の簡易的な梯子のようなもので、6、7階はありますので、お子様がいらっしゃる方はしっかりと足の踏み場などをサポートしてあげてくださいね。
もう1つ最後に紹介するのは、スヴァネティ歴史民族学博物館(Svaneti Museum of History and Ethnography)です。
この博物館は、ジョージアでも有数な民族博物館の様で、ジョージア人からも”メスティアの博物館は有名だよ!”と教えられました。
博物館の入り口付近にも巨大な絵画が展示されており、入場前からも様々な展示品を見る事ができ、またお土産物売り場も充実していました。
約4,000点の歴史価値の高いアイテムが展示されているのですが、中でも10世紀、11世紀に手書きで書かれた聖書が非常に良い状態で保存されているのです。
A4よりも大きいサイズで何百ページとあるその聖書は、非常に美しい字で丁寧に書かれており、”途中書き写しに失敗しなかったのかな?、インクが垂れたりしなかったのか?”など、色々と思ってしまう程、手書きとは思えない統一的な美しい文字での聖書なのです。
またジョージア正教会の聖歌集である”Ladgari”や、紀元前5世紀から20世紀までの長い歴史の中で用いられた、外国の硬貨なども保存されており、展示物1つ1つに目を奪われます。
*チケット代金について、ネットで7ラリと掲載されているものがありますが、値上がりされたのか、筆者が訪れた2024年7月時点では、大人20ラリでした。
今回の記事では、メスティアの有名博物館をご紹介しました!
次回からは、あのアニメ作品の世界観そっくりな、ウシュグリ村を何回かに分けて紹介していきますね!
是非、お楽しみに〜〜!