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ロンドンのザ・シャードや大阪の関西国際空港の設計でも知られる、イタリア人建築家レンゾ・ピアノ。
世界的に注目されるきっかけとなった初期作品パリのポンピドゥーセンターに代表されるように、画期的かつ斬新なデザインと現代に即した実用性が彼の作品の特徴です。
そんなピアノ氏による建築物のなかでもコレは凄い!と筆者が驚いたのは、アテネのスタヴロス・二アルコス財団文化センター。
それは2016年に竣工した、ギリシャ国立歌劇場や同国立図書館などを含む巨大な複合施設。その名称から察するとおり、スタヴロス・二アルコスという富豪が設立した財団が中心となって建てられました。
なにより驚くのはその構造で、最寄り路面電車駅ジジフェアからこの複合文化施設に向かって歩き始めると、大きな庭園を通り抜けていく感じなのです。花やオリーヴの木々などの植物に囲まれて、気持ちのいいお散歩気分。
やがて目の前に、予想していたよりも遥かに小さな建造物が見えてくるのですが・・・「えっ?本当にあれがそうなの?」とキツネにつままれた意外さ。
しかし小さな建物に見えた建造物に入り、エレベーターで上階に上がると、やっとその全体像を把握できます。先ほどまでお散歩気分で歩いていた庭園は、実は屋根の一部だったのです!
庭園から見た「小さな建物」は最上階テラスで、屋根にはソーラーパネル。展望台を兼ねているテラスからピレウス湾や運河を見晴らしながら、併設カフェでお茶しました。
先述した国立歌劇場や国立図書館の他にもレストランやショップなどがあり、思い思いに楽しめます。運河沿いの中庭にたくさん出ているテーブル&椅子に座ってのんびり寛いでいる人たちも多く、市民の憩いの場という表現がぴったり。
稀代の鬼才ピアノ氏も、現在87歳。「私が休む時は、永遠の休暇(人生の最期)になるだろう」と言うほどワーカホリックな氏ですから、これからも精力的に活躍を続ける思いますが・・・アテネに来たら、この傑作建築もぜひ見てくださいね!