キーワードで検索
新潟市の繁華街古町地区の西北に「東中通(ひがしなかどおり)」という大きな道路があります。そこから少し海側へ向かうと、木々に囲まれた寄居諏訪神社が現れます。この神社ではカフェや書道教室、ヨガ教室などを行っているほか、手作り作家さんや無農薬栽培の野菜農家さんなどを集めた「福の市」を開催したりするなど地域ににぎわいを生みだし、新たな「ご縁」を結んでいます。
神社の創建は今から500年以上前の室町時代と伝わっています。おまつりされているのは戦国武将武田信玄が深く信仰していた「建御名方命(たけみなかたのみこと)」で、「開拓と武勇」の神徳があるそうなので、勝負ごとや新しいことを始めるときにお参りしたいですね。また境内にある「福一稲荷大明神(ふくいちいなりだいみょうじん)」は五穀豊穣、商売繁盛、芸能上達などのご利益があるそうです。
宮司の登石木綿子さんによると繁華街に近いとは言え、神社はメインの通りから少しわきに入った場所の上に木が茂っていたため、神秘的ながらもすこし怖いような雰囲気。それに加えて、神社周辺の住民の高齢化などもあり、初詣や夏と春の例大祭にはそれなりに人が来るものの、その存在も忘れかけられていました。2020(令和2)年、東京で音楽雑誌の編集者をしていた登石さんが実家の神社を継ぎ、生い茂った木をせん定するなどして境内を明るくしました。「神社を知ってほしい」との思いがありました。
そして御朱印も伝統的なものに加え、イラストが得意な登石さんの娘さんが、御祭神や月替わりの御朱印も描いたものもつくるなどしました。
また、お守りも登石さんやお嬢さん、親友の布作家石川ゆみさんデザインのかわいくて素敵なものにリニューアル。ほかの神社ではあまりないキュートなペット用お守りもつくりました。また、登石さんの登山仲間のグラフィックデザイナーさんと一緒に、定期入れや財布に入れることのできるカード型の「登山お守り」を作ったところ、評判がよく現在は「合格祈願」や「金運上昇」など10種類に増えました。こうした取り組みで、神社に参拝客が戻ってきました。
しかし登石さんは、神社にある大広間の使い道に悩んでいました。かつて結婚式や披露宴に使われていたものの、近年はヨガ講座を月一回ほどのペースで開く程度。「ほかに何かできないか…」とさらなる活用を模索していました。
22(令和4)年のある日、登石さんは東中通を散歩していました。かつてオフィス街だった通りは、ショップやカフェなど、若い人たちが開業した個性的なお店が点在する街に変わっていました。そのうちの一軒に入り、手作りの洋服を販売しているroomのしぶやゆきこさんに大広間のことを話しました。
すると渋谷さんは、その場で知り合いの手仕事をしているクリエイターや作家さんに連絡を取り、あっという間にその年の3月に「福の市」を開くことになりました。初回にも関わらず400人以上のひとが訪れました。その後も「神様がつないでくれたご縁」(登石さん)で、福の市にとどまらず、じゅうたん展やカフェなどのイベントもひんぱんに開かれるようになり、閑散としていた大広間がにぎやかになる日が多くなりました。
25(令和7)年4月の「福の市」では、朝採りの有機農産物や平飼い卵、手作りお惣菜、レモングラスドリンクを販売する「たねをまく量り売りマーケット」も同時に開催されるなど、「福の市」は”進化”。訪れた人たちはアロママッサージを受けたり、売り手に食品の特徴をたずねたりするなど、会場には笑顔が広がっていました。この「福の市」がきっかけで、出店した人と訪れた人の双方にご縁が生まれたことでしょう。
さらに4月26、27日に開かれる春季大祭、7月26、27日の夏季大祭では神輿渡御(みこしとぎょ)のほか、太太神楽(だいだいかぐら)や、大国さまのお菓子まきにも多くの人が集まるようになりました。
中でもユニークなのは”盆踊り”です。かつては近所の婦人会の方々が地元の民謡で踊るぐらいでしたが、現在では若い盆踊りグループがリードする形で民謡はもちろん、「サザンオールスターズ」や「アース・ウインド&ファイヤー」などの楽曲で老若男女がおもいおもいの踊りを楽しんでいます。
ここに来るといろんなワクワクや、新しいコトやモノ、ヒトに出会える気がしませんか?行事やイベントなどはインスタグラムで発信しているのでチェックして、寄居諏訪神社へGo!
■寄居諏訪神社
住所:新潟県新潟市中央区旭町通2番町736番地
電話:025-228-1490
インスタグラム:https://www.instagram.com/yoriisuwajinja/
ホームページ:http://yorii-suwajinja.com/