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日本でも知られたアルコール飲料“サングリア”は、スペインとポルトガル発祥のアルコールドリンク。赤ワインにフルーツ、お砂糖とリキュールなどを加えて漬け込み、仕上げにソーダを加え、氷を入れたグラスで飲むサングリアはちょっとおしゃれな地中海のイメージがありますよね。フルーティーで甘口なので、特に女性ウケが良さそう。「スペインに行ったら青空の下、テラスでサングリア飲みたいな♪」と思っている方も多いのでは。
が、しかし!!
スペイン人は意外とサングリアを飲まないのです!!
私の29年に及ぶスペイン歴(うち在住歴23年)でスペイン人とサングリアを飲んだのは、今から20数年前に20代の若い人が集まるホームぺーティーで1度きり(大きなガラスのボールに入れてあり、お玉ですくって自分のグラスに注いだことを覚えています)。アンダルシアのバルで飲んだこともありますが、語学学校で一緒だったオランダ人やドイツ人と、それか日本から来た友人と・・・。
スペイン人の友人達に聞くと「スペイン人はあまりサングリアは飲まないの?」と聞いてみたら、「食前酒にはいいかもしれないけれど、甘くて食事には合わないね」「高いし、外国人観光客が飲むものだよ」「うーん、ホームパーティでつくることならあるかな」と・・・
スペインの中では、基本的にサングリアは外国人観光客が飲むものという位置づけなんです。なので、観光地やビーチのレストランやバルには置いてあっても、地元の人しか行かないようなお店にはまず置いていません。
その代わりにスペイン人が好んでよく飲むのが“ティント・デ・ベラーノ”です。
直訳すると夏の赤ワインになるこのドリンクは、安い、もとい、庶民的な赤ワインをガセオサ(甘みのある無色透明の炭酸飲料)かファンタレモンで割って飲むアルコールドリンクです。私はファンタ・レモンだと甘すぎるのでいつも「ガセオサで割ってね」とオーダーしていたのですが、最近は既にボトル詰めされた状態でも売られるようになりました。昔ながらのバルでは、今でも安い赤ワインとガセオサのボトルが1本ずつドドンッとテーブルに置かれ、自分の好きな配分でティント・デ・ベラーノを飲むことも。甘みがあってもすっきり飲みやすいので、アルコールデビューしたばかりの若者にも人気です。
この程度の甘さならバルの食事にも合います。日本で例えるなら、ラムネハイなどの甘系のチューハイを飲みながら何か食べる感じでしょうか。
スペインにいらしたら、ぜひティント・デ・ベラーノを飲んでみてくださいね。