Los géneros de orqídeas del BOSQUE DE PROTECCIÓN ALTO MAYO. Guía ilustrada.
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ペルーの首都リマから、飛行機と車を乗り継いで約4時間。北部の熱帯雨林地帯セルバに位置する町・リオハは、森林保護区「アルトマヨの森」への玄関口のひとつとして知られています。今回は、そんなペルーの豊かな自然を守る「アルトマヨの森」についてご紹介します!
世界でも最も生態系の豊かな国のひとつに数えられるペルー。国土の半分以上を森林が占め、数多くの希少種が生息するこの国は、まさに“自然の宝庫”として知られています。
そんなペルーでは、自然保護のために3つの区分で保護区が設けられています。
「アルトマヨの森」は、この中でSERNANPが管理する国立自然保護区(ANP)にあたります。そしてみなさんのご存知マチュピチュも、実はANPのひとつ「マチュピチュ歴史保護区(Santuario Histórico de Machu Picchu)」に含まれています。
「アルトマヨの森」は、ペルー北部に広がる広大な雲霧林です。スペイン語名称のBosque de Protección Alto Mayoの頭文字をとって、地元では通称BPAM(ベッパン)と呼ばれています。
リオハのあるサン・マルティン州を中心に、アマソナス州やロレト州にもまたがっており、1987年7月23日に国立保護区として設立されました。
森の広さは、なんと約18.2万ヘクタール! 東京都の約8割の大きさに相当します。
この森を流れる「マヨ川」は、人々の暮らしを支える大切な水源。そしてこの「マヨ川」は、やがて「ワジャガ川」、「マラニョン川」と合流し、最終的にはあの有名な「アマゾン川」へとつながっていきます。
また、森の中には豊かな動植物が生息しています。とりわけ有名なのが、500種以上の鳥類。その中でも、ハチドリは44種が記録されており、世界中のバードウォッチャーから注目を集めるスポットです。観光客が訪れやすいように、近年ではエコツーリズムの一環としてバードウォッチングのルート整備も進められています。
南米最大の哺乳類「メガネグマ」や、ペルー固有種で国内最大の霊長類「キイロオナガザル」も、この森に生息しています。植物では1300種以上の蘭が確認されており、なかでもペルー固有種で世界最大級の蘭「フラグミペディウム・コバチー」の自生地としても知られています。
昨年には、アルトマヨの森に生育する蘭をまとめた図鑑も出版されました。スペイン語版のみですが、インターネット上でダウンロード可能なので、興味のある方はぜひチェックしてみてください!
また、最近この森で調査旅行を行った研究チームによって、27種もの新種の動物が発見されました。この発見は、昨年末に日本のメディアでも報道されています。
アルトマヨの森では、環境省傘下の SERNANP(国家自然保護区管理事務局) に加え、NGOである Conservación Internacional および Ecosistemas Andinos が連携し、さまざまな森林保全活動を展開しています。
これらの取り組みは主に「環境」「社会」「経済」の3つの観点から進められており、森とそこに暮らす人々、そして未来の世代へとつながる持続可能な関係づくりが目指されています。
環境面では、生態系調査や保全活動を通じて、動植物の多様性を守りながら、豊かな自然を次の世代に残すための取り組みが続けられています。
社会面では、地域の学校や住民を対象にした環境教育の実施に加え、保護区周辺に暮らす先住民族・アワフン族の伝統文化の保護・継承にも力が注がれています。
経済面では、住民と保全協定を結び、森林農法によるコーヒー栽培やエコツーリズムを推進。また、地域の女性コミュニティによる手工芸品の製作・販売など、自然と調和した形での生計支援が行われています。
かつてこの森は、入植者による違法伐採や農地の拡大によって深刻な森林破壊に直面していましたが、国立自然保護区が設立され、地域住民と保全協定を締結。技術支援などを提供する代わりに、住民が環境に配慮した農業生産を行うようになるなど、森と人が共生する新たな仕組みが築かれつつあります。
そして実は今年(2025年)に、アルトマヨの森で育ったコーヒーが日本へ初輸出されました。地球の反対側にあるこの森の恵みを、日本でも味わうことができるようになったのは、とても嬉しいニュースです。
アルトマヨの森では、自然観察やトレッキングなど、観光客が森の魅力を体感できるエコツーリズムの拠点も増えてきています。
これから、「アルトマヨの森」の自然を満喫できる、エコツーリズムのスポットなども随時ご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!