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ロンドン滞在中、筆者には、ロンドン周辺のシャーロック・ホームズの足跡をたどる時間はありませんでしたが、ちらっと、シャーロック・ホームズ立像とベーカー街221B番地を訪れることができました。
今回、なかなかスマートなシャーロック・ホームズ立像と今はシャーロック・ホームズ博物館となっているベーカー街221B番地の様子をご紹介します。
We met next day as he had arranged, and inspected the rooms at No. 221b, Baker Street, of which he had spoken at our meeting. (中略)That very evening I moved my things round from the hotel, and on the following morning Sherlock Holmes followed me with several boxes and portmanteaus. (その翌日、我々は打ち合わせ通りに落ち合い、話題となったベイカー街221B番地の部屋を見に行った。(中略)その晩、私はホテルから身の回りの物を運び込み、続く翌朝、シャーロック・ホームズがいくつもの箱や旅行鞄を運んできた。(筆者訳)) 〜 A Study In Scarlet by Arthur Conan Doyle
物語では、シャーロック・ホームズとジョン・ワトソン博士は、1881年に二人でこのベーカー街221B番地を下見に行き、その夜には引っ越しを実行、1904年まで住んでいました。
イギリスでは、数字の後に文字が続く住所は、集合住宅の住所を示す場合があるようで、ホームズのアパートはジョージアン様式のテラスハウスの一部であったと考えられます。
実際には、物語が書かれた当時、ロンドンのベーカー街には100番台までの番地しかなく、221番地は存在していませんでした。1930年代に番地の割り当てが変更され、ベーカー街221B番地にあたる場所には、アビー・ナショナル・ビルディング・ソサエティのビルが建ったそうです。
ベイカー街221B番地に行くには地下鉄も便利なのですが、今回、街の雰囲気を感じながら向かうべく、バスで現地に向かってみました。
ホームズが初めて登場し、ベーカー街に引っ越すくだりが書かれた『緋色の研究』は、1887年に出版されました。しかし、当時、ベーカー街の住所に、221番地はありませんでした。
後年、ベーカー街が拡張されると、1932年にアビー・ナショナル・ビルディング・ソサエティが、ベーカー街219-229番地に移転しました。すると、アビー・ナショナルは長年に渡って221番地Bのシャーロック・ホームズ宛の郵便物を受け取ることになり、それらの返信を行う専任スタッフまで設けていたそうです。
そして、1990年、ベーカー街の並び、ベイカー街237番地と241番地の間に、シャーロック・ホームズ博物館が開館します。すると、誰がベイカー街221B番地宛の郵便物を受け取るのか、という争いが両者の間であったようですが、2005年にアビー・ナショナルが移転したため、現在、シャーロック・ホームズ博物館が221B番地の青いプレートを、正面玄関上の外壁に掲げています。
住所こそ架空でしたが、現在221B番地の青いプレートを掲げる建物自体は、1815年にジョージタウン様式で建てられた建築物で、歴史的価値のある建物に与えられる第2級指定建築物とされています。そして、1860年から1936年の間には、下宿として実際に貸し出しもされていたそうです。
筆者は、町並み見学も兼ねて、バスでベイカー街221B番地へ出かけてみました。
滞在していたホテルに近いハイドパーク付近からバスに乗車しましたが、15分もしないうちにベーカー街に出ることができました。
驚いたのは、ベーカー街が比較的大きい通りであったこと。
東京で言う銀座や新橋の裏口のような、あまり車通りの多くないビル区画をイメージしていたので、大通りであることはしっくり来ませんでした。しかし、それは、昔見たジェレミー・ブレッドがシャーロック/ホームズを演じたBBCのドラマ、シャーロック・ホームズの冒険からの筆者の思い込みかも?
ベーカー街は、いくつものレストランが並び、バスや地下鉄の駅もある、目抜き通りでした。
ハイドパークでバスに乗車した時点から、Google Mapで「ベイカー街221B番地」を目的地に打ち込み、地図を睨みながらバス、そして徒歩で目的地を探します。
バス停からそう遠くはないビルの並びに、さくっと『シャーロック・ホームズ博物館』(Sherlock Holmes Museum)の看板があるのを見つけます。
世界中で愛される名探偵シャーロック・ホームズの住まいとして知られるベーカー街221B番地にあるのが、シャーロック・ホームズ博物館 です。
この博物館は、1990年に設立された世界初のホームズ専門博物館で、アーサー・コナン・ドイルの小説に描かれたホームズの暮らしを忠実に再現しており、まるで物語の世界に迷い込んだような体験ができるとか。
まず、館内はビクトリア朝時代の雰囲気が漂い、ホームズとワトソン博士の部屋が細部まで再現されています。書斎には有名な鹿撃ち帽やパイプ、化学実験器具など、作品に登場するアイテムがずらりと並び、蝋人形を使った事件再現コーナーもあり、ファンにはたまらないスポットのよう。
残念ながら、筆者が現地についたときは開館時間の18時を回っていたので、博物館内部の見学はできませんでした。
そこで、次に筆者が向かったのが、地下鉄の駅前にあるというシャーロック・ホームズ像(Shelock Holmes Statue)です。
シャーロック・ホームズ博物館から地下鉄のベーカーストリート駅(Baker Street Station)方面へ向かい、左に曲がったところに、マリルボーンロード(Marylebone Road)に当たったところで道を左折して周囲を探すと、シャーロック・ホームズ像がすぐに見つかります。
住所: 221b Baker St, London NW1 6XE, United Kingdom
問い合わせ: +44 20 7224 3688
営業時間:月曜日〜日曜日 9:30~18:00
博物館情報:https://www.sherlock-holmes.co.uk/
入場料:事前の購入が推奨されています
大人 19.00ポンド~20.00ポンド + 予約手数料 0.75ポンド
割引(65歳以上、有効期限のあるフルタイムの大学生、障害者)17.00ポンド~18.00ポンド + 予約手数料 0.75ポンド
*有効な学生証/証明書が必要です
子供(6~15歳)14.00ポンド~15.00ポンド + 予約手数料 0.75ポンド
6歳未満は無料
障害者の方の介護者無料