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美食の町として世界に知られるリヨン。ポール・ボキューズに代表されるガストロノミーの都ですが、この町の魅力はグルメだけではありません。少し足を延ばせば、忘れられない絶景に出会えます。
それが「フルヴィエールの丘」。白亜のノートルダム・ド・フルヴィエール大聖堂と、そこから見下ろす街並みは息をのむほど美しく、心が洗われるような静けさを与えてくれます。観光名所は行き尽くしたと思っている人にもおすすめしたいスポットです。
今回は、子連れでリヨンを旅した筆者が実際に訪れた体験を交えて紹介します。
リヨンに到着した初日は、市民にとって憩いの場であるテット・ドール公園を訪れました。広大な園内には湖や動物園があり、子ども連れでも一日中楽しめます。
そんな穏やかな午後、日本人ママと偶然出会いました。フランス人の夫と暮らしているその方が「絶対に行った方がいい」とすすめてくれたのが、フルヴィエールの丘。どうやら、ユネスコ世界遺産に登録されているリヨン歴史地区の一部とのことでした。
リヨンといえば“ポール・ボキューズ市場”に象徴される美食の町。けれど、地元の人がすすめるのは食ではなく、街を見渡す絶景だったのです。
フルヴィエールの丘へは旧市街から出るフニクレール(ケーブルカー)で向かいます。切符を買う必要はなく、地下鉄やバスと同じTCLカードで乗れるので便利。午後は観光客で混み合うため、午前中に行くのがおすすめです。
数分の乗車で丘の上に到着すると、赤い屋根が続く旧市街と、町を抱くように流れるローヌ川とソーヌ川、その奥にかすかに見えるアルプスの稜線が広がっていました。
丘の頂に建つのが、白亜のノートルダム・ド・フルヴィエール大聖堂です。内部は青と金を基調とした壮麗なモザイクで飾られ、光が射し込むと静かな輝きに包まれます。
地下に広がる礼拝堂は神秘的で、普段は大聖堂を退屈がる子どもたちも思わず足を止めていました。
リヨンは“胃袋の都”とも呼ばれ、三つ星シェフ、ポール・ボキューズの存在がその象徴。しかし、この丘に足を踏み入れると、食と同じくらい人の心を満たす「もうひとつのリヨン」があることに気づかされます。
大聖堂を訪れたら、ぜひ併設のギフトショップにも立ち寄ってください。観光地の売店は高価な商品が多いのですが、ここは手頃でかわいい雑貨がそろっています。アクセサリーや文房具など、子どもたちも楽しく選べるお土産がたくさんありました。
私もキャンドルをひとつ買いました。自宅に戻ったあとも火を灯すと、大聖堂で感じた静謐な空気が、ふっとよみがえったように感じます。
■施設情報
施設名:ノートルダム・ド・フルヴィエール大聖堂(Basilique Notre-Dame de Fourvière)
住所:8 Place de Fourvière, 69005 Lyon, France
電話番号:+33 4 78 25 13 01
アクセス:リヨン旧市街・サンジャン区からフニクレール(ケーブルカー)「Fourvière」駅下車すぐ。
営業時間:7:00〜19:00(時期により変動あり)
入館料:無料(寄付歓迎)
URL:https://www.fourviere.org/