【フランス】ボルドー子連れ旅にぴったり！科学館とグルメの穴場スポット

ボルドー観光の定番といえば、真っ先に名前が挙がるのが「Cité du Vin（シテ・デュ・ヴァン）」。ガロンヌ川沿いに立つ、その曲線的で未来的な建物は遠くからでも目を引き、思わず足を止めたくなる存在感があります。

そんなCité du Vinの近くに、もうひとつの文化拠点「Cap Sciences（キャップ・サイエンス）」があります。灰色の四角い建物で、正直に言えば、派手さはありません。そのまま通り過ぎてしまう人も多いでしょう。

でも、実はこの施設には、かなり面白い企画展が開催されるのです。

例えば、今年（2025年）の6月14日から8月30日まで開催されていたのは「ラスコーの洞窟壁画」をテーマにした特別展でした。

フランス南西部で1940年に発見されたこの壁画は、旧石器時代の代表的な文化財であり、世界史の教科書で写真を見たことがある方も多いでしょう。現在は保存のため非公開となっていますが、“先史時代のシスティーナ礼拝堂”とも呼ばれ、世界的に知られています。

Cap Sciencesでは、そのラスコーの壁画を最新技術で精巧に再現し、展示空間に蘇らせていました。暗い展示室の中に浮かび上がる馬や牛の姿は圧倒的で、数万年前の人類の祈りや想像力を、今に伝えてくれます。

壁画だけでも圧巻なのですが、今回は壁画を再現・修復する人たちにも焦点が当てられていました。実際の道具が展示されており、映像でその様子を観ることができます。彼らは表舞台に名前が残ることはほとんどありません。それでも地道な作業を積み重ね、失われかけたものを未来に手渡そうとしています。

余談ですが、そんな彼らの姿に親近感を覚えました。ライターという仕事もまた、誰かが語った物語をなぞり、次の人へと渡す営みです。大きな歴史に名が刻まれるわけではないけれど、確かに何かを残していく……ラスコーの再現者や修復者たちの姿を見ながら、自分自身の営みもまたその延長線上にあるのだと感じたのです。

施設情報
■施設名：Cap Sciences
住所：Hangar 20, Quai de Bacalan, 33300 Bordeaux, France
電話番号：+33 5 56 01 07 07
アクセス：トラムB線「La Cité du Vin」駅から徒歩約5分
営業時間：火～金 14:00～18:00、土日 14:00～19:00（月曜休館）
入館料：大人9€、子ども（6～12歳）5€ ※企画展により変動あり
URL：https://www.cap-sciences.net/

「Cap Sciences」のエリアは中心街から離れているため、周辺スポットと組み合わせて訪れるのがおすすめです。

ひとつは「Cité du Vin（シテ・デュ・ヴァン）」。ワインの歴史や文化を多角的に紹介する博物館で、テイスティング体験もできるため、ボルドーの“ワインの都”らしさを存分に感じられるでしょう。午後は混み合うので、午前で予約を。

もうひとつは、道路を挟んで向かい側にあるフードホール「Les Halles de Bacalan」。テラス席も広く、晴れた日には川沿いの風を感じながら食事ができます。牡蠣やチーズ、シャルキュトリーなどボルドーの名物を少しずつ楽しむことができ、観光客だけでなく地元の人々にも人気です。

ここでは、ボルドー名物だけでなく、世界各国の屋台風が楽しめます。特に人気なのは、スペイン料理店のピンチョス。もともとはバスク地方の文化ですが、ここではフランスらしく洗練されたスタイルで提供されています。気軽につまめるので、家族や友人とシェアしながら味わうのにぴったりです。

ワイン文化、食文化、そして科学文化を一度に味わえるエリア──それが、この「Cité du Vin」と「Cap Sciences」、そして「Les Halles de Bacalan」がそろう川辺です。

一日楽しめるエリアなので、ぜひ足を運んでみてくださいね。

施設情報
■施設名：Les Halles de Bacalan
住所：10 Quai de Bacalan, 33300 Bordeaux, France
電話番号：+33 5 64 10 01 20
アクセス：トラムB線「La Cité du Vin」駅から徒歩すぐ
営業時間：火～木 8:00〜14:30／16:30〜22:00、金 8:00〜22:30、土 8:00〜22:30、日 8:00〜16:00（月曜定休）
URL：https://www.halles-de-bacalan.com/