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【スペイン】今月本場バレンシアで開かれる2つのパエリア国際コンクール

田川 敬子

田川 敬子

スペイン特派員

更新日
2025年9月13日
公開日
2025年9月13日
最近知人宅でご馳走になったおいしいパエリア

9月に入りバレンシアではお米の収穫シーズンです。ここパエリアの本場バレンシアでは、今月はパエリアの国際コンクールが2つ開催されます。ここではそれぞれのコンクールと、日本から出場するシェフについてお話したいと思います。

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米どころで開かれる歴史あるコンクール

まず、14日日曜日に開かれるのは、バレンシア市郊外スエカで開かれるバレンシア風パエリア国際コンクールです。スエカはバレンシアから車で30分弱南に行った米どころの町。パエリアが生まれたと言われるのはこの周辺の地域なのです。

世界から集まったシェフたちは、みんな伝統のバレンシア風パエリアを薪で炊いて腕を競い合います。日本ではパエリアと言うと魚介をイメージしますが、バレンシア風はウサギ肉と鶏肉、バレンシアで採れる平たいインゲンや大粒の白インゲン豆を使います。

今年ははじめて五大陸からシェフが集まるのだとか。日本勢も毎年健闘していますが、やはり上位にはスペイン、それもバレンシアが目立ちます。昨年は、日本のパエリアレストランチェーン『ミゲル・フアニ』を監修する、バレンシア郊外ラルクディアのパコ・ロドリゲスシェフが10年ぶり2回目の優勝を果たしました。

パエリア愛に溢れるシェフが出場

今回日本からは大阪・高槻のスパニッシュバル&カフェNEUTRALの檜尾信吾シェフが挑みます。伝統あるコンクールに参加する抱負を尋ねてみたところ、

『やっと掴んだ世界一をかけた戦いへの切符。この大会への挑戦は2020年から始まりました。この5年間、日本予選で敗退し悔しい思いを何度もしましたが、その度にバレンシアへ行き、自分達のpaellaを見つめ直し、磨いてきました。5年かけて準備をしてきたので、恐るものは何もありません。世界一を獲りにスエカへ向かいます』

と日本からスペインへの移動中にコメントをくださいました。頼もしいではないですか!! とにかくパエリア愛に溢れるシェフなので、結果が楽しみです♪

また、今回はスパニッシュバル&カフェ NEUTRALのオーナーの松下篤史さんもパエリアチームの相棒として一緒に優勝を狙います。松下さんは『世界への挑戦権を掴み取るまでに時間がかかりましたが、その分、どこよりも試行錯誤を繰り返して経験値を積み上げてきました! 今は世界に挑戦できることが楽しみで仕方ありません!』とのコメントを寄せてくださいました。お2人のお話を聞くと、期待が高まります。

 

バレンシア風パエリア国際コンクール日本代表の檜尾シェフ

コンクールはスエカ(Sueca)駅を降りてすぐの会場で開かれます(バレンシア北駅から近郊線C1でおよそ30分の距離)。出場者がパエリアを作るところを見学できますし、町もお祭りで盛り上がっているので、ご興味のある方はぜひ日本代表の応援に足を延ばしてみてください。

パエリアの枠の中でオリジナリティが問われるコンクール

もう1つは、『9月20日の世界パエリアの日』に合わせてバレンシア市内で開催されるワールド・パエリア・デイ・カップで、こちらは今年で6回めと新しいイベントです。

長く続くスエカの大会との違いは、出場者は外国人のみということ、そしてそれぞれのシェフがオリジナルレシピで勝負することです。12名のシェフが予選と決勝戦で2種類のオリジナルパエリアを作って、優勝を争います。パエリアという料理の枠からはみ出さない範囲でオリジナリティを出すというのは、かなり難易度が高いのでは。

こちらのコンクールでは日本勢は大健闘していて、一昨年は見事優勝を果たし、昨年は3位に入賞しました。どちらも日本の食材を使いつつ、舌の肥えたスペイン人審査員をもうならせるおいしいパエリアを炊き上げたのです。ちなみにこの昨年3位だったシェフが、最初にご紹介したスエカのコンクールの今年の日本代表檜尾シェフなのですよ!!

どんなパエリアで世界に挑むのかが楽しみ

オリジナリティが求められるこのコンクール、今回日本からは東京・国立にあるスペイン料理店Casa Sekiの関謙太シェフが挑みます。 インスタを見るとおいしそうなパエリアの写真がありますね! 関シェフにも抱負を聞いてみました。

『研修プログラムではパエリアの伝統や歴史などが学べるそうなので正しく理解し、日本に持ち帰り、伝えていきたいです。大会はここ2年日本のチームが良い結果が出ているので私たちも優勝目指して頑張ります』

とのことでした。本場のパエリアを日本で伝えてもらえるなんて、パエリアにはうるさいバレンシアっ子も大喜び間違いありません。コンクールでどんなパエリアを披露してくれるのでしょうね。

 

 

ワールド・パエリア・デイ・カップ日本代表の関シェフ

こちらのコンクールも、パエリア調理中のシェフに近寄ったりはできませんが会場はオープンスペースなので(バレンシア港のTinglado 2で10:00スタート予定)、ぜひ日本代表の応援に足をお運びください。

檜尾シェフと関シェフは、おいしいパエリアやバレンシアのパエリア文化、そしてパエリアの魅力を日本に伝えるPaellaMania – NPO法人 全日本パエリア連盟が主催する国際パエリアコンクール日本代表選考大会で選ばれた腕自慢のパエジェロ(スペイン語でパエリア職人の意味)。ぜひともがんばっていい成績をおさめてほしいですね!!

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