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温泉は好きですか? 期待通りの声が聞こえてきそうですが、私も温泉が大好きで特に源泉かけ流しが大好物。関西にもマニア垂涎の源泉かけ流しスポットがありますが、本日は足を延ばして温泉大国九州は雲仙温泉をご紹介します。なかでも開湯1300年を誇る地獄地帯から湧き出る硫黄泉を存分に堪能できる青雲荘がいちおしです。
島原半島のほぼ中心にあり、標高700mの山あいに広がる雲仙温泉。開湯1300年以上前と伝わる歴史ある温泉地で、明治から昭和初期には外国人の避暑地として栄え、1934年には日本で最初の国立公園に指定されました。温泉街や足元などから白い水蒸気が噴き上がる「雲仙地獄」に近づくと、硫黄の香りに包まれ、地球の神秘的な営みを肌で感じることができます。
雲仙はかつて「温泉山」と書いて「うんぜんさん」と読み、山の神が住むといわれる信仰対象の山であり、数多くのキリスト信者が殉教した場所としても有名です。信仰を持っているわけではありませんが、訪れるたびに『沈黙』(遠藤周作著)に描かれるシーンを思い出し、心の中でそっと手を合わせたくなります。
硫黄泉は殺菌作用が高いため、皮膚病や美肌に効果があるといわれ、生活感満載の共同浴場をはじめホテル・旅館などで楽しむことができますが、私のおすすめは青雲荘です。青雲荘は昭和34年7月に「雲仙ユースホステル」として創業し、国民宿舎を経て、2021年8月に発生した自然災害から全面的な復旧・改装工事を行い2022年にリニューアルしました。
小地獄温泉館は、青雲荘から徒歩約5分ほどの距離にある外湯です。1731年(享保16年)に湯治場として開かれ、幕末の偉人、吉田松陰も湯治に訪れたという秘湯です。浴室や外観は真っ黒に変色していますが、老朽化ではなくすべて温泉成分による変色のため。入浴する前から温泉パワーを感じさせます。
当然ですが、源泉かけ流し。温泉館の裏には、雲仙地獄より小さな「小地獄」があり、ここから湧き出た湯を40度~50度にして大浴場へ入れています。なので驚くほど熱いです。温度の違う浴槽があるので少しずつ体を慣らして温泉を楽しんでみてください。乳白色の硫黄泉が身も心も解きほぐしてくれますよ。
上述した小地獄温泉館は、国内外から観光客が集まる秘湯なので入浴客が多いです。雲仙温泉を訪れたら絶対に入りたいところですが、どうしても混雑が苦手という方はご安心を。青雲荘本館には同じ源泉が楽しめる露天風呂と大浴場があります。
私も当初は小地獄温泉の雰囲気に魅せられましたが、最近は子供連れということもあり本館を利用しています。リニューアルされより近代的な設備になり、比較的利用客が少なくのんびり利用できるのが魅力です。年末に利用することが多いのですが、ここ数年はほぼ貸し切り状態で開放的な露天風呂を楽しんでいます! 包まれた安心感を感じたい方は大浴場がおすすめです。露天風呂の利用料込みなのでハシゴしても◎。
■青雲荘(日帰り温泉)
住所:長崎県雲仙市小浜町雲仙500-1
電話番号:0957-73-3273
アクセス:福岡市内・太宰府ICから車で約2時間20分
営業時間:11:00~18:00
料金:大人880円 / 小学生以下440円 / 3歳以下無料
備品:タオル・バスタオル/ 各1枚200円
URL:https://www.seiunso.jp/
■小地獄温泉館
営業時間:5月~10月/9:30~20:00、11月~4月/9:30~19:00
料金:大人500円/小学生以下250円/3歳以下無料 ※青雲荘ご利用の方は青雲荘フロントにて半額券を販売
定休日:毎週水曜日 ※水曜日が祝際日の場合は営業
今回の「乙な京都™」はいかがだったでしょうか。雲仙温泉も素晴らしいのですが、ほかにも島原半島西側に位置する小浜温泉や半島の東側に位置する島原温泉は雲仙温泉と泉質が異なり、独自の魅力があります。特に島原温泉は飲泉所(飲む温泉)が点在する上に、市街のいたる所から湧き出る名水百選選ばれた銘水も各所で味わえます。