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【ドイツ】ワイン醸造家・浅野秀樹さんが造るドイツワイン639(Nierstein)

ヘニングウェイ

ヘニングウェイ

ドイツ特派員

更新日
2025年9月20日
公開日
2025年9月21日

ドイツワインを生産する地域はドイツに13か所、その中のラインヘッセン(Rheinhessen)地方で長年ドイツワインを造っているワイン醸造家、浅野秀樹さんのワインテイスティングショップ(ドイツ語でVinothek・ヴィノテーク、以下同意にて表記)に訪れ、浅野さんの639ワインについておうかがいし、ワインテイスティングもさせていただきました。

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ドイツの日本人ワイン醸造家、浅野秀樹さんと639(ROKU SAN-Q)ワイン

ドイツ・ニアシュタイン(Nierstein)に根を下ろして24年。浅野さんがドイツに来たのは2001年、ひょんなことがきっかけでこの地にご縁があったそうです。その後、ドイツワインインターン生として隣町のオッペンハイム(Oppenheim)ワイン醸造学校に通うことになります。数年後にワイン醸造学校を卒業し、2005年に浅野さんのワイン醸造家としての独立が決まります。

翌年2006年には、浅野さんがNiersteinで造るワインに639(ROKU SAN-Qという名前が付き、639ワインの誕生となりました。

浅野さんのワイン造りのモットーは「自然と調和するものづくりを目指して」。

このブランド名、639の名前の由来は幾つか諸説あり、謎めいています。是非ワインショップに訪れた際に浅野さんに直接質問をしてみてください。

Niersteinの単一畑Hippingから造られた639でもワンランク上のシリーズ、Goldラベル&Blackラベル

浅野さんの造る639ワインシリーズとサッカーチームとのコラボワイン

記念すべき639ワインのラインアップ第一号として誕生したのは、オレンジ色ラベルが鮮やかな甘口の味わいのOrangeラベル。初回生産時は250リットルのワインを生産したそうです。※こちらのワインは既に完売しており、再登場の予定は未定

 

次に639ワインのラインナップに登場したのは、中辛口のBlackラベル(上記写真参照)。こちらのワインは、Niersteinの畑の中でも単一畑ヒッピング(Hipping)のみで採れたブドウのみを使用したワンランク上のワインです。ANA国際線のファースト・ビジネスクラスの機内で提供されたり、日本のワイン業界で活躍する女性たちが選ぶ「SAKURA Japan Women’s Wine Awards 2020」で最高賞のダイヤモンドトロフィーの受賞経歴もある、その味に確かな裏付けのある上質なワインです。

受賞時に贈呈された639の名前が印字された記念品プレート

爽やかな酸味が楽しめる辛口のGreenラベルは2015年に誕生。親しみやすい軽やかな酸味が和食に大変合うことから、ドイツの日本食レストランで多く提供されています。ページ下部に639ワインを味わえるドイツ国内日本食レストラン情報をまとめました。是非そちらも併せてご覧ください。

また同年2015年には、その年のぶどうの環境が揃った時だけにしか造られない完熟リースリングのみから造られるGoldラベルもラインナップに仲間入り(上部写真参照)。こちらも単一畑のブドウ畑から造られたワンランク上のワインで、現在Vinothekまたはオンラインサイトで入手可能(現在は2023年のヴィンテージのもの)。※オンラインサイトの注文について、日本宛の国際配送を行っていないそうなのでご注意ください。

2020年の東京オリンピック開催に向けて、ドイツスパークリングワイン、Sektもラインナップへ加わりました。手摘み・シャンパーニュ方式で瓶内二次発酵の熟成に36ヶ月もの期間を要した丹精こめて造られたゼクト、口に含んだ時の泡の繊細さと弾けるフレッシュなリースリングのフルーティな味わいがくせになり、何杯も飲みたくなってしまうチャーミングさも併せ持っている印象です。(2022年ヴィンテージは18か月熟成)

また近年では話題性のあるコラボレーションワインも誕生しています。2024年には、Mainz 6部リーグのサッカーチーム、バサラマインツ(Basara Mainz)の岡崎慎司監督から提案を持ち掛けられ、醸造・販売に至った「FCBM CLUB SERIES RESERVE 23´」のワインも登場しています。(ヴィンテージは2023年)

バサラマインツの試合を観戦時、試合会場で購入したワインに岡崎慎司監督の直筆サインいただきました

浅野さんとNiersteinで歴史あるSTRUBワイナリーとの関わり

STRUBと書かれたVinothekは浅野さんの639ワインのVinothekでもあります。STRUBワイナリーはこのNiersteinの地で1710年からワインを造り続けてきた歴史あるワイナリー。こちらで浅野さんはStrub家に学び、共に協力し働きながら、まるで家族のように良好な関係を築き上げてきたため、2つのワイナリーが1つのVinothekの名のもとに試飲ができる特別な場所となっています。現在Strub家13代目の醸造責任者、Sebastianさんが学生の頃から、浅野さんは成長を見守ってきたそうです。

Strub家のワインと浅野さんが造る639ワインの長い繋がりを示す印のひとつとして、639のワインキャップにサソリが描かれています。実はこのサソリのマーク、Strub家の家紋のマークなのだとか。そのため、Strub家のワインのワインキャップも同じものが使われています。

ボトルキャップに描かれたサソリのマーク

フランクフルトに訪れたらちょっと足を伸ばしてNiersteinへ

浅野さんのワイン畑があるニアシュタイン(Nierstein)というワイン町は、ローターハング(Roter Hang「赤い斜面」と呼ばれる個性的な土壌で育つワインが特徴的で、この土壌はなんと2億8千万年前に形成された土壌なのだとか。この土壌からとても高品質なリースリングのワインが造られるそうです。

©︎Vinothekに展示されているRoter Hangの実際の土壌の一部

ワイン畑はVinothekから歩いて10分以内の場所に位置するため、ワインをテイスティングさせてもらってから散歩がてらでも行ける好立地です。

私たちが訪れた日は少し小雨が降った午後でしたが、雨が上がった後になんとも美しい虹が現れ、ライン川を臨むワイン畑からの景色は忘れられない光景でした。ワインショップに訪れた方は、同時に是非ワイン畑にも足を伸ばしてみてください。

2025年8月末・Niersteinのワイン畑とライン川にかかる大きな虹

なおワイナリーでの試飲を希望する方は、事前にホームページまたはInstagramアカウントからお問い合わせいただくのが確実、とのことですのでこの点をご留意ください

また浅野さんが同行のワイン畑ガイドツアーは別途予約が必要なため、こちらもホームページまたはSNSアカウントから事前にお問い合わせください、とのこと。

毎年9月には、実際にNiersteinのワイン畑で浅野さんやスタッフさん達の指導のもと、ワイン用ブドウの収穫体験&ワイナリーツアーがセットになったイベントも開催。
2025年は9月の2回の週末にかけて、どちらも満員御礼!このイベントではその年によって、運が良ければドイツの採れたてブドウ果汁から造られる微発砲のほろ甘い新酒、フェーダーヴァイサー(Federweißer)がこの収穫イベントで味わえる可能性もあるのだとか。気になる方は来年の開催に向けて、こまめにInstagramなどの情報を確認してくださいね。また639での収穫イベントの雰囲気や畑、ぶどうなどのことが分かるYoutubeチャンネル(639 Discovery https://www.youtube.com/@wine639)も、最近更新されたようなので要チェックです。

ホームページ |https://www.hide-wine.de/

Instagramアカウント|https://www.instagram.com/wine.639/

浅野さんのワインテイスティングができるワインショップ

お店名:Vinothek STRUB

住所:Rheinstrasse 25, 55283 Nierstein

最後に、639ワインがドイツの都市部で和食と共に味わえるレストランを一部ご紹介します。旅行の都合上、Niersteinまで行く余裕がない方は、旅先でおいしい日本食と一緒に639ワインを味わってみてはいかがでしょうか。

【Frankfurtエリア】

【Mainzエリア】

【Düsseldorf エリア】

【Berlinエリア】

 

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