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【スペイン】古代ローマが起源? 冷たいアーモンドスープ‟マサモラ”

田川 敬子

田川 敬子

スペイン特派員

更新日
2025年9月24日
公開日
2025年9月24日
<メニューにはマサモラとあったものの、さらりとしてアホ・ブランコに似ていました>
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コロンブスがアメリカ大陸に行く前は、ヨーロッパにはじゃがいももトマトもありませんでした。じゃがいもとトマトはスペインオムレツやガスパチョなど現代のスペインでは日常的によく食べる食材ですが、当時はどんなものを食べていたのでしょうね。

スペイン南部のコルドバ周辺では、コロンブス以前の時代から食べられている料理があります。それは“マサモラ”で、その起源は古代ローマに遡ると言われています。

ただ、コルドバでもマサモラを出す飲食店はそんなに多くはありません。私は運よく最近コルドバで2度ほど食べる機会がありましたので、皆さまにもご紹介したいと思います。

マサモラを簡単に言うと、アホ・ブランコという白いアーモンドスープをより濃厚にした感じです。ガスパチョ(冷たいトマトスープ)とサルモレホ(ガスパチョを濃厚にしたような料理)の間柄ような・・・。

4~5世紀に書かれた古代ローマ料理の本にもレシピが登場していて、パンとオリーブオイル、酢、ニンニクをすり潰して塩やハーブで味付けした料理と書かれているのだとか。現在のマサモラは、これに生アーモンドを加えたゆるめのペースト状の冷製料理です。

<もったりとした食感だったマサモラ。鱈とリンゴ、ハーブと珍しいトッピングでした>

日本のスペイン料理店でマサモラを出すところはなかなかないと思います。もしかしたらないかもしれません、と言うほどマイナーな料理です。私の住むバレンシア地方で“マサモラ”と言っても、地元の人は知らないでしょう。

でも、作り方はとても簡単なので、お家で作ってみませんか? レシピは次の通りです。

材料(4人分)
・生アーモンド:100g
・固くなったパン(水に浸して柔らかくする):200g
・塩:適量
・酢:少量
・ニンニク:ひとかけ
・エキストラバージンオリーブオイル:150ml
・水:適量
・トッピング用ゆで卵:2個
・トッピング用ブラックオリーブ:適量

作り方
1.アーモンド、水に浸したパン、塩、酢、ニンニクをミキサーでペースト状にします(塩と酢は少なめにして、味を見ながら足していくといいかと)。
2.オリーブオイルを少しずつ加えながらミキサーをかけます。
3.水を加えて、ミキサーでなめらかなクリーム状にします。
4.器に盛って、ゆで卵とブラックオリーブを飾ってできあがり!

ブレンダーでもOKで、トッピングにはほかにクルトンも合います。また、食べる前においしいエキストラバージンオリーブオイルをまわしかけるとより味わい深くなります。

冷製なので夏向きの食べ物ですが、まだ暑い日もあると思いますのでぜひ試してみてください。

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