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鉄道を好きな方なら「新津(にいつ)」という名を必ず知っているのではないでしょうか。
新潟市秋葉区にある新津地区は信越本線、羽越本線、磐越西線が交わる鉄道の要衝であり、鉄道の車両製作所がある「鉄道のまち」として古くから有名な土地です。その新津を歩いてみました。
最初に訪れたのは「新潟市新津鉄道資料館」です。ここは国内の鉄道ファンにとっての“聖地”で、最近はインバウンドの外国人旅行客も訪れるそうですから楽しみです。南側の入口から入るとE4系新幹線に485系特急電車など5両の鉄道車両が目に飛び込んできます。「もっと近くで見たい!」はやる気持ちを抑えて、まずは常設展示から―。新津駅は北越鉄道(現信越本線)の駅として1897(明治30)年に誕生し、今年で128年となる新潟県内でも歴史ある駅ということを知りました。
ホーロー製の駅名表示板、列車の側面に付けられる出発地や行き先を記した表示板(サボというそうです)、昭和の券売機、東京への行き来に利用した特急「とき」のヘッドマークなど…。昭和生まれのオジサンは「あった。あった」「うわー、なつかしい!」と声をあげ続けていました。若い人には新鮮に映ること請け合いです。またHOゲージの鉄道模型もあり、子どもたちが目を輝かせて見入っていました。
また、今はなくなってしまった新潟県内の私鉄に関する展示や、めったに目にすることのできない作業車両なども必見です。
電車の運転士気分を1回100円で味わえるのが「運転シミュレータ」です。今年3月にリニューアルして、信越本線や磐越西線など県内5路線の運転席から撮影した映像が自分の操縦に合わせて流れます。実際にやってみましたが途中で止まってしまったり、駅では停車位置に停められなかったりと失敗ばかり(汗)。でも子どものころ夢見た電車の運転士になったようで楽しく、休日は順番待ちの列ができるのがうなずけます。
さて屋外の実物車両展示場に行きます。まずは北側の200系新幹線とC57形蒸気機関車から見ていきます。200系新幹線は東北・上越新幹線の初代の車両、丸い鼻が特徴です。スカートに「スノープラウ」という雪かき装置がある雪国仕様です。在来線の「特急とき」で片道5時間近くかかった東京まで、2時間少しという速さに驚かされたものです。
お次は蒸気機関車の「C57(シゴナナ)」という愛称は「D51(デゴイチ)」と並んで有名ではないでしょうか。ボイラーが細く優美に見えるので「貴婦人」とも呼ばれています。新津駅と会津若松(福島県)間を走る「SLばんえつ物語」もC57がけん引しています。展示してあるC57 19号機は常時、運転席に入ることができます。
次は南側に行きます。まずは「北越」「いなほ」などの名で活躍した485系特急形電車の先頭車両です。クリーム色に赤いラインはいわゆる「国鉄色」です。その名が示す通り、JRになる前の「日本国有鉄道」時代のカラーリングがなつかしい。そのお隣は冬の新潟にはなくてはならないロータリー式除雪車「DD14形ディーゼル機関車」、鉄路を確保し続けてくれた除雪車に「ご苦労様でした!」と声をかけました。
隣にあるちょっとかわいい車両は「GA-100新幹線確認車」。新幹線の線路の確認をする重要な車両です。そして飲み会の行き帰りにお世話になった115系近郊形電車。こちらは「なつかしい」ではなく「ひさしぶり!」という感じです。そして2021(令和3)年まで活躍した二階建ての「E4系新幹線」です。新潟県民には「Maxとき」の愛称で親しまれた車両です。「出張で眠いときは1階を選んだなあ…」と会社員時代を思い出してしみじみ…。
資料館の方によると展示してある実物車両は、除雪車と新幹線確認車以外は第2、4土曜日に一両ずつ公開しているそうです。これは年間パスポートを買う価値はアリですね。
昭和世代にはなつかしく、今の世代には新しいものに出会える新津鉄道資料館へぜひお越しください。次は鉄道のお宝があちこちにある「にいつ鉄道商店街」へ向かいます。
新潟市新津鉄道資料館
住所:新潟市秋葉区新津東町2-5-6
電話番号:0250-24-5700
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
定休日:毎週火曜日、12月28日~1月3日
料金:一般390円、高・大学生260円、小中学生130円
※小中学生は土日祝無料
電車運転シミュレータ1回100円
ミニSL乗車料金(4月~10月の土日祝のみ)130円
年間パスポート:一般1300円、高校生910円