雪雲

雪雲

新潟特派員

更新日
2025年10月3日
公開日
2025年10月4日

さて「新潟市新津鉄道資料館」から車で5分少し、JR新津駅の東側の商店街へ向かいます。もともとは「新津中央商店街」というありふれた名前でしたが、現在は「にいつ鉄道商店街」というユニークな名です。

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鉄道を生かしたまちづくり

信越線、磐越西線、羽越線が交わる鉄道の要衝で、かつては新津機関区(現新津運輸区)や新潟鉄道学園、国鉄新津工場(現総合車両製作所)があり、「新津市民の4人に一人は国鉄関係者」と言われるほどだった新津。しかし1982(昭和57)年の上越新幹線開業、国鉄の分割民営化などで、鉄道マンでにぎわっていた商店街も次第にさびしくなっていきました。そこで商店街では「鉄道をテーマにしたまちづくり」を始めたそうです。

商店街を歩いてみます。あちこちのシャッターに鉄道車両が描かれ、よくみると「まちなか鉄道資料館」という看板があり、車両の名称と一緒に歴史も書いてあります。また、本物の「C57型蒸気機関車」の動輪に、これまた本物の踏切警報器。よく見るとアーケードの柱もクリーム色と赤の「国鉄色」です。

©︎雪雲 突然現れる踏切警報器にびっくり
©︎雪雲 アーケードの柱は「国鉄色」に塗られている
©︎雪雲 C57の動輪は迫力満点の大きさ
©︎雪雲 シャッターに描かれた鉄道車両

老舗着物店でおみやげはいかが?

そのまま歩くとお店のショーウインドーに「SLばんえつ物語」と書いてある蒸気機関車の先頭に掲げるヘッドマークや「C57 181」というプレート、さらにはいろいろな鉄道関連の用品が並んでいます。看板を見ると「きもの処 むらき」―着物屋さんのようです。お店に入ってショーウインドーのことをたずねると「この商店街全体が、鉄道資料館の“分館”なんです」と店主の村木政寛さん。なるほどほかのお店を見ても鉄道関連の展示がありました。

©︎雪雲 SL「ばんえつ物語」のヘッドマークとC57の銘板など
©︎雪雲 時計店のウインドーには、国鉄がJRに変わる際の記念時計と、「鉄道の街新津オリジナル時計」
©︎雪雲 ポイントを切り替えるときに使われた「転てつ標識」

村木さんのお店にはタオルや手ぬぐいなど、新津をアピールした商品があるので記念に買うのもおすすめです。また今年7月、新津駅開設128年、羽越線開業100年などを記念して、「ばんえつ物語号」やチューリップ、稲穂など「新津」ゆかりのものをモチーフにした甲州印傳(こうしゅういんでん)の小銭入れやポーチなどの販売も始めたので、こちらも注目ですね。

©︎雪雲 「きもの処 むらき」オリジナルの「新津タオル」
©︎雪雲 新津のモチーフがそろった「甲州印傳(いんでん)」

「駄菓子の駅」は昭和色たっぷり

先へ進むと「にいつ駄菓子の駅」と書かれた鉄道の駅風の看板を発見。路地のような入り口には、昭和の駅にあった「○号車 指定席」みたいなブリキの表示板が下がっていてワクワク感が高まります。お店はまさに「昭和」そのもの!小さなころに買ったあのお菓子やこのおもちゃが店内にあふれています。大人買いをしたくなるのは私だけではないはず(笑)。

©︎雪雲 「にいつ駄菓子の駅」入口は“鉄分”がかなり濃い
昭和の駅のホームに下がっていた入口案内風の看板が並ぶ
©︎雪雲 駄菓子やおもちゃが所せましと置かれて、見ているだけでも楽しい
©︎雪雲 店内には昭和の子ども部屋も再現されている

国鉄マンも腹を満たした?豪快ラーメン

商店街の展示を楽しく見ていたらお腹がすいたので知人に勧められた「大将ラーメン」へ、名物の「大将スタミナみそラーメン(1210円 税込み)」を注文。待つこと数分「お待ちどうさま!」の声とともに運ばれてきたのは、5個のから揚げが金属の“ざる”に乗っているユニークなどんぶりに入った熱々のラーメン。から揚げは新潟県民にはおなじみのカレー味です。普通盛りですが野菜も入っていてかなりの量があります。

©︎雪雲 半世紀以上営業してきた「大将ラーメン」
©︎雪雲 5つのから揚げが迫力の「大将みそ野菜ラーメン」

まずはラーメンを一口、みそのコクとたっぷり野菜が相まって深い味です。から揚げも外はパリッとして中はジューシーでうまい!そのまま食べるのもよし、ラーメンに入れて味変も楽しめます。2代目店主の山口恵子さんによると、お店は55年前に山口さんのお父様が開業されたとのこと。そのころは鉄道マンが大勢いて、この大将ラーメンでお腹を満たしたかもしれませんね。

有名な「新津みやげ」はやさしい味わい

お腹もいっぱいになったので、おみやげに「三色団子」を製造・販売している「御菓子司 羽入」へ。「団子」というと串に刺さったものを想像するかもしれませんが、三色団子は駅弁を思わせる箱の中に団子が24粒ぎっしり詰まっており、こしあん、白あん、ごまがその上を覆っているのが特徴です。

 

©︎雪雲 やさしい味わいの新津名物「三色団子」

ひとつ756円(税込み)というリーズナブルさもうれしいです。三色団子の歴史は長く、1916(大正5)年の創業からだそうです。作り方も当時から変わらず、新潟県産の米を使用し、毎日石うすでついて作っているそうです。

©︎雪雲 長い歴史を持つ「御菓子司 羽入」

家に帰ってほおばると、あんこはさわやかな甘さで、もちも歯切れがよく、数十年ぶりに食べましたが父や祖母がおみやげに買ってきて、家族みんなで食べたことのことを思い出しました。幼いころの味がそのまま残っているのはすごくうれしいことです。
「にいつ鉄道商店街」は“鉄分”が濃く、懐かしい香りがいっぱいのすてきな商店街でした。

「御菓子司 羽入」の店頭も“鉄分”たっぷり

10月11日(土)は新津の街が鉄道一色に!

耳寄りなお知らせです。2025年10月11日(土)に「新津まるごと鉄道フェスタ」が開催されます。当日は新津鉄道資料館で「E200系」「E4系」新幹線の実物車両見学会、新津乗務室(旧新津機関区)での「SLばんえつものがたり号」の転車台展示や鉄道グッズ販売、新津駅ホームでは「ばんえつものがたり号」客車内での飲食、鉄道古物販売(整理券配布午前9時~)、駅東口広場ではミニSL運行、「しごななやき」販売があります。そして、普段は入ることのできない「新津総合車両製作所」で、首都圏を走る電車車両製作を見学できます。各会場は無料シャトルバスで行き来できますので、この機会に新津を訪れてみてはいかがでしょう。詳しくは新津観光協会のHPでご確認ください。

■にいつ鉄道商店街
ホームページ:https://www.niitsu.info/

■むらき呉服店

住所:新潟市秋葉区新津本町3-7-39

電話番号:0250-22-0098

時間:10:00~18:30

定休日:不定休

ホームページ: https://muraki-kimono.com/

■にいつ駄菓子の駅

住所:新潟市秋葉区新津本町3-7-38

電話番号:0250-27-3151

時間:10:00~18:00

営業日:土日祝のみ営業

インスタグラム: https://www.instagram.com/dagashinoeki/?hl=ja

■大将ラーメン

住所:新潟市秋葉区新津本町2-1-16

電話:0250-24-6197

時間:11:30~14:30、18:00~24:00(スープなくなり次第終了)

定休日:火・水

URL:https://www.niitsu.info/taisyou/

■御菓子司 羽入

住所:新潟市秋葉区新津本町1-6-30

時間;9:00~18;00

定休日:日曜日
ホームページ:https://okashi-hanyu.com/

■新津観光協会

ホームページ: https://n-kankou.com/

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