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【東京都】東京都庭園美術館 白金台に花開く本物のアール・デコ

HIROMI

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東京特派員

更新日
2025年10月22日
公開日
2025年10月22日

朝香宮家は、久邇宮朝彦親王の第8王子・鳩彦王によって1906年に創設されました。1922年、鳩彦王は陸軍大学校勤務のかたわら、軍事研究のためフランスに留学します。しかし滞在中に交通事故に遭い、看護のため允子も渡欧。夫妻は1925年までフランスに長期滞在し、その間にアール・デコの華やかな美術や建築に触れ、大きな影響を受けました。

帰国後、その理想を形にするべく計画されたのが、白金台の地に建てられた「朝香宮邸」、現在の東京都庭園美術館です。

 

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庭園美術館の歴史

朝香宮家は、久邇宮朝彦親王の第8王子・鳩彦王によって1906年に創設されました。1922年、鳩彦王は陸軍大学校勤務のかたわら、軍事研究のためフランスに留学します。しかし滞在中に交通事故に遭い、看護のため允子も渡欧。夫妻は1925年までフランスに長期滞在し、その間にアール・デコの華やかな美術や建築に触れ、大きな影響を受けました。

帰国後、その理想を形にするべく計画されたのが、白金台の地に建てられた「朝香宮邸」、現在の東京都庭園美術館です。

東京都庭園美術館本館の正面外観

夫妻はフランスで得た感動をもとに自邸を建設。設計は宮内省内匠寮が担当し、工務課長の北村耕造のもと、洋行帰りの権藤要吉技師が基本設計を行いました。主要7室の内装はフランス人装飾美術家アンリ・ラパンが手がけ、ルネ・ラリックは玄関のガラスレリーフ扉やシャンデリアを制作。イヴァン・ブランショ、マックス・アングラン、レイモン・シュブらもレリーフやエッチンググラス、鉄工装飾で参加し、日本とフランスの技と美が見事に融合したアール・デコ空間となっています。

玄関のガラスレリーフ扉は「光の門」として来訪者を迎え、内匠寮が手掛けた床の大理石モザイクとともに日仏の美を象徴しています。

2015年にはその意匠の高さが評価され、本館は国の重要文化財に指定されています。現在の東京都庭園美術館に足を踏み入れれば、夫妻がパリで抱いた感動と憧れを、建物の隅々で感じることができるでしょう。

 

庭園 和洋折衷の美しさ

東京都庭園美術館の庭園は、日本庭園西洋庭園そして芝庭が絶妙に組み合わさり、四季折々の景色が楽しめます。春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が鮮やかに色づき、散策しながら季節の移ろいを感じられます。

池や築山、流れる水の音が加わる日本庭園エリアは、東京都心とは思えない静けさを湛えています。一方で西洋庭園 芝庭は、幾何学的に整えられた芝生や植栽が洋館の美しい外観を引き立て、ふたつの異なる雰囲気を楽しめます。

庭園の小道を歩くたびに、建物のさまざまな角度や細かな装飾が見えてくるのも魅力のひとつ。建築と庭園が一体となった空間をゆったり散策すれば、80年以上前にパリで芽生えた夫妻の感動と憧れを、今も体感できることでしょう。

永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペル展 ― ハイジュエリーが語るアール・デコ

2025年9月27日(土)から2026年1月18日(日)まで、ヴァン クリーフ&アーペルのハイジュエリーを通じてアール・デコの魅力をひもとく展覧会「永遠なる瞬間 ― ハイジュエリーが語るアール・デコ」が開催されます。

 

本展では、ヴァン クリーフ&アーペルのアーカイブから、ジュエリーや時計、工芸品およそ250点に加え、デザイン画や資料など約60点を展示。

舞台となる旧朝香宮邸自体が、日本における代表的なアール・デコ建築であるため、建物と作品が響き合う特別な空間を体感できます。

 

展示では、《絡み合う花々、赤と白のローズ ブレスレット》(1924年)、《カメリア ミノディエール》(1938年)、革新的な《シャンティイ ジップ ネックレス》(1952年)など、時代を彩った名品が並びます。

展覧会の見どころは、アール・デコ黄金期のジュエリーと、それを現代まで受け継ぐメゾンの創造力を間近に感じられることです。宝石細工やエナメル技法など、職人の高度な技術「サヴォアフェール(匠の技)」も紹介され、旧朝香宮邸のアール・デコ建築空間で作品を楽しめる特別な体験ができます。

 

さらに館内には、カフェ「Café TEIEN」とレストラン「comodo」があり、展示鑑賞や庭園散策の合間にゆったりと過ごせます。カフェでは季節のスイーツやドリンクを楽しみながら庭園の景色を眺めることができ、落ち着いた空間でひと息つけます。レストランでは、イタリアン・フレンチメニューを楽しむことができ、展示や庭園の余韻に浸りながらランチやディナーを堪能できます。

展覧会の開催は2025年9月27日(土)から2026年1月18日(日)までで、会場は東京都庭園美術館(港区白金台5-21-9)。開館時間は10:00〜18:00(入館は閉館の30分前)

11月21日(金)、22日(土)、28日(金)、29日(土)、12月5日(金)、6日(土)は夜間開館のため20:00まで開館(特定日夜間開館あり)、休館日は月曜(祝日の場合は翌日)と年末年始です。観覧料は一般1,400円、大学生1,120円、高校生・65歳以上700円、中学生以下は無料で、日時指定のチケット購入が必要です。

会期:2025年9月27日(土)〜2026年1月18日(日)

会場:東京都庭園美術館(港区白金台5-21-9休館日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始

https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/250927-260118_timeless-art-deco/

アール・デコ建築の粋と、ヴァン クリーフ&アーペルが生み出したハイジュエリーの名品が出会う、またとない機会。建築と芸術が一体となった特別な時間を楽しめそうです。

東京都庭園美術館には、アール・デコ建築と美しい庭園を眺めながら、ゆったりとしたひとときを過ごせるカフェとレストランがあります。展示鑑賞の合間や散策後に、心地よい空間でリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

 

カフェ「 Café TEIEN

館内新館のショップに併設されたカフェ「Café TEIEN」では、カフェメニューやドリンクを楽しめます。シンプルで落ち着いた店内は、展示鑑賞の余韻に浸るのにぴったりの空間です。
https://teien-restaurant.com/home/cafe/

レストラン「comodo

上質なフレンチとイタリアンを味わえるレストラン「comodo」。窓の外に広がる庭園の景色を眺めながら、料理をお楽しみいただけます。特別展開催中の金曜日は20 21時まで営業しており、ディナータイムもご利用いただけます。こちらは予約をお勧めします。

https://teien-restaurant.com/home/comodo/

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