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冬になるとフランスのお店に並び出すのがモンドール。エピセアという針葉樹で作られた丸い木箱に入ったチーズです。モンドールが出てくると、いよいよ今年も後半かという気持ちになります。この時期にしか食べられないモンドールの魅力について、ご紹介します。
フランスには多様なチーズがありますが、いずれの種類も産地と製造方法が厳密に定めれられています。例えば、モンドールの場合は、フランス東部ブルゴーニュ・フランシュコンテ圏ドゥー県に位置する標高700メートル以上の指定村落で作られます。
「モンドール」という名前の由来は、ドゥー県にある同名の山から。ドゥー県はスイスと国境を接していますが、モンドールはその国境にあります。モンドールの原材料は牛乳。エピセアの樹皮で巻いた後に、エピセアの棚で定期的に反転させながら熟成させ、塩水で洗った後にエピセアの木箱に入れる、ウォッシュタイプのチーズです。
製造期間は8月15日から翌年3月15日、販売期間は9月10日〜翌年5月10日と決められています。味は濃厚で牛乳の風味に木の香りが加わった山の雰囲気。比較的クセは強くないため、フランスのチーズに慣れていない人でも食べやすいです。
モンドールの味をもっとも堪能できる食べ方は、そのままスプーンですくって食べる方法。チーズはワインと同じく、生産者によって味は少しずつ変わりますから、チーズ本来の美味しさを堪能できます。
フランスで食べる場合には、パン屋でバゲットなどを購入してチーズに添えるとなお良いです。お酒が好きな人なら、モンドールに合うワインを買っても良いですね。
少しアレンジしたいという場合は、オーブンで焼くという方法もあります。モンドールの木箱が焦げないようにアルミホイルで巻いておき、チーズ表面に軽く穴を開けて、好みで白ワインなどを少量加えてからオーブンに入れます。そうすると、中身がさらに溶けてモンドールのチーズフォンデュを楽しむことができます。
モンドールの時期になると、フランスではスーパーマーケットやチーズ屋など至る所でモンドールが並びます。
スーパーマーケットはお値打ちな価格帯のものが多いですし、チーズ屋は専門店だけにスーパーマーケットに並ぶ大量生産品と比べれば値は張りますが、質が高いものが揃っています。そのまま食べて、モンドール本来の美味しさを楽しみたいのであれば、チーズ屋で少し高いものを選んでも良いですし、オーブンでチーズフォンデュ風にしたいようであれば、お値打ちなもので良いかもしれません。
その時の気分と用途に合わせて選んでみてください。