2025.7.21
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大阪府八尾市に所在する陸上自衛隊八尾駐屯地には、中部方面航空隊や第3飛行隊などが駐屯し、ヘリコプターによる災害派遣や人員・物資輸送といった重要な任務を担っています。
普段は一般立ち入りができないこの駐屯地で、年に一度の一般公開イベント「AIR FESTA YAO2025」が開催されました。
今年は八尾駐屯地創立71周年、中部方面航空隊創隊63周年にあたり、会場には多くの来場者が訪れ、航空部隊の活動を間近で感じられる一日となりました。
式典は、中部方面航空隊長兼八尾駐屯地司令が搭乗したUH-2多用途ヘリコプターの着陸で幕を開けました。
ローター音が響く中、司令が機体を降り立つと、会場の空気は一気に引き締まります。
続いて国旗入場、開会宣言、祝辞、第3音楽隊による演奏と国歌斉唱が行われ、厳粛な雰囲気の中で式典が進行しました。
観閲飛行では、UH-2、UH-1J、OH-1、AH-1S、CH-47など、11機のヘリコプターが編隊を組み、一斉に離陸。轟音とともに空へ舞い上がる姿に、来場者の視線が一斉に空へ向けられました。
帰着もアナウンスどおり正確な時間で実施され、寸分の乱れもない隊列から、航空部隊の高い精度と練度が感じられます。
続いて行われたのは、災害対処訓練の展示です。
UH-1やUH-2による要救助者の収容・移送、CH-47による車両輸送、OH-1の偵察飛行など、実際の災害派遣を想定した訓練が次々と展開されました。
一連の展示を通じて、平時から国民の安全と有事への備えが着実に行われていることを実感させられます。
UH-2は、長年活躍してきたUH-1Jの後継として開発された最新多用途ヘリです。ローターブレードが2枚から4枚に増え、エンジンも単発から双発式に改良され、飛行性能と安全性が向上しました。
操縦席はデジタル化され、主要情報はディスプレイに集約。自動操縦やナビゲーション機能の充実により、乗員は周囲警戒や捜索任務に集中できる設計となっています。
外観は従来機に近いものの、中身は大きく進化した新世代のヘリコプターです。
会場では、軽装甲機動車(LAV)や1/2t救急車、73式大型トラック、03式中距離地対空誘導弾発射機など、多彩な装備品が展示されました。
CH-47の地上滑走搭乗は抽選制で倍率約8倍の人気。
そのほか、自衛隊車両の試乗体験、第3音楽隊の演奏、バイクドリル、ストライカーの放水展示など、幅広い世代が楽しめるプログラムが用意されていました。
午後には、八尾駐屯地公式キャラクター「ふぁる」が描かれた特別塗装のUH-1Hも登場。
現役を退いた機体ながら、訓練用実習機として大切に運用されている様子が印象的でした。
「AIR FESTA YAO 2025」は、迫力ある編隊飛行や実践的な災害対応訓練、装備品展示を通じて、ヘリコプターの魅力と自衛隊の役割を身近に感じられるイベントでした。
展示されている装備は、有事や災害に備え、日常的に運用・整備されているものばかりです。
約7千人が来場し、「守るためにある力」を考えるきっかけとなる、意義深い一日となりました。
全国各地の防衛省・自衛隊関連施設では、同様の一般公開イベントが開催されています。興味のある方は、ぜひ国防の最前線を間近で体感してみてはいかがでしょうか。
防衛省
URL://www.mod.go.jp/j/press/events/index.html
URL:https://www.mod.go.jp/
陸上自衛隊八尾駐屯地
URL:https://www.mod.go.jp/gsdf/mae/3d/yao/