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Nadolig Llawen(ナドリグ・スラウェン)!
ウェールズ語で「メリー・クリスマス」を意味するこの言葉が、今年も街のあちこちで聞かれる季節になりました。一年を通して、ウェールズ各地をご紹介してきましたが、冬のウェールズは、また少し違った表情を見せてくれます。観光シーズンは夏が中心ですが、この時期は人の流れが落ち着き、石造りの街並みや村々が、より静かで穏やかな空気に包まれ、教会から聞こえてくるキャロル、早い時間から灯り始めるクリスマスイルミネーション。派手さはありませんが、どこか心が緩むような、ウェールズらしい冬の風景が広がります。
この季節のウェールズでは、各地で風変りな伝統行事が行われます。以前、このブログでもご紹介した「Mari Lwyd(マリ・ルイド)」です。
白い馬の頭蓋骨を飾った仮装姿の一行が、村や町を練り歩き、家々を訪ねるこの行事は、日本のなまはげや獅子舞を思わせる存在として、紹介されることもあります。
特徴的なのは、訪問する側と迎える家の人が歌を掛け合う点。
“歌の国”ウェールズらしい、少し不思議でユーモラスな風習です。
初めて目にすると驚かれるかもしれませんが、ウェールズの人々にとっては、冬の訪れを感じ、地域のつながりを確かめる大切な文化として、今も受け継がれています。
ロンドンや大都市のように華やかなイベントが並ぶわけではありませんが、冬のウェールズには土地の暮らしや人々の温かさをゆっくり感じられる魅力があります。また、観光客が少ない季節だからこそ、濃密な印象に残る時間をお過ごしいただけるかもしれません。
今年もこの特派員ブログを通して、ウェールズに興味を持ってくださり、本当にありがとうございました。来年もウェールズの日常や旅のヒントをお届けしていきたいと思います。
どうぞ皆さま、穏やかなクリスマスと幸多き新年をお迎えください。
Nadolig Llawen a Blwyddyn Newydd Dda! メリークリスマス、そしてよいお年を!