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隅田川を北上して浅草へと続く大通りを、一本路地に入ったところに突然現れるミモザの木が鮮やかな神社、それが蔵前神社です。春には2月下旬にミモザが満開となり、3月上旬にかけて桜も咲き、黄色とピンクの美しいコラボレーションを見ることができます。また、江戸時代には勘進大相撲の三大拠点のうちの一つとして栄え、江戸の信仰と文化を今に伝える由緒ある神社です。静かな境内で、ゆっくりとお詣りの時間を過ごしました。
前神社は、元禄6年(1693)に徳川綱吉公の時代に創建された神社で、もともとは石清水八幡宮と称していました。京都の石清水八幡宮の御分霊を勧請し、この地の守護神として祀られたことに始まります。現在の御祭神は応神天皇、神功皇后、姫大神です。応神天皇は勝運や武運の神として信仰され、神功皇后は強い意志と守護の象徴とされています。
江戸時代には勘進大相撲の開催地の一つとして多くの人々が訪れ、江戸の活気あふれる信仰の中心でした。また、落語の名作「元犬」「阿武松」「傾城瀬川」の舞台としても知られ、浅草・蔵前エリアの文化にも深く根付いた神社です。江戸の歴史と人々の暮らしを今に伝えくれる、大変貴重な存在です。
蔵前神社は、落語の演目「元犬」の舞台として知られています。「元犬」は、人間になりたいと願った白い犬が八幡様に祈願し、その願いがかなって人間になるという物語です。しかし、人間として暮らす中で思わず犬の習性が現れてしまい、周囲を巻き込んだ珍騒動へと発展していく….というストーリーが落語らしい滑稽なお噺として親しまれています。
境内には、この落語にちなんで有志によって奉納されたブロンズ像が設置されています。静かに佇むその姿は愛らしく、物語の世界を身近に感じさせてくれます。参拝とともに、江戸の庶民文化に触れることができる見どころの一つです。
私が2月14日にお伺いした際には、境内のミモザは4~5分咲き程度でした。鮮やかな黄色の花が少しずつ広がり始めていた一方で、桜のつぼみはまだかたく、本格的な開花はこれからという印象でした。桜の根元にある生垣の椿はつぼみが緩み始め、いくつかの花が咲き始めていました。
社務所でお伺いしたところ、例年は2月下旬にミモザが満開となり、3月初頭には桜も咲き始めるとのことです。ただし、その後1週間ほどで雨が降ることが多いため、両方が満開の状態で見られる期間は短いそうです。ミモザ・桜の開花とコラボレーションの時期に合わせて、特別御朱印も頒布されています。こちらの神社の看板猫さん ポン太くんがミモザと桜に戯れている姿が大変可愛らしい御朱印です。参拝時にはぜひチェックしてみてください。
近くの隅田川周辺では、既に河津桜が咲き始めているため、ピンクと黄色のコントラストはもう間近かもしれません。お近くを旅行の際はぜひ足を運んでみてください。
住所:111-0051 東京都台東区蔵前3-14-11
電話:03-3851-0617
社務所営業時間:9:00~16:00頃(状況により変動)
アクセス方法:
- 都営浅草線「蔵前駅」A4出口より徒歩約2分
- 都営大江戸線「蔵前駅」A6出口より徒歩約5分
- 東京メトロ銀座線「浅草駅」より徒歩約10分
駐車場:なし。車で訪れる場合は、周辺のコインパーキングを利用。