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【インドネシア】コモドドラゴンとともに暮らすコモド村

SARA HASHIMOTO

SARA HASHIMOTO

インドネシア・コモド島特派員

更新日
2026年2月17日
公開日
2026年2月17日

伝説によると同じ母から生まれた「兄弟」として、コモドドラゴンと村人が共生するコモド村。高床式の住居で暮らし、家畜をエサとして分かち合う姿からは、“生ける恐竜”との不思議な絆が垣間見えます。村人がレンジャーとなって絶滅危惧種のドラゴンを見守り続ける、この村ならではの濃密な日常と受け継がれる物語に迫ります。

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自然美豊かなコモド国立公園

コモドドラゴン(コモドオオトカゲ)でよく知られるコモド国立公園には、大小1000もの島がひしめきあい、独特の風景をつくり出しています。
特に、コモドドラゴンが多く生息するコモド島や、インドネシアの紙幣にも描かれている絶景で有名なパダール島、アジア随一といわれるピンクビーチなど見どころが多く、日本からも多くの観光客が訪れます。

2024年に東山動植物園にタロウがやってきたこともあって、その名がよく知られるようになったコモドドラゴンですが、最近ではこれを見たさに家族連れで旅行する人が増えました。

コモドドラゴンは世界最大の爬虫類ですが、“生ける恐竜”ともいわれ、ほかのオオトカゲなどとはまったく異なる生態をもつことが最近に研究によってわかっています。この謎めいた生態や稀少性が、多くの人を惹きつけるのでしょう。

■コモド村(コモド国立公園内)
アクセス:ラブアンバジョよりスピードボートで1時間30分
入場料:国立公園入域料25万Rp、レンジャー料15万Rp

リアルアドベンチャーのドラゴン見学トレッキング

コモドドラゴンが生息し、観光客が見学に訪れることができる島はコモド島とリンチャ島のふたつがあります。
これらの島にはコモドドラゴンが合わせて3000頭近くも野生のまま生活していて、そのなかにトレッキングコースを設定し、アドベンチャーコースのように楽しむことができるようになっています。

ですが、遊園地とは違って、野生のコモドドラゴンは獰猛で度々人間をも襲うことから、見学の際にはレンジャーの同行が義務づけられています。

とはいっても、これらの島で見学コースにいるコモドドラゴンたちも、だんだん人間の存在に慣れてきているようで、レンジャーの存在を認識していますし、レンジャー同行のもとで事故が発生することはまずないといっていいと思います。

コモドドラゴンと生きる村

このコモド島には、コモド村という約2000人の人々が暮らす村があります。コモドドラゴンが闊歩するすぐそばに村人が暮らしているというのはなかなかスリルがあるのですが、もちろんこの村人たちは、昔から生活してきていますので、コモドドラゴンに襲われないように高床式の住居であるとか、常々コモドドラゴンの存在を確認してから行動するなど、この最強の爬虫類である猛獣の扱いにも慣れています。

それどころか、村人にとってコモドドラゴンは兄妹のような存在だといいます。このコモド村には神話があって、村人とコモドドラゴンは同じ母親から生まれたという伝説があります。

そのため、今でも村の人たちにとっては、コモドドラゴンは身内も同然。たとえば、この村にはヤギが放牧されていますが、これらは家畜であるのと同時に、なんとコモドドラゴンのエサでもあるのです。
獰猛な野生動物にエサを与える人々というのも驚きますが、こうして共生して暮らしてきたので、村人にとってはごく当たり前の行為なのだそうです。

コモドドラゴンを見守り続ける村人たち

ところで、村人にとってもコモドドラゴンは危険なのではという疑問がわくと思います。レンジャーなしで生活するなんてと。
ですが、その点は安心です。この村の人たちがレンジャーになるのです。普段からコモドドラゴンの近くで生活している人達だからこそ、生態や行動にも熟知していますし、もしかしたらドラゴンが何を考えているのかもわかるのかもしれません。なんといっても兄妹なのですから。

先日もこの村に遊びに行きましたが、2階にドラゴンの赤ちゃんがいるよと教えてくれました。なんと彼らの家の2階の隙間から、コモドドラゴンの赤ちゃんがこっちを見下ろしていました。
これは確かに、血がつながっているのかもしれないと思った瞬間でした。

絶滅危惧種にも指定されているコモドドラゴンですが、生息数はずっと横ばいで推移しています。もしかしたら、兄であるコモドの村人たちがコモドドラゴンを守ってきたという深い絆も、その要因にあげられるのかもしれないと思います。

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