カンヌから約30分!ピカソを陶器製作に惹きつけた町ヴァロリス。
こちらの冬の日の出は遅く、朝8時半ごろにやっと窓の外が明るくなって、徐々に徐々に9時頃目が覚めます。日照時間が短い分一日がすごく早く終わってしまうように感じるので、今日は「早起きして遠出をするぞ!」と気合をいれました。行き先は隣町のVallauris(ヴァロリス)。
ヴァロリスはカンヌからバスで約30分の陶芸が盛んな町です。そして、その陶芸に魅了された巨匠パブロ・ピカソ氏が戦後住み、その後シャガールなどのアーティスト達も陶芸を習いに来ました。
古代から、地域のオリーブオイルやワインの貯蔵などで陶器が必要だったため産業が発展したのが「陶器の町」と呼ばれる由来。その後中世に疫病が流行り町が危機に陥ったときに、陶器の技術が得意なイタリア人が多く移民として訪れ、さらに発展していったという歴史があります。
カンヌからは駅前の18番のバスが1時間に1本ほど出ています。駅前にはバスがたくさんあるので、迷ったら
「Excusez-Moi, Ou est le bus pour Vallauris ?(エスクセモア、ウエ ル ブス プール ヴァロリス?)」ヴァロリスへのバスは何処ですか?と聞いてみましょう。
コートダジュールの冬でも美しい海を見ながら、山間を抜けるとヴァロリス村に到着。Place de la Libération(プラス・デ・ラ・リベラティオン)で降りると便利です。
今回私は市庁舎前の公園で降りました。

下車すると、バーで水タバコを囲んで話すアラブ人や、教会の前でグループでお喋りしているアフリカ人が、フランス人よりも多い印象。街や家の感じも少し退廃感があり、どこか異国に来たような不思議な気分になりました。
公園では素敵なアート作品が飾られていました。触ると回転してびっくり!

街中の植木鉢もやはりヴァロリスの伝統の陶器。

公園から坂を上がって、こちらの看板が見えたらLe Château de Vallauris(ル・シャトー・デ・ヴァロリス)です。

こちらは国立ピカソ美術館、マニエリ美術館、陶器美術館の3つの美術館が入っています。もともとは12世紀に建てられた修道院が改装されたルネサンス様式の城館。

見所はなんといっても、ピカソ美術館!もともとの礼拝堂だった建物に、「戦争と平和」が描かれていて、石造りの神聖な雰囲気と、ピカソの使う豊かな色彩が調和していて感動しました。マ二エリ美術館はフィレンツェ出身のアルベルト・マニエリ氏の作品を展示しています。猫と日本人女性を描いた「La Japonaise(ラ・ジャポネイズ)」も必見です。
その後、村を散策していると黄色の陶器がびっしりと飾られているお店を発見!

オリーブやラベンダー、蝉など南仏のシンボルと手作りのやさしいタッチに心癒されます。
「とても陶器がいっぱいで、素敵ですね!」とご主人に話しかけると、
「うちのばあちゃんの代からやってるからね!」と、威勢よくパトリックさんが答えてくれました。

ラベンダーの水差しも陶器です。

水やワインを入れると食卓が彩りそう!

その後も少し自慢気に、パブロ・ピカソの行きつけの床屋さん(パトリックさんのお店の前)とスペイン人床屋が仲良しだった話や、お父様がよく毎朝店の前を歩いていくピカソ氏を見かけた話から、ヴァロリスが陶磁器で有名になった話しなど、嬉しそうに語ってくれました。
ちなみにこちらが、昔ピカソ氏がお気に入りだった床屋さん。今はギャラリーになっています。

「本などではなく、人からの感情のこもった情報ってやっぱり素晴らしい!」と思いながら、ヴァロリスでの一日を美しく彩ってくれたパトリックスさんとのお喋りに別れを告げ、バス停へ。
夜は暗くなると治安があまりよくないそうなので、冬は16時台など早めにバスに乗って帰られるのをおすすめします。
春にはオレンジフラワーのお祭りなどもあるので、是非チェックしてみてください。
ヴァロリスの観光情報はこちらからどうぞ。
Tourisme - Site Officiel de la ville de Vallauris Golfe-Juan。(英語、フランス語、イタリア語)
http://www.vallauris-golfe-juan.fr/
Le Château de Vallauris(ル・シャトー・デ・ヴァロリス)
Place de la Libération, 06220, VALLAURIS
上記の観光ホームページから美術館情報が随時更新されます。
BOUTIQUE 94(パトリックさんの陶器のお店)
Avenue G.CLEMENCEAU, Angle 1, Rue du Plan,06220, VALLAURIS
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