ドイツ、レーゲンスブルクにおける重要文化財公開日④ ミノリーテン通りのロッシェンコール
とってもマイナーで知られていない家を見学してきました。
中世の街並みが残るレーゲンスブルクでも、旧市街から外側に出るような頃には、18世紀、19世紀の建物が並びます。そして、それらは素敵な装飾があることも多いのですが、なんとなく、シンプルで、レーゲンスブルクらしからぬ建物のように私の目には映るのです。
文化財公開日、生まれも育ちもドイツ人、レーゲンスブルク人の主人は一切興味を示さなかったこの建物、なぜ私が興味を持ったかというと、ロッシェンコールという名前に惹かれたからです。
私の知っているロッシェンコール宮殿は、旧市街のど真ん中、ノイプファー広場に建つ立派な建物(住所はNeupfarplatz 14)。ロッシェンコール氏は、この建物を1770年代に建てたは良いが、金銭難で嫁と子供を残して夜逃げした、という話を聞いていたからです。
ロッシェンコール氏の家系は元々オーストリアのプロテスタントで、既に1600年ごろ魔女狩りのその時代、レーゲンスブルクまでやってきたゲサンテンと呼ばれるお金持ちのプロテスタントの一家です。既にレーゲンスブルクで3世代目となったヒエロニムス・ロッシェンコール氏が、この宮殿を建てさせました。

そして、今回ご紹介する、ミノリーテン通りのロッシェンコール宮廷の庭は、旧市街の東の端にあります。
宮廷の庭、というのが正しい訳かはわかりませんが、直訳すると「Gartenpalais=庭+宮廷」です。こちらも、1730年から1735年に建築されていますから、実はノイプファー広場とほぼ同時期にスタートしたということですね。

道路側からは、特に素晴らしい印象はありませんが、中庭に回ってみると、

ツタがはった素敵な雰囲気。中庭にはバラの花が昔からたくさんあったようです。現在、ケータリング会社がこの建物に入っているのですが、この中庭を利用して、お誕生日会などのお祝いも予約できるようです。

家の中も美しいです。
扉やカウンターバーも、


床一つをとってみても、

部屋全体を見るとこんな感じです。



普段は公開されていないのですが、こういう機会にガイド付きツアーに参加すると、レーゲンスブルクの小さな側面が見えてくるのが面白いですね。毎年、9月に行われる重要文化財公開日は私にとってはとっても興味深い日です。

筆者
レーゲンスブルク特派員
吉村 美佳
バックパッカー歴11年で約25カ国訪問。2002年12月よりドイツ。レーゲンスブルク公認現地ガイド。
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