ワシントンDC周辺で大自然を満喫できるおすすめの穴場スポット3選！

最初に紹介するのはワシントンDCから30分ほどの場所にあるポトマック川の「グレート・フォールズ」。メリーランド州とバージニア州の境界にあるため、メリーランド州側ではチェサピーク・アンド ・オハイオ運河国立歴史公園やベア島のビリー・ゴート・トレイルから、バージニア側ではいくつかの展望ポイントからこの滝と周辺の景色を楽しむことができます。

自然を楽しむ醍醐味のひとつといえば、そこに生息している生き物や植物を観察することですよね。グレート・フォールズ公園は、川や滝のすぐそばで鳥を観察できる、知る人ぞ知る最高のバードウォッチング・スポットなのです。園内では年間150種以上を観察することができます。

例えば、春と夏にはオオアオサギが見られます。アオサギの獲物は基本的に魚ですが、ミズヘビも餌になることがあるとか。上空ではハクトウワシ、アカオノスリ、クーパーハイタカ、レッドショルダーハイタカが、峡谷ではミサゴやカモメも見られます。

園内には川に沿ってハイキングコースがありますが、森の中をハイキングしているとキツツキの声が聞こえるそうです。園内では、アオカケス、ボルチモア オリオールズ、ナゲキバト、ゴシキヒワ、コマドリ、35 種類のウグイスなどの小さな鳥を探すことができるそうです。筆者が晩秋と春先に訪れた際にも、上流で鵜が魚を求めて潜っているところを見かけました。

ちなみに、2023年3月のバードカウントでは40種以上もの鳥が観察されたそうです。下記に観察された種類の一部を記載します。

また、園内では、オジロジカ、イースタンシマリス、ハイイロリスなどの動物などにも出合えます。シカは公園で見られる最大の哺乳類だそうです。母鹿は餌を探しに行っている間、子鹿を残していくそうなので、森の中で母鹿を待って丸くなっている子鹿を見かけることもあるかもしれません。

森の中の斜面や木の下では アカギツネも見かけることも。コヨーテもいるそうですが、恥ずかしがり屋で引きこもりがちなため、遭遇することはめったにないそうです。園内には、ビーバー、アライグマ、スカンク、北米で唯一の有袋類であるオポッサムもいるそうです。また、夕暮れ時にはピクニックエリアや駐車場の近くで、 コウモリが蚊やほかの昆虫を狩っている様子を観察できるそうです。

筆者は、バージニア州の展望ポイントのひとつ、南岸にあるジョージ・ワシントン・メモリアルパークウェイのグレート・フォールズ公園を実際に散歩してみました。この公園は、東京ドーム約70個分の広さを誇っています。

グレート・フォールズから約16km下流にあるメリーランドのリトル・フォールズにも何度か行ったことがありますが、グレート・フォールズやリトル・フォールズは、ハイキングにぴったりで、ほかにもカヤックやラフティング、ロック・クライミングなどのアクティビティも楽しめます。ペットを連れて行くこともでき、犬を連れて散歩している人を何人も見かけました。

グレート・フォールズ公園は国立公園局によって管理されており、水泳、キャンプなど禁止されているアクティビティもありますので、訪れる方は事前に確認しておくことをおすすめします。また、夜から朝にかけての駐車や野草の採取、ハンティング、野生動物への餌やり、アルコール飲料の持ち込み、ごみのポイ捨てなどは禁止されているので注意しましょう。

次に紹介するのは、知る人ぞ知る穴場のビーチです。アメリカ東部の超人気ビーチといえば、ニュージャージー州、そしてメリーランド州のオーシャンシティですが、この2ヵ所のビーチはとても混み合います。実はニュージャージー州とメリーランド州の間、デラウエア州にも穴場のビーチが数ヵ所あるんです。

デラウエア州南部から北に向かって、ベサニー、デューイ、リホボス、ルイス、スローター・ビーチなどいくつかの海岸があるのですが、特に、スローター・ビーチは穴場といえます。ショッピングエリア、レストランなどはありませんが、その分観光客が少なく、真夏でも比較的ゆとりがあるビーチです。ごろごろした石が多いため、泳ぐというよりも魚釣りをしたり犬を散歩させたりする地元民が多いです。屋根付きのスペースがあるので、スーパーで好きな惣菜やパンを買ってきて食べたり、ビーチで生物観察をしたり、散歩をしたり……。のんびりと１日を過ごすのにぴったりです。

スローター・ビーチは、ミルフォードネック野生生物保護区の本拠地で正式にカブトガニの保護区に指定されています。カブトガニとその卵に依存する渡り鳥にとってとても重要な地域なので、町はカブトガニを公式シンボルとして採用しているそうです。

ホースシュークラブと呼ばれるカブトガニが浜辺に産卵する際に、多くの鳥が卵を食べるために集まるため、野鳥観察に興味がある方にはぜひ訪れてみていただきたいスポットです。この海岸が夏場でも比較的混みあっていないのは、干潮時に浜辺にはゴロゴロと小石やカブトガニの殻が散乱しているからかもしれませんが、ゆったりと時間を過ごしたい人にはうってつけの穴場ビーチです！

グーグルマップによると、ワシントンDCのユニオン駅からUS-50 Eルートで2時間9分。距離にするとおよそ171kmです。

以前、アメリカの首都ワシントンDCに隣接するメリーランド州、カレッジパークの「チェリー・ヒル・パーク」というキャンプ場を紹介しました。

ペンシルバニア州エリーにも、美しい湖のほとりにテントを張って寝泊まりできる「サラズ・キャンプグラウンド・オン・ザ・ビーチ」(以下、サラズ・キャンプグラウンドと表記)というキャンプ場があります。ここは、約19kmを超える公共ビーチ、自転車道、自然遊歩道があるプレスク・アイル州立公園と、ウォルダミア・アミューズメント・パーク、そしてウォーター・ワールドの間という好立地にあります。

予約はできず先着順で、前日の夜に電話で空き室状況を問い合わせ、当日7:30から順番待ちをして宿泊ができるかどうかを確認する、というユニークな営業を行っているキャンプ場です。

アメニティ

・ピクニック・テーブルと焚き火用のファイヤー・リング
・フルフック・アップ
・雑貨屋
・トイレとシャワー
・洗濯室
・ゲームルーム
・プレイグランド
・バスケットボール・コート
・薪と氷のサービス
・ケーブルテレビ
・Wi-Fi
・セキュリティ・ゲート
・レストラン

滞在中は、次のルールが適用されます。

・宿泊者以外のビジターは立ち入り禁止
・テント1棟につき大人2名とその子供まで
・子供用に別で追加のテントを張る場合、保護者用テントとくっつけて設営する
・ほかの宿泊者のテントと十分な間隔を空けて設置する。
・テントの最大サイズは 約4m × 約3m程度
・ビーチでの駐車禁止(車は指定の駐車場に停める)
・代表者1名につき車1台のみ利用可能

キャンプの形態は、ビーチキャンプ、ベイサイドキャンプ、テントキャンプの3つ。それぞれにルールがありますので、事前に確認しておきましょう。

ビーチキャンプ

・ビーチキャンプの予約は不可（先着順で利用可）※事前にオフィスに電話をし、空き状況を確認する必要がある
・ビーチキャンプで利用できるのはテントのみ
・プライベートビーチのため、ペットの連れ込みは不可

ベイサイドキャンプ
・ペットの連れ込み可
・テントだけでなく、トレーラー、キャンピングカーなどの予約が可能
・水道、電気、下水道、ケーブル、およびインターネットなどのサービスあり
・5月15日から9月15日までの期間に予約する場合、5泊以上の滞在が必要
・予約時に支払いを行う（クレジットカードは、VisaまたはMasterCard利用可）
・先着順で利用可　
　※事前にオフィスに電話をし、空き状況を確認する必要がある

テントキャンプ
・湖側 (ビーチ) 、森林エリアいずれも先着順で利用可　
　※予約を受け付けていないため、最低滞在日数はなし。
　※事前にオフィスに電話をし、空き状況を確認する必要がある

アメリカの大自然に触れるには、管理が行き届いている国立公園や州立公園を訪れるのが手っ取り早く安全です。しかし、広大なアメリカ国内をドライブしていると、思いがけない場所に魅力的な穴場スポットが潜んでいることもあります。今回紹介したバージニア州のグレート・フォールズは規模が大きいので、公園だけでなく周辺に多数の駐車場があり、そこからハイキングコースに入ることができます。また、エリーやアシュタビューラだけでなく、五大湖湖畔の小さな町や東海岸のあまり知られていないようなビーチでも、思いがけずすてきな景観に出合えたり、満足いく時間を過ごしたりできますよ。アメリカ東部には、春から夏にかけてアウトドアを楽しめる場所がいっぱいあります！　この記事と地球の歩き方ガイドブックを参考に、思う存分アメリカの自然を満喫してくださいね。

監修：地球の歩き方