【フランス】ノルマンディー・オンフルールから一度は行ってみたい世界遺産ランキング1位のモン・サン・ミシェルへ

公開日 : 2023年09月18日
最終更新 :
筆者 : kaede

さて、エトルタから1時間ほどでノルマンディーでも最も人気のある都市の一つオンフルールの宿へ到着です。翌日は(オンフルール観光は後日に置いておいて)フランス屈指の観光地であるモン・サン・ミシェルへ向かいました!モン・サン・ミシェルまでは片道2時間ほどのドライブなので、往復で4時間。遠いといえば遠いのですが、やはりここまで来たら「一度は行ってみたい世界遺産ランキング1位」*に輝いたこともあるモン・サン・ミシェルを見ておこうということで車を走らせました。
* 出典:NPO法人世界遺産アカデミー

ドライブ前に小さな町のガレット屋さんで腹ごしらえ

さすがフランス、かなりローカルですがセンスのある店頭
さすがフランス、かなりローカルですがセンスのある店頭
町の名を冠したガレット(エメンタル・チーズ、カマンベール、生クリーム、チャイブ)
町の名を冠したガレット(エメンタル・チーズ、カマンベール、生クリーム、チャイブ)

ノルマンディーやブルターニュといった北フランス地方といえばガレットで有名です。ガレットというのはそば粉を使ったクレープのことです。ロンドンや東京では食べたことがあるのですが、北フランスには初めて来たので本場のガレットはこれまで食べたことがなく、是非味わってみたいということで選んだのが、オンフルールから車で15分ほどの小さな町VillevilleにあるCrêperie du Coinというお店。ノルマンディーに居を構える辻仁成さんがブログで絶賛されていて、画像検索して辿り着きました。 やはり地元の方の口コミが一番ですよね。

ちょうどお店が開いたばかりの時間に到着しました。フランス語が分からないのでジェスチャーを交えて意思疎通。注文したのはお店の名前を冠したガレット(アンドゥイユというフランスの燻製ソーセージと玉ねぎ、生クリーム、マスタード、エメンタル・チーズ)と町の名を冠したガレット(エメンタル・チーズ、カマンベール、生クリーム、チャイブ)。材料からして罪深い美味しさです。イギリスで食べたのは何だったんだろうというくらいに完成度が高く美味でした。ガレットの概念が変わるぞ?という感じ。ソバの香り漂う生地とチーズとハムと、全てが地元の素材を使っているのだから、美味しくないわけがないのです。あっという間に平らげてしまい、食べ足りなくてデザートのガレットも注文してしまいました。確か現金のみでATMにお金をおろしに行くことになったので、現金を持っていくのを忘れずに。お値段はすこぶるお手頃でした。

Crêperie du Coin

住所
1 Rue du Maréchal Foch, 14113 Villerville, France
電話
+33 2 31 98 04 38

さて、モン・サン・ミシェルへ

非現実的なほどの完璧な形の美しいモン・サン・ミシェルが地平線に見えてきました!
筆者はこの向きのモン・サン・ミシェルが一番好きです
非現実的なほどの完璧な形の美しいモン・サン・ミシェルが地平線に見えてきました!
筆者はこの向きのモン・サン・ミシェルが一番好きです

腹ごしらえも済んだところでモン・サン・ミシェルへ。目的地に近づいてきて地平線にモン・サン・ミシェルが見えてくるとテンションが上がります!非現実的なほどの完璧な造形でとても美しいですよね。イギリス・フランスともに連休でなかなか混雑している時期でしたが、駐車場はとても広いので(4000台ほど駐車できるそうです)駐車するのには困りませんでした。車を停めたら無料のシャトル・バスが駐車場からモン・サン・ミシェルの足元まで運んでくれます。朝の7時半から真夜中まで運行している優れモノです。

モン・サン・ミシェルとは

ここでモン・サン・ミシェルについて少々おさらいです。モン・サン・ミシェルは言わずと知れたフランス屈指の観光名所で世界遺産に指定されています。起源は708年とされ、大天使ミカエルのお告げを受けたオベール司教がこの地に礼拝堂を建てたのが始まりとされています。966年に修道院が建てられ、増改築を繰り返して13世紀頃には現在の姿になったとされています。中世には巡礼の地として繁栄し、また百年戦争などの際には要塞としても使用されました。

大天使ミカエルのお告げを受けるオベール司教。二度信じなかったので三度目は頭に直接穴をあけてお告げされている図(どういう状況?)
大天使ミカエルのお告げを受けるオベール司教。二度信じなかったので三度目は頭に直接穴をあけてお告げされている図(どういう状況?)

サン・マロ湾に浮かぶモン・サン・ミシェルは満ち潮の時には浮かび、引き潮の時には陸地とつながります。しかし、干満の差が非常に大きいため、タイミングによっては引いた潮が一気に押し寄せ、干潟のぬかるみに足をとられた巡礼者が命を失うことも多くあったそうです。現在でも危険なので、干潟を歩いて渡る際には必ずガイドに同行することが薦められています。(普通に観光する場合には前述の無料シャトル・バスが橋を渡ってモン・サン・ミシェルまで直接連れていってくれるのでご心配なく。)ちなみに海に浮かぶ世界遺産名所仲間の厳島神社がある広島県廿日市市とは姉妹都市となっています。

モン・サン・ミシェル島内観光

さて、早速モン・サン・ミシェルの島内に入りましたが、連休だったため修道院に向かう参道である入口付近のグランド・リュ(Grande Rue)は観光客でごった返して、週末の竹下通りのごとく激混みでした。参道を登って行った修道院の中に入るには大人11ユーロのチケットが必要で、そのためか修道院内部は比較的人が少なく、落ち着いて観光することができました。見どころはラ・メルヴェイユの中庭とそれを囲む回廊、教会、展望スポットなどです。ただ、フランス革命後には修道院は廃止され監獄になったこともあり、豪華絢爛な雰囲気はありません。荘厳ですが、装飾品などは殆どない印象です。作家のビクトル・ユーゴーがモン・サン・ミシェルを牢獄として使用することを批判したことなどもあり、ナポレオン三世の時代に修道院に戻り、かつての輝きを取り戻すための修復作業が始められたそうです。ありがとうビクトル・ユーゴー!(ご存じ「レ・ミゼラブル」の著者です)展望スポットからのサン・マロ湾の眺めは素晴らしいです!

修道院内部、これは確か食堂
修道院内部、これは確か食堂

そんなわけで、必ずしも修道院に入らなくても大丈夫です。モン・サン・ミシェル観光の醍醐味は様々な角度からモン・サン・ミシェルの美しさを味わうこと、そして島側からサン・マロ湾の絶景を味わうことにあるので、思いのままに島内を散策してみてください。一言でモン・サン・ミシェルと言っても、左右対称ではないし複合体なので向きによって見えるシルエットが全然違うんですよね。自分の好きな角度を見つけるのがおすすめです。筆者は靴を脱いで島の周りの浅瀬をお散歩しました。ひんやりした海水とやわらかな泥の感触が素足に心地よく、様々な方向から太陽光に照らされるモン・サン・ミシェルを眺めることができました。
また、城壁に沿ってカモメと一緒にサン・マロ湾を眺めながら歩くのもいいでしょう。メイン・ストリートと比べると人が少ないので、静かにモン・サン・ミシェルに思いを馳せることができます。また、城壁というだけあって島の外側に面しているので、満潮時は湾の絶景を、干潮時には干潟を歩く人々の姿をジオラマのように見下ろすことができます。
勿論、メイン・ストリートの商店でお土産のラ・メール・プラールのクッキーなどを物色するのも楽しいですよ!

裸足で浅瀬を歩くのは気持ちがいいです
裸足で浅瀬を歩くのは気持ちがいいです
城壁を散歩。カモメとサン・マロ湾を眺める時間
城壁を散歩。カモメとサン・マロ湾を眺める時間

ディナー難民にならないように事前予約を!

そんなこんなでのんびりとモン・サン・ミシェルを満喫していたらあっという間にディナーの時間に。下手に予約してしまうと時間が制約されて気ままに観光できなくなってしまうと思ったのですが、これが裏目に出ました。モン・サン・ミシェル付近のめぼしいレストランはどこも満席!ピーク・シーズンは必ず事前にディナーの予約をすることをお勧めします。最終的にモン・サン・ミシェルから15分くらいのレストランに空席が見つかり無事「アニョー・ド・プレサレ」のステーキにありつくことができました。モン・サン・ミシェル付近に来たらぜひ食べたいこのお肉はモン・サンミシェル周辺の潮風や海水につかった牧草を食べた塩気のあるラム肉です。ラム独特の臭みが少なく、とてもジューシーで美味しいのです。付け合わせのジャガイモのミルフィーユも絶品。食事のお供は今日もシードルです。大満足のディナーでした。デザートも満喫して、2時間のドライブでオンフルールに戻ります。

さて、ノルマンディー・シリーズ第3回、今回はモン・サン・ミシェルをご紹介しました。次回、ラストのオンフルールになります。お楽しみに。

筆者

イギリス特派員

kaede

アフタヌーンティーやロイヤルファミリーだけではない、多様性あふれる、ダイナミックでゆるーいロンドンの姿を紹介していきます。自分の友達が遊びに来たら連れていきたい、真のおすすめスポットのみ掲載していくのでぜひご覧ください。

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