“フルーツの里”福岡県うきは市の「道の駅うきは」
“柿の王様”こと富有柿など、くだものの産地として知られる福岡県うきは市に、ギリシャ式円形劇場跡まであるユニークな「道の駅うきは」があります。
旅行者にはうれしい保存食品
福岡県の南東部に位置し大分県との県境にあるこの道の駅には、通路でみかんの箱売りや柿のソフトクリームを売る店まであり、さすがはくだものが名物の町です。
時期柄お正月飾りや贈答用のお花の売り場もあり、「物産館西見台」店内では、ウキウキとした様子の買い物客も見られました。
道の駅といえば新鮮な地元野菜やきのこ、魚介類、お惣菜などが魅力ですが海外在住のため、それらは泣く泣く素通り。
けれど”フルーツの里”とまで名乗る同道の駅に来て「くだものを買わないのも寂しい……」と諦めきれずにいたところ、ちょうどよいものを発見しました。
柿やりんごなどのドライフルーツです! ナシが珍しいのと、懐かしさに干し芋もついでに買ってみましたが、小パックなので値段もお手頃で荷物にもならないのがうれしいです。
同様に日持ちするという理由で、天日干しの切り干し大根とお正月用に黒豆もお買い上げ。あとからこの豆は「黒大豆」なるものだと気づいたときはショックでしたが、どうやら黒豆と同じようなのでホッとしました。
ギリシャ式円形劇場跡
同店の裏、道の駅西側は展望デッキがあり、筑後平野が広がっています。よく見ると、段々になった斜面には石で囲われた花壇のようなものがわずかに草の間から顔を覗かせています。
冒頭で触れたギリシャ式の円形劇場とは、1925年に”日本初の農民劇団”が中心となって建設した野外劇場ですが、ひょっとしてソレでしょうか!?
実際に見たときは全く気づかなかった程度ですが、地元の医師、安元知之さんが結成した「嫩葉会(わかばかい)」という劇団員を中心に、建設当時は村民が一体となって完成させたものです。
それにもかかわらず、安元さんが翌年に他界してしまい、その後も戦時下に入るなど結局1度も使われることなく埋もれてしまったといいます。
2015年の発掘調査により当時の遺構が見つかり、2017年に整備され「市民の活動の場」として日の目を見たそうですが、8年経って再び埋没してしまったのでしょうか!?
だとしたら少し残念ですが、展望デッキのすぐ後ろにある展示コーナーには、同市出身の祖父母を持つ日系アメリカ人で宇宙飛行士となったエリソン・S=オニヅカ氏の資料とともに、円形劇場跡についても詳しい経緯が紹介されているので必見です。
『九州じゃらん』2023年6月号の〔九州・山口〕みんなが「好き」な道の駅ランキングで、1位を獲得したという「道の駅うきは」。義父母が物産館のポイントカードをわざわざ作るほど気に入っているのにも納得です。
道の駅うきは
- 住所
- 福岡県うきは市浮羽町山北729-2
- アクセス
- JRうきは駅より徒歩約30分
- 営業時間
- 9:00~18:00
- 定休日
- 毎月第2火曜
- 正月休み
- 12月31日~1月4日
筆者
イギリス特派員
パーリーメイ
2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。
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