【京都】龍を訪ねて嵐山「天龍寺」へ

公開日 : 2024年01月13日
最終更新 :
筆者 : Akio

冬の朝、渡月橋を渡って天龍寺へと向かいます。

新年からの京都は、雨が少なくて大堰川の水位も下がっています。

嵐山の地に建つ「天龍寺」は、臨済宗天龍寺派大本山の寺院。
後嵯峨天皇の亀山離宮があった土地に、足利尊氏が暦応2年(1339年)、
後醍醐天皇の霊を慰めるため創建した禅寺です。

初代住職は夢窓疎石(むそうそせき)。
広い境内の天龍寺ですが、創建当時の面積は今の10倍もの面積だったそうです。
その広さは約950万平方メートル(現在の嵐電帷子ノ辻駅周辺にまで及ぶ広さ)で、
子院は150か寺を数えたといわれます。

しかし、長い歴史の中で8回もの火災と明治時代に土地を奪われたことで、建造物や広い土地が失われました。
その後、復興が続き1935年には現在の「天龍寺」の景観へと整えられています。

境内を進むと、東端には勅使門・中門があり参道は西へ伸びていて、
その両側に並ぶ塔頭、正面の法堂、奥の大方丈・小方丈・庫裏・
僧堂・多宝殿等はすべて明治時代後半以降に再建されたものです。

参道を進むと法堂が見えました。

八方睨みの龍

法堂には、素晴らしい天井絵の雲龍図があります。
特別公開は、(土曜日・日曜日・祝日のみ公開)

※法堂参拝受付は法堂の西側にあります。

巨大な雲龍図は、天龍寺開山夢窓国師650年遠諱(おんき)記念事業として、
1997年に日本画家・加山又造画伯により描かれました。

雲龍図は天井(縦10.6m 横12.6m)直径9mの二重円相内に
躍動する見事な八方睨みの龍が描かれています。
360度どの角度から見ても睨まれているように見えることから、「八方睨みの龍」とよばれています。

法堂内は撮影禁止ですので、販売されている絵はがきで御覧下さい。

法堂の雲龍図を拝見した後は、方丈へと進んで行きます。

方丈に入ると正面玄関に置かれた衝立には、「達磨図」が掲げられています。
絵は禅宗の初祖で、インドから中国に渡って禅宗を始められた達磨大師です。
天龍寺前管長 平田精耕老大師によって力強いタッチで描かれ、天龍寺を代表する画として有名です。

大方丈内を進みます。大方丈は天龍寺の中で一番大きな建物です。
方丈は、もとご住職の住まいだった場所です。天龍寺のご本尊釈迦如来が安置されています。
東は中門に対し、西は曹源池に面しています。

襖に描かれた雲龍図

ここでは、襖絵として描かれたダイナミックな雲龍図が拝見出来ます。

写真撮影OKなのですが、アクリル板が反射してしまいます。

でも、すごい迫力です。

襖の雲龍図は富岡鉄斎の孫弟子にあたる「若狭物外」筆。

この大方丈から庭園へと目を向けると、夢窓礎石(むそうそせき)が作ったと伝わる
「曹源池庭園」(そうげんちていえん)の景色が広がります。

曹源池庭園は、約700年前の夢窓国師作庭当時の面影をとどめており、
わが国最初の史跡・特別名勝指定です。

庭園は、中央の曹源池を巡る池泉回遊式庭園で、嵐山や亀山を借景に取り込んだ庭園です。

以上、素晴らしい曹源池庭園と雲龍図に出会える嵐山・天龍寺でした。

天龍寺

〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
拝観時間
8時30分~17時 [受付終了16時50分](庭園受付・北門受付)
参拝料

〇庭園(曹源池・百花苑) 高校生以上500円 小中学生300円 未就学児無料
〇諸堂(大方丈・書院・多宝殿)庭園参拝料に300円追加
〇法堂「雲龍図」特別公開
参拝料 500円(上記通常参拝料とは別)
9時~16時30分 [受付終了16時20分]
法堂参拝受付は法堂の西側にあります。(土曜日・日曜日・祝日のみ公開)
アクセス
〇電車
京福電鉄嵐山線 「嵐山」駅下車前
JR嵯峨野線 「嵯峨嵐山」駅下車徒歩13分
阪急電車 「嵐山」駅下車徒歩15分
〇バス
市バス 11、28、93番で「嵐山天龍寺前」下車前
京都バス 61、72、83番で「京福嵐山駅前」下車前
駐車場
(予約不可 先着順)
乗用車 1回  1,000円
営業時間
8時30分 ~ 17時(17時に閉門)
収容台数
自家用車 100台

筆者

京都特派員

Akio

京都は平安京の頃から、今に至るまで様々な歴史が残っている町。歴史と季節を訪ねながら京都特派員ブログを、綴って行ければと思います。

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