ベルン

Bern

スイス連邦の首府ベルンは、人口13万5000人の国内5番目の都市。何よりも頭に入れておきたいのは、ここにヨーロッパで最も古い町並みがあり、旧市街の全体が世界遺産の登録を受けていることだ。ヨーロッパには「中世の町並み」と呼ばれているところが多くあるが、そのほとんどが16世紀以降(近世)に、火災や戦災の後に建て直されたもの。しかしベルンのそれは、文字どおり中世末の15世紀に砂岩で造られたもの。現存する正真正銘の中世の町並みだ。
ベルンはスイス連邦の政治の中心でもある。旧市街を歩いている人は旅行者だけでなく、連邦政府の役人やビジネスマンも多い。連邦政府の大統領が、旧市街のスーパーで買い物をしている姿が目撃されることもあるという。ヒップホップのファッションに身を固めた若者がスーツ姿の役人と肩を並べて歩いているような光景が見られるのも町の魅力だ。
ベルンは交通の要衝でもある。周辺の地域へ足を延ばす拠点にしても便利だ。ベルナーオーバーラントの山だって遠くない。天気のいい日の夕方に、旧市街の北に架かるコルンハウス橋を渡ってみよう。ベルナー・ミュンスターの尖塔の向こうに、バラ色に染まるユングフラウが見えるだろう。

市内交通
おもな見どころは歩いて回れるが、駅から離れたホテルへ行くときやグルテン山など郊外へ行くときなどは、BERNMOBILのトラム(市電)とバスを利用するといい。スイストラベルパス有効。
バスターミナルは駅前にあり、乗車券の券売機は停留所に設置されている。1日券などの販売所(Info&Tickets)は駅前広場にある(観光案内所でも購入できる)。多くのトラム&バスはメインストリートを走っており、時計塔から各方面へと分かれていくので、ベーレン広場や時計塔の前から乗ってもいい。

ベルン中央駅
ベルン駅は長い歴史をもつ町にあって、対照的なモダンなガラス張りの建物だ。列車が発着するのは地階。ホームと駅舎が斜めに結ばれているため、方向感覚が狂いやすいので注意したい。またホームまでは意外と遠いので出発の際は時間に余裕をもって駅に向かいたい。構内の設備は充実している。観光案内所やATM、外貨両替所をはじめスーパーマーケットやブティックなどがあり、地下はレストラン街になっている。

ベルンの歩き方

駅の1階にある観光案内所で町の地図とトラムとバスの路線図をもらったら、さっそく歩き出そう。
歩き始める前に、覚えておきたいのがメインストリートの名前。旧市街を東西に横切る通りは、駅前から東に向かってシュピタール通りSpitalgasse、マルクト通りMarktgasse、クラム通りKramgasse、ゲレヒティクカイト通りGerechtigkeitsgasseと変わっていく。1本の通りだが、4つのエリアごとに名前が変わるのには、町の発展過程に深いかかわりがある。最も古い地域がアーレ川に近い東側で、町は西へと規模を拡大していった。通り名が変わるポイントにふたつの塔、時計塔)と牢獄塔があるが、それらはそれぞれ町を囲む城壁の西門として建てられたものだ。
駅前からこのメインストリートに沿って東に向かう。最初の門の前に広がる広場がベーレン広場Bärenplatz。広場の周辺では、毎日野菜や食べ物などさまざまな屋台が店を広げており、定期的にマーケットも開かれている。広場の南に見えるドームのある大きな建物は連邦議事堂だ。ひっきりなしに目の前をトラムが行き交うこの広場は、すべてのトラムが停車するポイントであることも覚えておこう。
牢獄塔を過ぎるとシュピタール通りはマルクト通りになる。東に少し向かった左側にスーパーのミグロがあり、2階には気軽に入れるセルフサービスのレストランやトイレ(有料CHF1)がある。マルクト通りは300mほどで終わり、次の門である時計塔が現れる。この門の前も広場になっており、南側はシアター広場Theaterplatz、北側はコルンハウス広場Kornhausplatz。コルンハウス広場に面して歴史あるレストラン、コルンハウスケラーやベルン劇場があり、その先にあるアーレ川に架かるコルンハウス橋を渡って10分ほど歩くとグランカジノGrand Casino Bernがある。一方シアター広場に面してCasino Bernという建物があるが、こちらはレストランと劇場。その先、アーレ川を渡る南側の橋はキルヒェンフェルト橋。こちらも橋を渡って広場から10分ほどでヘルヴェティア広場Helvetiaplatzに到着。周辺にはベルン歴史博物館や自然史博物館など、いくつもの博物館がある。
時計塔から東側がベルンで一番古いエリア。ここから通り名がクラム通りに変わる。旧市街にはいくつもの泉があるが、通り名が変わって最初に出合うツェーリンガーの泉は見落とさないように。このエリアにはベルナー・ミュンスターやアインシュタインの家など、見どころも一番多い。
やがて通りはゲレヒティクカイト通りに名前を変え、アーレ川に向かって下り坂となる。そのままアーレ川を越えるニーデック橋を渡ると、右側にあるのがクマ公園。ここから旧市街に戻ってもいいし、ロータリーの反対側にある坂を上ってバラ公園から、旧市街を眺めてみるのもいいだろう。

旧市街以外の見どころも
町の東にあるパウル・クレー・センターや南のグルテン山は、ぜひ訪れたいスポット。駅前やベーレン広場からトラムを利用すればアクセスは簡単だ。ベルンは鉄道のハブ。チューリヒ、バーゼル、ローザンヌ、インターラーケンといった都市まで1時間ほどで行くことができる。ベルンに連泊して、これらの町を訪れる拠点とするのもいいだろう。

ベルンへのアクセス

チューリヒ空港からICで約1時間20分、チューリヒからICまたはIRで56分〜1時間28分、ジュネーヴから約1時間45分。
インタラーケン・ヴェストからはICEまたはICで約50分。

写真

基本情報

ベルン
使用言語
ドイツ語
標高
540m
郵便番号
CH-3000(地区によって下2ケタが変わる)
エリアコード
031 (市内通話の場合でも初めにエリアコードをプッシュする)
Bern Welcome
住所
Bahnhofplatz 10a
電話番号
(031)3281212
開館時間
月〜金曜 9:00〜18:00
土・日曜、祝日 9:00〜17:00
最終更新 :

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