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日本各地の島の魅力を紹介するガイドブック・島旅シリーズ。初めて利尻・礼文を担当することになった新人編集者が、2025年6月に現地へ初渡航。利尻・礼文をはじめ、島の天気は変わりやすくせっかく旅行を計画しても直前で悪天候になってしまうこともしばしば。実際、残念なことに天候に恵まれず、予定していたスケジュールがほぼ白紙になってしまった今回の旅。しかしながら、島の人たちとのふれあいや、絶品の北の幸、美しいお花たちとの出合いで、島の魅力にすっかり心を奪われました。
そこで今回は、雨の日や悪天候でも利尻・礼文を楽しむ方法をご紹介します!
今回の旅は2025年6月上旬に行いました。しかしながら天気はあいにくの雨予報。
そんななか気を取り直し、移動中に雨でも楽しめるプランを練りながら礼文島へ上陸!
まず体験したのは、利尻・礼文両島のフェリーターミナルから出発する定期観光バス。
雨や強風、霧のなかのハイキングやトレッキング、サイクリングは慣れない土地だとなかなかの難易度。そんなとき島の観光地をハイライトで巡ることができる定期観光バスはとってもありがたい存在。
利尻島では3時間10分で姫沼、野塚展望台、オタトマリ沼、仙法志御崎公園を巡るコースや、2時間10分で利尻町立博物館、仙法志御崎公園、オタトマリ沼をスポット的に巡るコースの2種類。
礼文島では2時間30分で島最北端のスコトン岬と澄海岬を巡るコースとさらに3時間50分で桃台猫台、北のカナリアパークなども追加で巡る2種類のコースがあります。
事前予約がベストですが、フェリーターミナルにある窓口からも当日参加を申し込むことができます。
定期観光バスの開始時間はフェリーの到着と接続しているので、フェリーターミナルのコインロッカーやホテルの送迎スタッフに荷物を預け、即観光ツアー出発!
バスでの観光ですが、徒歩移動もあるので、汚れてもいい服装や歩きやすい靴、雨合羽は必須。
高緯度にある利尻・礼文は高山植物の宝庫で、島でしか見ることのできない固有種が数々生息しています。
高山植物は高い山の中に行かないとみることができないと思いがちですが、レブンアツモリソウの群生地などは、道路沿いに位置しているので、雨がひどくとも間近で花を鑑賞することができます。
晴れの日はもちろんですが、雨がしたたる様子はさらに可憐で、この姿は雨の日ならではの特権!
ガイドツアーに参加すると花の解説だけでなく、写真の綺麗な撮り方も教えてもらえて、写真映えもバッチリ。
また礼文ガイドサービスでのツアーは、大型バスでは行くことのできない別のレブンアツモリソウの群生地にも連れていってもらえるのもポイントです。
天気が悪くても楽しめるのはやっぱりグルメ。
利尻・礼文では6~9月がウニのシーズンということで、夏はバフンウニやムラサキウニを堪能できます。エサで味が変わるというウニ。そのため島特産の利尻昆布を食べて育ったウニの濃厚さは格別!
島のウニは年々価格が上昇。香深港フェリーターミナルにある武ちゃん寿司では、ひと皿からウニを味わうことができ、ウニ丼は高くて手が出ないという方にもオススメです。
また、すぐに傷んでしまうことから島外へなかなか流通することのない生ホッケを食べることができるのもこの島の醍醐味。
地元の人にも愛されるちゃんちゃん焼きの名店「炉ばたちどり」では、目の前の囲炉裏で脂ののった生ホッケを調理してもらえます。炭火で焼かれたふわふわの白身と甘辛い味噌でご飯を食べる手が止まりません。
「グランスポット」でも、生のホッケを使ったホッケフライカレーを味わうことができます。
仕入れ次第のメニューになりますが、生のホッケでしか味わえないふわふわ加減のホッケフライとスパイシーなカレーが絶妙にマッチしていて大絶品。人気メニューのためカレーは昼過ぎに売り切れてしまうこともありますが、ランチタイムを逃したときでも駆け込める通し営業のお店。ほかにも利尻産ホタテフライカレーや利尻産タコカレー、利尻とろろ昆布ラーメンなど利尻ならではのメニューが豊富です。
そして、アメリカのミシュラン掲載店でシェフを勤めていた代表とシェフが、今年5月にオープンした「ゴリーズ」も見逃せまん。
この店のシグニチャーメニューはマルガリータと利尻とろろ昆布がまさかのコラボをした「リシリータ」。意外な組み合わせですが、モッツアレラととろろ昆布がお互いの良さを引き立て合い、くせになるおいしさ!
また、この土地の食材をふんだんに使った季節限定ピザも注目大。
島の名水とこだわり食材を使った島ならではの特別なイタリアンをぜひ一度お試しあれ。
雨がおさまるまで、フェリーターミナル近くのカフェでほっと一息つくのも。利尻の名水を使用したコーヒーや、ヨーロッパ産のこだわりの小麦粉や上質なバターを使用した手作りパンを味わうことができます。木のぬくもりを感じるゆったりとした空間でのティータイムは至福のひと時です。
室内でも楽しめるのは郷土資料館。礼文町郷土資料館は礼文島での暮らしを縄文時代からたどることができます。国の重要文化財に指定されている貴重な船泊遺跡の出土品も展示。さらに礼文島の全景がわかるジオラマやフォトギャラリーもあるので、ここで島の全貌を学んでから島内を巡るのもオススメ。フェリーターミナルからもすぐ近くのため、島に到着後すぐや旅の最後に行くこともできます。
利尻にも利尻島郷土資料館があるので、強風や雨が落ち着くまで資料館で島の歴史や文化に触れてみてはいかがでしょうか。
悪天候でも楽しめる!利尻・礼文はいかがでしたか?
島の天気は変わりやすく、もともと予定していたアクティビティができなくなってしまうことや、フェリーの欠航など臨機応変なスケジュール変更が求められることもしばしば。でもそんな地球の変化と直に向き合えることも島旅の醍醐味。天気が悪くても島で楽しめることはまだまだたくさん。悪天候でも残念がらずに、楽しい島旅を過ごしてくださいね!
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2026/02/13発売ようこそ! 島の人たちが教えてくれた利尻・礼文の魅力を1冊に凝縮。絶景スポットから遊び方、カルチャーまで。さあ、島旅へ。
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TEXT・PHOTO:河合瑛実