- 兵庫県
J25 地球の歩き方 兵庫 2026~2027
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北を日本海、南を瀬戸内海に面し、その多彩な風土や気候から“日本の縮図”といわれる兵庫県。そんな広い面積を誇る同県の最南端の鉄道駅を紹介します。
兵庫県の最南端の市町村は淡路島にある南あわじ市ですが、現在は島に鉄道が通っていないため、最南端の鉄道駅は本土側にあります。姫路市の山陽姫路駅から神戸市長田区の西代までを東西に走っている山陽電気鉄道(以下、山陽電鉄)の山陽本線にある「東垂水駅」が県内最南端の鉄道駅です。
夏のある日、実際に東垂水駅を訪れてみました! 海岸に近い立地のため、電車のドアが開くとフワッと潮の香りがただよい、湿度を帯びた空気が車内冷房で冷えた体にまとわりつくのを感じました。
駅は普通列車(各駅停車)のみが停車する無人駅で、筆者が訪れた平日の昼過ぎは釣り客や地元の方が電車を待っていました。レトロな駅舎の雰囲気とセミの鳴き声、夏らしい空模様の雲でどこか懐かしい雰囲気を感じます。兵庫県最南端の駅にも関わらず、そのことを掲げた掲示なども無く、飾り気のない素朴な駅という印象です。
駅の周辺は北に傾斜地、南に海が迫るという地形のため、段々畑のように南側から国道2号線、JR、山陽電鉄が東西に走っています。潮の香りを感じるほど海から近い場所にも関わらず、高台にある東垂水駅は視界が開けていて、見晴らしがとてもよく、ホームからは並走するJRの線路やひっきりなしに車が行き交う国道2号線を、ホームからさらに標高が上がる北口からは瀬戸内海を眺めることができます。
東垂水駅の出口は南北の2ヵ所あり、改札を出て右に進むと数段の階段で駅舎の外に出ます。駅のすぐ目の前には住宅地が広がります。北口を出てすぐ振り返ると、線路や国道越しに瀬戸内海が目の前に広がり、空気が澄んでいる日ははるか遠くの紀伊半島まで見えます
改札から左側に出て少し長い階段を下ると南口です。南口から海側には歩道橋が伸びていて、JRの線路や国道2号線の上を通り平磯緑地にアクセスすることができます。
平磯緑地はスポーツ施設やビオトープ、展望スポットがある市民の憩いの場で、海風を感じながらリフレッシュできるエリアです。 隣接する神戸市立平磯海づり公園では、週末になると多くの釣り客でにぎわいます。
■平磯緑地
住所:兵庫県神戸市垂水区平磯1丁目1-19
URL:https://kobe-machiguide.com/park/hiraiso-park/
■神戸市立平磯海づり公園
URL:https://kobeumiduri.jp/
三宮方面から東垂水駅に向かう際に通る、須磨浦公園駅~山陽塩屋駅間は遮るものなく車窓から大パノラマの瀬戸内海を見られる区間があり、まさに絶景です! さらに、東垂水駅のひと駅東側にある「滝の茶屋駅」はホームから海が見える駅として度々新聞やブログで取り上げられます。どちらもはじめて訪れる人にとっては思わずカメラを構えたくなるような景色です!
生活のすぐそばに絶景が溶け込む東垂水駅周辺ですが、どこか親しみや懐かしさのある温かい空気感がただよい、訪れる人を癒します。
神戸の中心地、三宮からおよそ30分とアクセスも便利な兵庫県最南端の鉄道駅、東垂水駅に出掛けてみませんか。