【ボルジョミ】町を彩る珍しいモザイク画の正体
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皆さんგამარჯობა(ガーマルジョバ:こんにちは)!
皆さんは街中で壁にイラストや絵画が描かれているのを見て、足を止めてご覧になったことはありますか?
日本では街中の壁に堂々と大きな絵が描かれている事はあまりありませんし、その様なスペースも無いので無いかな?と思います。あってもスプレーイラストなどで、残念ながら万人受けするものでは無い事が一般的です。
一方でジョージアでは、首都トビリシを含め様々な地域で、思わず写真を撮ってしまう程、目を見張る壁画があるのです。
今日はそんなジョージアの壁画を少し紹介します。
ジョージアには歩くだけでたくさんの芸術作品が見れるよ、という事を、以前ボルジョミにあるモザイクアートについて紹介した際にお伝えしていました。
モザイクアートは旧ソ連芸術においては欠かすことの出来ない文化で、筆者も見つけたら写真を撮るのですが、今回はモザイクアートではなく、壁画について紹介します。
ジョージアの大都市(トビリシやクタイシ、バトゥミ等)では、よく見られる絵画で、政治的な絵画もあれば、ジョージア文化を紹介するもの、平和のメッセージ等様々あり、それらは点在しています。
実はこの壁画達の多くは、トビリシで毎年開催されているTBILISI MURAL FEST(TMF)の作品なのです。
このお祭りは2019年から始まり、今年2025年で第6回目を迎えるのですが、ジョージアにある旧ソ連時代からの無機質で画一的な都市景観や建築物に対し、世界的に有名な画家や地元アーティストによる壁画(ストリートアート)を用いて、空間に新たな文化的・視覚的価値を加え、都市環境を活性化させる試みとして行われているものなのです。
都市空間開発としての成功例として徐々に世界的にも有名になっているこのTMFは、トビリシだけでなく、クタイシや他の都市にも活動がどんどん広がっており、観光客や道行く人を楽しませてくれているのです。
例えばOld Tbilisi地域にある絵として、有名なのはこの作品①ですが、これはイタリアの若手画家Vesodによる作品であり、作風としては、自身のスタイルと、シュールレアリズム画家だった彼自身の父親からの影響が色濃くミックスされており、とても魅力的だと評判の作品です。筆者も初めて見た際に、どこかマグリットの絵を彷彿させつつも、近未来感のあるこの作品に目を惹かれてしまいました。
また②の作品は、ウクライナのSasha Korban氏の作品で、③はドイツの画家Case Maclaim氏の作品と、壁の絵達はとても国際色豊かなのです。
特に筆者が好きなのはクタイシで車中から発見した、Tina Chertova氏による”Georgian ornament”という作品です。これはジョージアの宴会であるSupraの際に机に敷かれるテーブルクロスの柄として有名な伝統的なデザインが、壁一面に描かれていました。
筆者は車に乗っていたのですが、とっても目を惹く美しい青色だったのと、この伝統デザインを筆者は好きだったので、思わず写真に納めました。この青色は天国と純粋さを表しているそうで、伝統文化を守りたいというTina氏の思いが現れている作品です。
またイベントとは関係無く、壁画アーティストを国内外から招聘して、描いてもらう事も街として積極的に行っているようで、Jumu Monster氏の作品もその1つです。ドイツ生まれで南米にルーツがある芸術家である彼女の作風は、ラテンアメリカの先住民保護がテーマだそうで、とても力強いエネルギッシュなラテン絵画となっており、この作品もトビリシのMedical University駅付近で見る事ができます。
またこういった有名絵画以外でも、ジョージア人の遊び心が現れているミニ芸術作品もよく見かけます。
例えば、トビリシ市内で見つけた一見普通のこのマンション。よーーーく見てみてください。
隙間のスペースに本棚やバレリーナ、花瓶などが建物の色合いとマッチするように描かれています。
何気なくスーパーに向かった際にふと上を見上げた際にこの絵を見つけ、筆者はとっても感動した事を覚えています♪
筆者は美術館巡りが好きなのですが、トビリシに来た際は街の散策をすることで、青空の下の美術館だと感じ楽しんでいます。携帯を見ながら歩いたりするのは危険だし、勿体無い!と思わせてくれる美しい作品が沢山散らばっているジョージア。
TMFのサイトには、作品がどこにあるかを照らし合わせる事が出来るマップアプリも紹介されています。
時間に限りがある方は、こちらもご活用くださいね!
筆者も今後も作品を撮り溜め、皆様に紹介して行こうと思います!
皆様も、トビリシでお気に入りの絵画との出会いを楽しんでみてくださいね!